コトノハココロ、ウミシズク。
独りの人間。行き着いたのは、海原に繋がる小さな入江。
口から何かが、雫が、ポツポツと海に落ちて行く。
その人は、口を開いて何かを言っていた。誰に言う訳でもなく。独りで。
言葉とは、私のココロ。
泣き言は、涙の枯れた、私の涙。
気持ち悪いでしょう?
腹が立つでしょう?
鬱陶しいでしょう?
だから、見ないで下さい。私のココロ。
だったらこんな場所で口を開くなって?
涙を枯らし、追い込まれたモノの最後に行き着いた場所なんです。お願いです、奪わないで下さい。
私には、ココしか無いんです。
追い込んだのは誰かって?
ワタシです。私が、全て、何もかも悪いんです。
自らで自らを追い込んで、追い詰めて、行き着いた結果がここなのです。
と。その人は嘆くように、祈るように、懺悔するように言っていた。
コトノハは、ココロ。
涙の雫。
ポツポツと、深い海に落とされる不快な雫。
ポツポツ、と。
ただ、ポツポツと。