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普通ってどこにあるんですか?  作者: 姫野すずほ
2/4

面接

…自己紹介が遅れたが、俺の名前は坂口ヤマセ。

いたって普通の男子高校生だ。


がしかし、俺の今置かれているこの状況は、なんとも悲劇的。どのような経緯でこうなったかはまだ言わないが、俺は今確実にやばい!!!!

ついに面接が始まってしまう、あの恐ろしいことで有名な如月学園の面接が…。いやいや俺のメンタル、サランラップだから。痛いこととかあったら泣いちゃうよ、俺。あ、カウンセラーさんが微笑んでくれた…。てか可愛すぎだろカウンセラーっっ!!


なんやかんや心中で叫んでいたら、さっき面接室に入っていった奴が帰ってきた。

うわ…涙目になってるよ。なに言われたんだよ。こえーよ、びびらせんなよ!!


………てか俺の番だよな…。

……そうだよな…。

もう!!入ってやるよっ!!あーもうなんか爆発すればいいのに!!!!

そして俺は半ばキレながら面接室の扉を開けた。


「あら、元気がいいですこと」

中にはパイプ椅子1つと四角くて黒い電話ボックスのような箱が1つ。どうやらこの中に学園長がいるようだ。てゆうか真っ黒だけど見えてんのか俺のこと!?

「とりあえず、座ってくださる?」

上品で丁寧ではあるが、伝わってくる威圧感はハンパじゃない。

「は、はいっ!」

勢いよく入ってきた元気はどこいったんだよ…。

「…。」

「…。」

これってもう始まってるのか、面接?

無言だけど…。

「ふふ…。あははははははは!!!!!」

「えっっどうしたのでございますかっっあ!?」

「あはは、はは!!!合格よ、合格ー!あなた合格だから、んじゃよろしくねヤマセくん♡」

最初の威圧感はなんだったんだ…。

てか俺合格!!!???

えっなになに?どうなってんの??

とりあえず、一刻も早く面接室から出よう…、なんか夢でも見てるみたいだ。


ドアを勢いよく開けると、あの可愛いカウンセラーさんが俺のみぞおちを1発どすんと殴ってきて、俺は…俺は…気を失ってしまった。


…あれ。

ここどこだよ。

徐々に戻ってくる意識と記憶。

「あ、俺…、」

「お目覚めのようね」

俺の目の前に立っている女は…「学園長…?」

「ええそうよ。私が学園長の美原シズク。」

まだよくわからないこの状況。そして学園長の隣にさっき俺にどすんと1発くれたカウンセラーさんがにこやかに佇んでいる。

「あの、これはつまり…どうゆうことですか??」

「うちのカウンセラーちゃんがごめんねっ。痛かったでしょう?」

「あの…、」

「ああ喋んなくていいわよ、今から全部説明するからさ。」

「わかりました…。」

納得はしてないが確かに腹も痛むので、黙っておいた方が良さそうだ。

「先程面接でお伝えしたように、あなたはこの如月学園に入学してもらうわ。」

「えっ、あの俺まだ入学するなんて一度も…!」

「あら、あなたのご両親とっても喜んでたわよー。なんたって、あなたの学費免除のうえに、毎月あなたのご両親に1億ずつ渡すっていう契約してきたからっ。」

「…。」

あの糞ババァと糞オヤジめっ!

子供をなんだと思ってるんだっ!

「とりあえず書類に判子も押してあるからそれは抗えない事実よ!決定事項よ!」

「…はぁ、なるほど。」

「まぁ、それほどあんたをこの学園に入れたいってことなのよ。そして、手っ取り早く言うと、あなたにやってほしいことがあるの。」

学園長はニヤリと微笑み、

「学園生活をより愉快に痛快にするのがあなたの使命よっ!」

「………。」

「あなたにはこの重大な使命があるのっ!わかってくれた?」

「わかりません。」

まるでかくれんぼをする前の幼稚園児のようにはしゃぐ学園長。

「なんですって!?まぁ丁寧に説明してあげるとねぇ、あなたはクラスの黒幕になってほしい訳よ。」

「はぁっ!?」

「だぁかぁらぁ!学園生活をDOKI DOKI WAKU WAKU したものにするためにあなたが色々と仕掛けんのよ!まぁ例を挙げるとすれば、朝学校に来たら、教室がめちゃめちゃになってた、とかさ!!」

「あんた本当に学園長だよな?」

「とにかく、あなたにはどんどん学園生活をめちゃめちゃにして、有意義なものにするための手伝いをしてもらいたいのよっ!!」

…狂ってる。

だが、俺は気付いていた。今俺がものすごくわくわくしているということに。

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