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第2話 英雄の力

更新遅れてすいません!

いやーストック作ろうとしてたら思ったように進まなくて・・・我慢できず投稿です!


どうぞ!最近言葉遊びにはまってるせいか変な文章になってないか凄く不安ですが・・・見ててってくださいな。

人は理不尽の中で生きている。

人は常に死と隣合わせ。

人だけではなく、生物全てに共通する現象『死』。

きっとそれは唯一平等なモノなのだろう。


「さぁて、大見得切ったのはいいけどな・・・どうやら片方は人ではなく魔剣みたいだし、聖剣も使わねぇとな」


『死』という平等なものは平等でありながら平等を望む人は拒絶する。

何故なら自身が認知できないものだから。

ゆえにたとえ平等であっても不平等なのだろう。

生物・・・特に人という存在は傲慢で愚かな存在なのだから。


「お、絶の方は何故か弱ってるなぁ・・・じゃあ先に絶だな、紅は後だ」


人は同じ人を殺す事に対し罪悪感を感じる。

しかし動物は同じ種族であっても殺す。

何故なら世の中は弱肉強食だから。

では人の中では誰が強者で誰が弱者か。

それを決めるのはきっと人ではなく、別の存在なのだろう。


「あぁ・・・魔術の下準備は・・・ゲッ、あまり出来てねぇや、面倒だなぁ」


理不尽の中で人が望むのは自身の力で助かる事ではなく他者の力で助かる事。

つまりは他力本願。

そんな考えの存在はそれこそ数えるとキリがない。

しかし実際助かるのは他力本願より自分で何とかしようとする存在である。

何故なら行動に移さねば結果はついてこないからである。


「よし、じゃあ今度こそ始めようか、さすがに待ちくたびれただろ?」


さて、理不尽という言葉を何度か使用されたが、結局何を伝えたいのかと言うと、


理不尽に対抗するのはまた別の理不尽という事である。


その理不尽がこの少年の姿をした存在、シュイゼルである。

生物が拒絶してやまない『死』という理不尽を振りまく死神。

戦争においては大量虐殺によって英雄という称号を得た存在。

多くを殺し多くを助けた存在。

殺す事を強いられ、救う事を強いられた存在。


「さぁ、お前達は災害(・・)から逃げきる事ができるかな?」


シュイゼルはそう言いながら、霊刀・原初(はじまり)を構える。

霊刀・原初の能力は・・・、


「『否定』と『肯定』から逃げられるかな?」


『否定』対象が存在している(・・・・・・)限り逃げる事のできないほど理不尽な能力。

簡単に言えば消滅させる能力である。対象は有機物から無機物、概念までもが対象である。

回避するためには存在していない存在にならなければならない。

ゆえに理不尽。しかし仮に存在していない存在になったとしてももう一つの能力『肯定』からは逃げられない。

何故ならそこに存在しない存在を存在する存在に変えてしまうからである。

『肯定』無機物ならば問答無用で存在させる事ができる能力。生き物は条件が整わなければ存在させる事ができない。

条件とかそこに存在するか否かである。つまり『否定』を回避したもののみ対象にできるという訳だ。

つまり片方を回避できてももう片方が回避できないのである。

ゆえに理不尽。災害である。


「ハッ!絶!お前はここで否定させてもらうぜ?お前の拒絶よりも俺の否定の方が上だ!」


常識は非常識に勝てない。

まるでそれを『肯定』するかのように妖刀・絶とその犠牲者は消えた。

たった一太刀。それだけで『否定』しきるのには充分だった。


「さぁ・・・妖刀・紅、魔剣・グリード!お前等はこれで相手してやる!」


シュイゼルは霊刀・原初をしまい、聖剣・オケアノスを取り出した。

聖剣・オケアノスは聖『剣』と言っておきながら初期の形状は双銃であった。

これは能力『形状変化』が原因である。

『形状変化』は名前の通り、姿を自由に変更できるという能力である。

それだけでも様々な状況下で戦えるため便利ではあるが、それだけではない。

銃へと変化した場合、弾切れがないのだ。

正しくは魔力があればリロードが必要なく、弾切れを恐れる事がなくなるというのだ。

それぞれの変化の共通点は『絶対に壊れない』というものだ。

ゆえに多少の無理ができるのである。

しかしオケアノスの能力はそれだけではない。


「おっと!紅の能力は『燃焼』だったな!しかもAAAランクだ・・・しかもグリードの方はSランクだ、普通の剣なら対抗すらできないだろうが・・・俺の剣は別だぜ?」


その言葉を肯定するかのようにオケアノスは光を帯び始めた。

その光はまるで何もかもを受け入れるような光だった、いや、事実妖刀と魔剣による攻撃を受けてなお、ダメージらしきものをシュイゼルに与えさせなかった。

何故なら『抱擁』という能力があるためだ。

『抱擁』とは名前だけでは分かり辛いかもしれない。

しかし例を出せば少しは理解できるだろう。例としてあげるなら・・・、


『死』というものを人が『拒絶』したとしよう。

普通ならば致命傷を受けたりしなければその『拒絶』は成功しその人は『死』なないだろう。

しかしこの『抱擁』という能力は全てを受け入れる、又は受け入れさせるのだ。

つまり『拒絶』という行動(アクション)を起こせなくなり、人は『死』を受け入れなければならなくなり・・・死ぬ。


つまり『抱擁』という能力は全ての拒絶、拒否、否定という選択肢をなくし、受け入れざる終えない状態にするという能力である。

さきほどシュイゼルは相手が攻撃を当ててもダメージが通らないという状態を無理やり生み出したのだ。

相手の自身への『拒絶』をなくして。


「ほらほら!当ててみろ!お前等は自身よりも弱い弱者しか狙えない臆病者か!でなければさっさと全力を出せ!その全力を俺が全力で『否定』してやる!」


シュイゼルは銃弾による攻撃を一切緩めず言う。

妖刀と魔剣はまるでその言葉を理解したかのように今まで以上の力で攻撃を繰り出す。


「Gaaaaaaaaaaaaaaaa!!」

「そうだ!お前は俺達人間を殺しにきたんだろうが!なら・・・この程度で止まるんじゃねぇよ」


見当違いの方へ銃弾を放つシュイゼル。

紅とグリードは何をやっているのか疑問に思っている・・・しかし答えは簡単に出る。

それも跳ね返ってきた銃弾によって。


跳弾。


それも一瞬の間に10発放った状態である。全ての弾が相手の首下に向かっている。

その様子を見れば彼がどれだけ人間離れしているかよく分かるであろう。


「GuGaaaaaaaaaaa!!」

「はぁ・・・さすが耐久度が高いだけあるな、まぁ俺がお前等を壊す事に変わりはねぇよ、さっさと壊れな!」

「Gaa!?」

「形状を剣に変えるか」


やっぱ銃は苦手だわ・・・と呟きながたシュイゼルは聖剣を銃から剣に変える。

剣の状態では刃は1mほどで刀身は少しだけ蒼を含みそれ以外は真っ白である。

しかし剣は1本ではなく2本。つまりは双剣である。


「よし、やっぱ剣だな・・・さぁ、行くぞ?」

「Guuuuuuuuuuuu!!」


2本の剣で同時に攻撃するのではなく片方で攻撃、片方で防御の形で相対している。

シュイゼルはまるで相手の攻撃の向かってくる場所全てが分かっているかのように防御を繰り返す。

ただの一度もその刃を見た事がないのにだ。


「理性なき攻撃で俺に勝てると思うなよ?俺はそれほど甘くはねぇ」

「Ga!?」


シュイゼルの剣がグリードに突き刺さる。

まるで吸い込まれたかのように・・・。


「さて、お前等魔剣に輪廻転生の概念があるかわからねぇが・・・よき来世を」


ズシャッ!


胸に突き刺された剣を横薙ぎにする。

まるで抵抗がないかのように払われる。

その動作が終わった瞬間、相手はまるで最初からいなかったかのように消えた。


「よし、終わった終わった・・・でもまぁ間に合わなかったのが1人、ぎりぎりが1人か・・・はぁ、俺も鈍ったなぁ」


何処からともなく煙草を取り出し吸う。


「処理は・・・学園に任せたほうが面倒がなくていいな、後はコイツか」


煙草による煙を吸い込んでもまったく反応しないネームレス。

まるで死んでいるかのように気を失っている。

しかしこのまま血を流し続ければ死んでいるかのようにではなく死んでいるになってしまう。


「回復用の魔術は苦手なんだが・・・まぁ何とかするか」


シュイゼルは懐から札を出すと、


「対象選択、術式選択、効果範囲選択、術式起動『治癒』」


魔術を起動させネームレスの治療を行う。

術式が起動した瞬間、傷がまるでビデオの巻き戻しを見てるかのように治っていく。


「俺の魔術は異端なんだ、あまり使いたくないんだが・・・」

『肯定、危険度を下げるために使用頻度の低下を提示します』

「・・・オケアノス、ならこの場合はどうする」

『提示、医療室に搬送、その後任せれば終了かと』

「こいつの現状の危険度は?」

『提示、後5分以内に死亡域まで行きます』

「それじゃあ間に合わないだろ、それは目覚めが悪い」

『否定、主はそのような考えを持たぬはず』

「一般常識だ」

『否定、それは50年以上前の常識のはず』


オケアノスがしゃべっている事に疑問を思う者もいるだろう。

しかしオケアノスは意思を持つ聖剣。

そして言葉を発する事のできる剣である。

会話頻度は低くともこのように喋る事がある。

特にシュイゼルが危険になりそうだと判断した場合はである。


「50年前は俺もいたんだから常識として捉えても間違いではないだろ?」

『否定、主はあの出来事からそれを常識として受け入れていないはず』

「・・・やっぱお前には分かっちまうか」

『肯定、ゆえに疑問に』

「だろうなぁ・・・でも俺にもよくわかんねぇんだよ、コイツを助けた理由がさ」

『理解、なるほど、しかし主が納得するのであれば私からは何も』

「まぁここで助けたって事はそういう事(・・・・・)だろ?なら後は時の流れるまま・・さ」

『了解、人が3人接近していますが・・・どうしますか?』

「そうだな、説明だけしてとっとと剣を破壊しねぇとな」

『了解、情報を纏めておきます』

「ああ」


シュイゼルは先ほどまで吸っていた煙草を魔術で燃やし、校舎の方へ向かった。

ネームレスを連れて。

まずは感謝コーナーをば。

夜神様、感想ありがとうございます。


いやー一人でも感想が来ると嬉しいものですね。

見ていてくれている方がいるとハッキリ分かりますから。


今回でもう1人の主人公、シュイゼルが完全に物語に参入してきました。

ゆえに次の次くらいから学園内での物語になるようにしていこうとおもいます。


聖霊学園はこの物語でも重要なキーワードなのであまりスルーしないように頑張ります。


では!これからも読者の方の予想や期待を良い意味で裏切れるよう頑張ります!

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