プロローグ
という訳で一次開始です!
未熟ゆえに見苦しいかもしれませんが、どんどん成長できるよう努力していこうとおもいます!
この世は平和な世の中であった。
人々は日々を楽しく生き、笑い、泣き、苦しみ、怒り、しかし最後にはやはり笑っていた。
しかしその平和も長くは続かなかった。
ある日1本の刀が発見された。
その刀は見る者の意識を奪い、魅了し周りの人間を殺しつくしたのだ。
そうその刀は普通の刀ではなく、妖刀だったのだ。
妖刀1本で何が出来るのかと聞かれれば普通ならば返答に困るだろう。
しかし、妖刀は1本ではなかった。
最初の1本が見つかれば後は簡単に見つかった。
見つかってしまった。
妖刀の数、およそ1万。
人々は妖刀に身も心も奪われ、ただの殺戮兵器と化した。
しかし人もただ殺されていた訳ではない。
妖刀相手に戦うために様々な方法を生み出した。
魔術という存在に手をだした。
魔術に手を出した者を魔術奏者と呼んだ。
鍛冶師が命を賭け作り上げた刀があった。
それは妖刀とは対をなす霊刀となった。
しかし魔術にもその霊刀にも欠点があった。
簡単である。才能がある者とない者、選ばれた者とそうでない者。
霊刀は所持者を選び、魔術は才能が必要とされた。
しかし人類全てがその才能を持っているかと問われればNOと答えるだろう。
才能がなく、所持者に選ばれなかった者は涙を流し、才能ある者はその才能に溺れる。
このままでは駄目だと気付いた者がいた。
その者は学園を築いた。
学園にて才能があろうとなかろうと敵と戦える存在になれるように祈りながら。
その結果、戦える存在が増え、妖刀という存在が滅され始め、人々が安心し始めた瞬間。
まるでその安心を崩すためにあるかのように魔剣という存在が現れた。
魔剣は人と同じ姿をとる事が可能であり、妖刀と手を組み始めた。
その2つの存在に人々は霊刀と魔術だけでは歯が立たなかった。
人類はまた絶望のどん底に落とされた。
しかしまだ救いはあった。
何故なら魔剣と対となる聖剣が現れたからだ。
聖剣は人と同じ姿をとる事はできないが、その代わり使用者へ与える力が絶大であった。
それこそ魔剣と妖刀相手に善戦ができるほどに。
しかし善戦できるだけであって決して勝てる訳ではなかった。
人は少しずつ疲弊していき、時間が経つにつれ、不利になった。
人々は今度こそ終わりだと思った。
相手は剣、疲弊するはずがないのだから。
そんな中、1人の少年の姿をした存在がいた。
「まだ諦めるには早い、なんせまだ戦えるんだからな」
そう言い放った存在に対し人々は言う。
「相手に疲弊なくこちらが疲弊してばかり・・・このままでは勝てるはずがないだろう!」
その言葉に対し、少年の姿をした存在は、
「そう思ってるんならアンタ等はそこにいな、諦めた先に未来はねぇんだ、諦めず足掻いた先に未来がある・・・俺はまだ未来を諦めちゃいねぇ」
そう返す。
人々はその少年の姿をした存在を見た。
見た瞬間人々は震えた。
なんて無謀と笑うかもしれない、無駄な事はするなというかもしれない、しかしこの少年は諦めない。
聖剣に選ばれたからではない、霊刀に選ばれたからでも魔術奏者だからでもない。
ただ目の前の絶望に対し膝を折りたくはないと。
諦めるくらいなら目の前の絶望に対して噛み付いてやると。
足掻ける限り足掻くつもりでいるこの少年に、人々は心動かされた。
ゆえに人々は彼をこう呼んだ。
「英雄」と。
彼を先頭に戦いは続いた。
彼等はその命が枯れ果てるまで戦い続けた。
その執念あってか、戦いは人々の勝利で幕を閉じた。
人々はこの争いを忘れぬため、『闘剣戦争』と名付け、のちの人類全てに理解されるよう歴史を紡いだ。
「はい、ここまでが闘剣戦争に関する歴史です、次のテストに出ますからね?」
「「「はい」」」
現在授業中のこの学園。
名を『聖霊学園』という。
名前の由来は初代学園長が、
「ん~聖剣と霊刀使うための学園だからそれぞれ聖と霊つけて聖霊で」
という鶴の一声?を発したため決定された。
この学園は学生全てが聖剣または霊刀を使用可能か、魔術奏者を目指すという存在ばかりである。
闘剣戦争から早50年。
戦争の傷跡を一切残さずに生活している現在、本来ならばこのような学園は不要かもしれない。
しかし戦争が終結した状態でも人々が危険に晒されているというのに変わりはなかった。
何故なら魔剣と妖刀は完全には滅んでいなかったためだ。
聖剣達は意思があり、そして言った。
「まだ魔剣達は滅んでいない・・・魔剣達が滅ぶ時は聖剣である私達も滅ぶ時だから」
つまり、危険は去っていなかったという事。
ゆえに学園での教育に力が入れられている。
「だからこそ僕はこんな目に遭ってるんだけどね~」
「何言ってやがる!さっさと金出せよ!」
授業は当の昔に終わり、現在は昼休み。
普通の学生ならば食堂に行くなり弁当を持って友と語り合ってるだろう。
しかし、この少年はそんな事は出来ない。
何故なら、
「落ちこぼれのお前が今ここにいられるのも俺達のおかげなんだぜ?なら金くらい安いもんだろうが!」
「うわー暴論にも程があるよ、しかも結構面倒事に巻き込まれてるよね僕、間違いなく巻き込まれてるよね!」
少年が落ちこぼれなためにイジメにあっているのだ。
この学園では珍しくはない。
何故ならこの学園は才能ある者が優遇されるからだ。
「僕今月ピンチなんだよね~それこそ君達に渡す分がないくらい・・・だから本当に簡便してほしいなぁ~って」
「無理に決まってんだろうが!」
「デスヨネー」
「さっさとよこせ!テメェ結構持ってんだろう?」
「いやいや、全然だからね?僕ピンチなんですよ?貧乏なんですよ~僕」
この少年の言う通り確かにこの少年の家庭は貧しい。
しかし、
「テメェ自身で稼いだ分があんだろうが!」
「な、何のことかな?」
この少年には個人の稼ぎという物が存在する。
個人で稼ぐには依頼を受けなければならない。
しかし本来ならばエリート中のエリートのみ依頼を受ける事ができ、個人の稼ぎが出来る。
しかしこの少年は落ちこぼれという存在なのに依頼を受ける事が出来る。
何故なら、
「珍しい技能持ってるからって図に乗りやがって・・・」
「いやいやとんでもない!僕はその技能がなかったら何もできないよ」
少年には技能というものがある。
技能とはそれぞれが持っている才能をさらに昇華させたモノの事を言う。
つまり少年は何かを昇華させているのだ。
「お前のその霊刀なら所持者に選ばれずとも所持者となれるっていう技能があるおかげだもんなぁ・・・羨ましい限りだ」
「・・・こんな技能が欲しければ差し上げたいぐらいですよ」
少年はボソッと呟く。
しかしその言葉は誰にも聞こえる事なく消えていった。
その少年は自身の技能のせいで名前をなくした。
ゆえに現在の名は、
ネームレス(名も無き人)。
自身の全てをなくした者の名前である。
この少年、ネームレスはどのような道を進むか。
それを知るモノはいない。
次回はあまり時間をおかず投稿できればと思います。
1週間に1,2話投稿できるよう頑張ります!
キャラ設定はある程度進んでからになると思いますが、わからない事があれば感想にて。
ネタバレにならない範囲でならジャンジャン答えていく予定です!
では!また次回!