里美シリーズ④ サバイバルゲーム
側近や腹心の部下、仲間に裏切られるとかは時代劇や歴史物ではよくある話だ。
現代の小説や映画、ドラマや漫画でもほぼそれは変わらない。
「まさかお前が」という人物に主人公か主要登場人物がやられてしまうのが定番だ。
有名人や大物人物ではなくても、一般人、普通の学生や社会人でも、生きていく中で信じていた人に裏切られてしまう、そんなシチュエーションに置かれてしまうことも残念ながらある。
それでも、自分が誰かを裏切る側よりも、自分が裏切られる側の方がまだマシだと思えなくもない。
自分を裏切る人を絶対に許さない!
って息巻いて言っている人の方が、自分こそどんだけ今まで人を裏切ってきたかわかっていないのかな?
っていう人が多いよ?
どの口がっていうね。
自己中な人はダブルスタンダードなんだよね。他人は許さないけど、自分には激甘。
そのような人は自覚がなくても、相当誰かを裏切って来ていて、人から恨みもかなり買っているものだ。
それに、人はのっぴきならない事情があれば、恩人をも裏切ることもあるものだ。
心の中で許してくれと血の涙を流しながらその立場からやむを得ず裏切らざるを得ない、そんな人も稀にはいる。
側近や腹心となって潜り込んでいる敵方の間者や暗殺者ながらも、長い間対象の傍にいると、その張っていた対象の人間性に惚れ込むこともあるし、異性ならば恋に落ちてしまうこともある。
敵地にいるのにその居心地の良さに任務を忘れそうになる、仲間などに絆されてしまう葛藤と必死に闘っていたりするのかもしれない。
それで敵方に寝返るということも稀にある。
本当に人生色々~?!だよね。
暗殺者として送り込まれたのに、暗殺対象を助けるとか、自分が盾になって庇って死ぬとかもあったりする。
今まで歴史の中でも色々あっただろうね。
歴史上では悪役、悪女とか呼ばれているとか、裏切り者と呼ばれている人達も、もしかしたらそちら側の方が実は正義、人道的だったなんてこともあるのだろう。
勝って生き延びた側が、自分側が正義のように仕立ててしまうわけだ。
サバイバルゲームに勝った者が、自分に都合の良い歴史に塗り替え捏造する。
残念ながらそれは今も変わらない。
ただ、クズでどうしょうもない人、ちんけな奴らに裏切られるよりも、惚れ惚れするような人、こんな人なら裏切られてもいいと思えるような素敵な相手に裏切られる方がいい。
かのシェークスピアも言っている。
「不実な友を持つよりは、素晴らしい敵を持つほうがいい」
ってね。
だからね、友人は本当に選んでつき合わないとね。
自分がマウント取ることしか眼中にないようなしょぼい奴とか、不実が服を着て歩いているようなのを友人にしてはダメなのさ。
構ってくれるなら誰でもいい、自分のことを好きだと言ってくれる人なら誰もいいなんて言っているような人の方が、容易く人を裏切るよね。
裏切られたくなければ、付き合う人間をよく選ばないと。
それから、いくら自分がその人と付き合いたくても、相手が合意しないならば、ごり押しするとか、しつこくしないこと。
サッと別れることだよ。
じゃないとそんな人は嫌われるし、だから相手に裏切られることになるんだよ。
自分の方も裏切られない人物に努力してならないとね。
潔い人の方が信頼されるよ。
相手に好かれるとか愛されるよりも前に、信頼されるようになる方がまず大事でしょ?
では、今日はここまでにしておくね。
里美は占いのラクイアントから、どうしたら人に裏切られることを無くせるかを「お兄様のように諭して下さい」という要望に答えてメールを送信した。
────ああ、本当に面倒だ。
これ自体が、サバイバルゲームのような気がしはじめる里美だった。
(了)




