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未来知識で逆行した現代でスローライフを目指す  作者: Edf
第十二章 アメリカにて大勝負
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第七十話 Welcome USA

 現在徐々にですが少し加筆修正等行なっております、人物紹介なども更新しておりますのでよろしければご覧下さい


本当にちょこっとですので見なくとも問題はないです

「赤ランプ5つ点灯! チャレンジャーのダイビングキッズを抑え……アンダードッグ、見事初代グランドキング達成だ〜!!」


「やった〜っ!」


 深夜、眠気と闘いながらも俺は小声で歓声をあげた大輔です。今テレビの前でガッツポーズ中。


 平日開催の今回は流石に東京まで見に行けず、布団に潜り込みながら深夜の放送を凝視していたのだ。画面の中で躍動する彼女達は最高に輝いていました。


 翌日、地元に戻ってきたアンダードッグのメンバーに会うと、早苗なんかは感極まって大泣きして皆に抱きついてしまったほどだ。そりゃそうだ、仲間の夢が現実になった瞬間だもんな。来月は優勝特典の逆行のPV収録が控えているらしい。本当に頑張った甲斐があったよ。


 そして、俺にとっての春休みも一気に加速していく。



◆ ◇ ◆ ◇ ◆


「美和子さん、準備は万端だよね?」


「ええ。書類も資料も全部そろったわ」


「ふたりとも……頑張ってね」


 三月末。春休みを迎えた俺と美和子さんは、いよいよアメリカへ向かう。今回の旅はネクストの将来を大きく左右する大事な仕事だ。


 本当は小次郎も連れて行きたかったが、内容が完全にビジネス関連なので本人も「俺は地元でのんびりするよ」と納得済み。山名家と由佳さん達と一緒に過ごすらしい。


 数時間後。成田空港に到着し、チェックインを済ませて搭乗ロビーへ向かうと……見知った顔ぶれが待っていた。


「……なんで藤林道場ご一行様がここに居るんだよ!?」


「よう、大輔。久しぶりじゃの!」


「よっ、大輔!」

「こんにちは、大輔君」


 爺さんと、健太、そして早苗。なぜか当たり前のようにそこにいた。


「せ、先生……お忙しいところ、ありがとうございます」


 横で美和子さんがぺこりと頭を下げる。


「な〜に。タダでアメリカ旅行に行けるなら、護衛くらい安いもんじゃ」


 げっ……美和子さん、あのジジイを護衛として雇ったのか!


「アメリカまでよろしくな、大輔」


「お、お前らも行くのかよ……」


 俺が頭を抱えていると、早苗が気まずそうに笑った。


「物凄く残念だけど、私はパスポートの準備が間に合わなかったの。ただ今回は見送り」


「お土産、楽しみにしてるからね」


「う、うん。必ず買って帰るよ」


 ……って、空港で桃色の雰囲気出すんじゃねぇ! 空気読め!


 出発アナウンスが鳴り響き、俺たちは搭乗ゲートへ向かう。


「じゃあ皆さん、お仕事頑張ってください!」


「おう、早苗。見送りありがとな」


「お土産、忘れないでね」


 こうして俺たちは大西洋の向こう側、アメリカへと旅立った。



◆ ◇ ◆ ◇ ◆


 十数時間の空の旅。途中で健太とジジイを相手にマグネット将棋を指したり、映画を見たりして時間を潰す。疲れと緊張の入り混じった空気の中、ついに飛行機はロサンゼルス国際空港へと降り立った。


 到着ゲートでは、すでに現地ガイドの男が待っていた。


『ウェルカム! ミス・ミワコ!』


『あなたがジョージさんね。お世話になります』


『オーケー! アナハイムは俺の庭みたいなもんだっけ! さあ乗ってけれ、安心しなっせ!』


 濃いサングラスに陽気な笑み、そして分厚い南部訛り。いかにもアメリカの現地人という感じだ。


「健太、ちゃんと聞き取れてる?」


「南部訛りがすごいね……大輔は?」


「まあ、なんとか。勉強してきて正解だったな」


 健太と一緒に通った英会話教室が、ここで役に立つとは。少し感慨深い。


「ほほう、健太も大輔も英語ができるのか。ワシはさっぱりじゃ」


 隣でジジイが頭をかきながら笑う。


「まあ、辛うじてってとこだけどな」


 こうして俺たちのアメリカ滞在記――波乱含みの旅が、ここから幕を開けるのだった。

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