表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
未来知識で逆行した現代でスローライフを目指す  作者: Edf
第七章 新学期突入
48/195

第四十一話 新学期と新戦略

 暦の上では四月。新学期の始まりだ。

 俺――大輔にとっても、弟分の小次郎にとっても新しい門出の日だった。


「大輔先輩、よろしくお願いします!」

「はい、よろしく!」


 小次郎はこの春から中学生。一年生として俺の通う学校に入学した。まだ制服が少し大きく見える姿が初々しい。


「二人とも、遅れないように準備しなさい!」


 今日は入学式。俺と美和子さん、小次郎の三人で車に乗り込む。ちなみにこの日のために、美和子さんは思い切って新車を購入したらしい。


「よし、小次郎、行くぞ!」

「了解、兄貴!」


 そう、彼からの要望で“君付け”は卒業。呼び方はただの“小次郎”、そして俺のことは“兄貴”になった。


 無事学校に到着し、小次郎と美和子さんを見送ったあと、俺は三年A組の教室へと足を運ぶ。

 ドアを開けると、元気な声が飛んできた。


「おはよう、大輔!」

「おはよう、大輔君!」


 健太と早苗、そして誠司――三人とも同じクラスになっていた。未来の記憶では、健太と早苗は同じクラスだったが、誠司がいたかどうかは曖昧だ。ひょっとすると未来が少し変化しているのかもしれない。


 この日は午前で授業が終わり、顔合わせ程度で解散となった。


「今日こそ藤林先生へ紹介してもらうわよ!」


 意気込む声を背に振り返ると、早苗が健太を探していた。しかし――。


「あー、健太ならもう帰ったよ」


 終了と同時に奴は姿を消していた。まるで忍者のように。

 早苗もそのまま教室を飛び出し追いかけていくが、きっと捕まらないだろう。


「僕も昼食の支度があるから帰るよ」

「ああ、お疲れ。また明日な」


 誠司は妹の世話と家事で忙しいらしい。家庭環境が大きく変わってしまったと聞く。何か手助けができればと思うが、今は見守るしかない。


 さて、小次郎の入学式も無事に終わり、帰宅後は家族で昼食。その後、小次郎はさっそくドラクエⅢを始め、俺は美和子さんと会社へ向かった。


 只今ネクスト本社前です、いや本当に上場しちゃいましたよ。いまや俺たちの会社――株式会社ネクストは、三十人規模の上場企業へと成長したのです。玄関前に立つと、改めて現実感に胸が高鳴ります。


「代表、お待ちしていました」


 出迎えてくれたのは、もう一人の取締役、美香子さん。彼女の視線に合わせ、真理子さん、悠子さん、奈々さん、優子さんへも軽く挨拶を送る。


「急ぎの予定はありません」

「なら少しだけ、大輔君と話してくるわ」

「かしこまりました!」


 代表室に入り、美和子さんと腰を下ろす。いよいよ本題だ。


「さて、例の話を始めるわよ」

「うん。こちらは順調。このままいけば年末までに資産七億は用意できる」

「こっちも問題ないわ。十億は確実に用意できる」

「なら銀行から三十億は引き出せるね」

「任せて。来年の渡米、準備しておくわ」

「ありがとう。春休みあたり、行こうと思う」


 そう、来年俺たちはとある目的の為渡米する。


 カリフォルニア州アナハイムで行われる国際会議にて講演予定のある人物に会うためだ。


 その人物とは、マイクロンソフトの創業者――ビル・ゲイツCEO。


 俺達の目的の為にも、彼にはどうしても会っておく必要があるのだ。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ