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未来知識で逆行した現代でスローライフを目指す  作者: Edf
第2部 第11章 またもや襲いかかる政治のお話
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黒玉事件・解決編④

『本日はT国民主化の父と呼ばれる李前総裁にお迎え頂き感謝の念に堪えません』


 只今、目の前では歓迎式典の真っ最中、俺何でこんな場に呼ばれてるんでしょうか?


「大吾さん、俺場違い感半端ないんですけど?」


「え〜い、いい加減観念しろ、下っ端の俺だって困惑しとるわ!」


 何故俺まで呼び出されたのかと言うと、玉玲から例の一件での感謝を伝えたいとの事のようだった


 別にお礼とかいいから、早く帰らせて欲しいんですけど…



◆ ◇ ◆ ◇ ◆


『それでは挨拶はこれまでとして、皆様ご歓談下さい』


 ようやくお偉いさん方の挨拶が終わったよ、皆が思い思い懇談の為周囲に散らばっていく。


「大輔、T国の公邸料理人の料理は絶品だぞ、食い溜めしていこうぜ」


「おお、これとか日本料理に似ているけど別物ですね〜、あっ、これかなり美味しい!」


「こら美味、こら美味!」


 俺と大吾さんが、公邸料理人の手を尽くした味わい深い料理に魅了されてるそんな中


『あら大輔、来てくれたのね!』


 イブニングドレスで完璧に装った黒玉姫の登場である


『こんにちは、Ms李、今日はお誘い頂いて嬉しく思います』


 とりあえず挨拶だけは練習してきたので披露する


「お褒め頂き光栄よ!」


 向こうからも丁寧な日本語で返礼された、多少片言だが日本語出来るのかい。


「日本語お上手ですね」


「ありがと、少し喋る事できるよ」


 まあ間に大吾さんもいるので、普通に通訳してもらうんだけどね。


『それより玉玲さん、本日はどういったご要件で?』


『お礼が言いたかったのは勿論なんだけど、貴方達に会いたいって人もいてね、ちょっとこっち来て頂戴』


 そう言って俺達を強引に引っ張っていく玉玲の向かった先には


「やあ、初めまして、李と申します、お二人とも是非お会いしたかった!」


 うわ〜、勘弁してくれ〜


 目の前に現れたのは、生きる偉人と呼ばれる李登弧前総裁の姿である、大変流暢な日本語での挨拶に驚く、そう言えばこの人は日本の大学に出ていて日本語も堪能だったな。


「り、李閣下、お初にお目にかかれて光栄です、風間大輔と申します」


「同じくお目にかかれて光栄です、富樫大吾と申します」


 二人緊張しながら挨拶を交わす。


「あ〜、堅い事は言いっこなしにしましょう、お二人共玉玲を救って頂き感謝します」


 そう言って頭を下げる李登弧前総裁


「あ、頭をお上げ下さい!」


「そうです、頭をお上げ下さい、私達は人として当たり前の事をしただけですので!」


 俺達の慌てふためく様子を見て、にこやかに頭を上げる李閣下


「私の想像した通りの方達だ、良い人達に会えて良かったな、玉玲」


『ええ、本当に最高の出会いだったわ!』


 まさに百万ドルの笑顔を見せる玉玲だったが、その表情を見て少し閣下の様子が変化する


「ところで、つかぬ事をお聞きしたいのだが、玉玲のデートした相手とはどなたかな?」


 俺は閣下の表情が鬼神に変わる幻影を見た気がした。


 速攻で右手をフレミングの法則の形に変え隣の人間を指差す


「大吾君、そうか貴様……いや君だったのか、少し向こうの方でOHANASI、嫌、大人の会話を楽しもうじゃないか?」


 そう言って大吾さんの肩に置かれた手から、オーラのような物が吹き上がってる気がするんですけど?!


 チワワのように震え、俺の方に助けを求める目を向ける大吾さんの視線から、俺は目を逸らす事しか出来なかったよ。




◆ ◇ ◆ ◇ ◆


 あの騒動から二か月程経ち、久々に東京に出向いた俺は、夜、大吾さんとまた呑む約束をして、いつもの店に会いに行ったのだが……


「よ、よぉ、大輔、久し振…り」


「大吾さん?!」


 目の前には枯れ木のような姿になった大吾さんがいた


「い、一体、どうしたんですか!」


 話を聞いてみると、あの後T国に帰る玉玲達を見送った際に、玉玲から感謝の証と頬にキスされた所、その瞬間を閣下に見られたらしく、覇王の如きプレッシャーで轢き潰されそうになったとの事


 更に間が悪い事に、その状況をパパラッチにスクープされT国に情報が拡散


 それ以来、毎日のように不幸の手紙が山のように届いてくるらしく、一部過激派からは『貴公の首は柱に吊るされるのがお似合いだ』だの、『夜道を一人で歩けるとは思うなよ』等、大変熱烈らしい


「大輔、俺はそろそろ殺されるかも知れん、俺の位牌は東京湾に流してくれよ」


「だ、大吾さーん!」


 俺達が混乱してる最中


 カラン♩カラン♫


 店の扉が開き、誰か入ってきた


「は〜い、大吾、また遊びに来たわよ、今日こそカツカレーの最高に美味しい所に連れて行ってよね!」


 そこには流暢な日本語で、背後に困ったような表情の龍さんを引き連れた玉玲がいた。


「……お、お母ちゃ〜ん、もう堪忍してくれ〜!!」


 脱兎の如く店を飛び出していく大吾さん


『逃げたわ、追いかけるわよ!』


『…承知しました』


 秒速で二人が大吾さんを追いかけて店を出て行く




 唖然としたが、すぐに気を取り直す


「…マスター、ジントニック一つ下さい」


 まあ、よくある話だよね。


 という事で、カクヨム100万PV記念、短期集中投稿は終わりとなります。


 久し振りの投稿になりましたが、沢山の方に閲覧いただきましてありがとうございました。


 また機会があれば投稿するかもしれませんのでよければご覧下さい。

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超絶面白い!!
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