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未来知識で逆行した現代でスローライフを目指す  作者: Edf
第2部 第11章 またもや襲いかかる政治のお話
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黒玉事件⑧

大吾視点

 

 俺達が連れてこられたのは、一目見て豪邸と思われる屋敷だった、中に入るとそこは中華式の豪華絢爛な内装で彩られている。


『やあ、黒玉姫、随分と美しく育ったじゃないか?』


『あら、張俊瑋じゃない、華僑三大家の若き御当主様のお出ましって訳? 貴方も随分と麗しく成長したじゃない、内面とはえらい違いよね?』


『ははは、容姿だけとは言え褒めて貰えるとは光栄だね、それじゃあ早速だが本題に入ろうか、君には僕の本妻として張家の一員になって貰い、本国とT国の架け橋となって欲しい』


『寝言にしては随分と呆れた話ね、私の記憶が確かなら、貴方には既に3人の奥様がいらっしゃったと思ったんですけど?』


『張家の当主としては、まだもの足りない位さ、それに君が望むなら第一姫として迎えてやっても良い』


『こう言うの日本では、寝言は寝て言えって言うのよね、確か、顔でも洗って出直してきたら?』


『ははは、こいつは手厳しい、でもこちらとしても時間がなくてね、こういうやり方は好きではないのだが……』


 張俊瑋はおもむろに懐から拳銃を取り出し、銃口を玉玲に向ける。


 思わず飛び出しそうになるが、玉玲が右手で静止する。


『脅しにしてはいきなり過ぎない? それに私の玉の肌に傷つけても良いのかしら?』


『流石にこの程度では君を言い聞かせる事は出来ないか、仕方ないね』


 そう言って奴はため息を吐くと、銃口の向きを俺に変え


パン!


「ぐわぁ〜〜!!」 『大吾?!』


 あまりの激痛に一瞬気が遠くなりそうになる。


『安心したまえ、足を撃ち抜いただけだ、しかしこれ以上強情をはるなら、次は無い!』


 空気がピンと張り詰めたような緊迫した状況で、流石の玉玲も表情が諦めに落ちそうになったそんな時、突然大扉が開き


「も、申し訳ありません、し、侵入者が…」


 その報告に来た人間がそのまま崩れ落ちる、その背後から武装した大男が現れ


『お嬢〜、随分と遅れて申し訳ない、居場所を把握するのに遅れましたが、意外な味方に助けて貰いまして!』


『龍さん、ナイスタイミングよ!』


 更にその大男の背後から人影が入ってくる


「大吾さん、遅れてごめん!」


「お、遅いぞ、大輔、俺なんて足撃たれちまったぞ」


 突然の再開に、お互い喜んでいると


『ちっ、表の連中は何をやっているんだ』


 せっかくの詰みの盤面が、ひっくり返った事で苛つきの表情を浮かべる張俊瑋


 玉玲の護衛の龍から、逆に銃を向けられ動けない状況に


『立場が逆転したわね、なら答えさせて頂くわ、貴方の妄言に付き合ってる程、私暇じゃ無いの、帰らせて頂くわ!』


 輝くばかりの笑顔で、張俊瑋をフってやる玉玲だったが、張俊瑋は笑顔を崩さない


『悪いが、この程度で勝った気になって貰っても困るな?』


『あら、負け惜しみ?』


『そうじゃないさ、崙老師!』


 彼が叫んだ瞬間、突然目の前に現れた老人が玉玲の護衛の大男を弾き飛ばす。


『再度逆転という訳だ、老師とりあえず全員制圧せよ』


 命令を受けた崙老師だったが、その場から全く動こうとしない


『どうした、崙老師?』


「くっくっくっ、なんとなんと、崙白崔と再び相まみえようとは、大輔、感謝するぞ!」


 その言葉と共に、また1人の老人が気配を露わにする


『……日本戦鬼か、久しいな』


『大戦以来ですな、戦場で戦死したと聞いたが、やはり隠遁しただけであったか』


『出来れば再度会いたくはなかったのだが……』


『私は再会出来て嬉しくてたまりませんなぁ、あの日以来、不自由になった右手が歓喜で疼きますわ!』


 そうして2人の老獣の気配が膨れ上がった。

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