間話 大輔、車を買う
「よっしゃ〜、合格じゃ〜」
「おっし、俺も受かった!」
「私も受かったわ、まっ当然ですけど!」
「僕も合格だね」
今日は運転免許試験の日、全員問題なく1発で合格しましたよ
「この後すぐ免許発行して貰えるんだよな?」
「午後には受け取れるらしいよ」
「良かったわ、両親から受かったら車を買って貰える事になってるの」
「俺はウチのお古使っていい事になってるんだよな!」
2人は自分が乗る車に目処があるらしい
「誠司どうする?」
「何が?」
「いやウチ美和子さんと晴彦さんの車あるけど、まだ駐車スペース一台分余ってるだろ?」
「確かに余ってるね、それで?」
「この後、車買いに行かね?」
「えっ? 新車買うの?」
「おう、一応俺が出すが、誠司も乗って良いぞ!」
「おおマジで? 行く絶対行くよ、父さんの車借りるしかないと思ってたからマジで有難い」
「へえ、大輔君も車買うんだ、私達も着いていって良い?」
「おう良いぞ、参考にしてくれ!」
そして昼食をとり13時頃に免許を受け取った俺達は、車を買いにディーラーへ行く事になった。
◆ ◇ ◆ ◇ ◆
「ねえ大輔君、参考にしてくれと言ったわよね?」
「おう参考にしていいぞ!」
「阿呆か! いきなり高級外車の専門店に連れられて参考もくそも無いわよ、私が買って貰えるのは軽よ!」
「え〜、だってポルシェとか乗って見たいじゃん?」
「ちっ、これだからブルジョワは!」
「まあまあ」
健太の奴が早苗を宥めている
「大輔、俺もポルシェを乗り回すのはちょっと、ぶつけるのが怖いであります」
「え〜っ!」
くそ誠司もダメか、どうしようかな?
とりあえず待っているものの、うん、おかしいな?
さっきから俺達はスルーされ他のお客さんを優先されてる様な気がする?
「あの〜すいませ〜ん!」
「なんだ!」
「さっきから待ってるんですけど?」
「ちっ、免許取り立てのガキが、冷やかしなら帰んな! うちは高級ディーラーなんだ、お前等に買えるような車は置いてね〜んだよ!」
ほ〜う……
俺は徐ろにバックから三千万の現金を取り出す、試験に受かった時用に車を購入する事を考えて準備して持って来てたのだ
「とりあえず頭金くらいになればと思って持って来たんだけど出直す事にするよ、ってかもうここに用は無いや」
それを見て対応したスタッフは顔を青くしてブルブル震え出す、すると後ろから別のスタッフが来て
「大変申し訳ありませんでしたお客様、少しお待ち頂いてよろしいでしょうか?」
ふむこの人は随分とまともなようだ
「いや俺も試験受かって、そのままこの格好で飛び込みで来たから仕方ないとは思うよ、だけど少し腹が立ってしまって、すみませんね」
その後そのスタッフと色々話しをしたのだが、結局そこで車を購入する事は無かった、ただお詫びとして高級腕時計を貰ってしまった
「これ多分だけど50万クラスの奴だよ!」
誠司が時計を見ながら驚いている
「いや〜バブルが弾けたとは言え、まだ好景気の残り香が香る時代、儲けたな〜」
「貴方ね〜」
呆れ返った早苗が非難する様に俺を見る
結局その後、ト◯タのディーラーでその場で引き渡して貰えるとの事で、ランクル80系の奴を即決で購入、今は誠司と俺とで仲良く乗り回している
所謂一休さんの袈裟話、金持ちになったらやってみたいプレイではありますがあきらかに迷惑ですよねw