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未来知識で逆行した現代でスローライフを目指す  作者: Edf
第二章 最初の大波を越えていけ
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第十一話 動き出すセカイ?

「はい、これ四季報と日本経営新聞。新聞は定期購読も済ませておいたわ」


「おお、ありがと! これで健太と一緒に勉強も捗るし、未来とのズレがあった場合も早めに確認できる」


「私だって顧客に説明する以上、勉強は必須よ。必要経費だと思えば安いものだわ」


「確かに。未来の大まかな流れは知ってるけど、今目の前の経済の動きや投資知識はリアルタイムで追わなきゃならないからね。助かるよ」


 三が日明け。世間がまだ正月気分を引きずっている中、美和子さんは新年初出勤の日に、なんと上司の机に辞表を叩きつけてきたのだ。


 前日の夜、俺が提示した「起業アイデア」に大きな興味を示し、即座に行動へ移す。

 

 さすが元豪腕セールスレディー。機を見るに敏なり。


「それで、投資コンサルタント会社の立ち上げに必要なものって、何?」


「実はね、特別な資格なんて要らない。知識さえあれば、起業自体に制約はないんだ。極端な話、『投資コンサルタント』って名乗った瞬間からコンサルタントを始められる」


「えっ、そんなに簡単でいいの?」


「うん。最初は個人事業主としてやればいいから法人登記も不要だし、必要になったら司法書士に丸投げでOK。多少お金はかかるけど、面倒な手続きを自分でやるよりよっぽど効率的」


「なるほど……。でも、一番の問題は顧客よね」


「そう。普通は顧客をつかむのが一番大変なんだけど――美和子さんの場合は強力な“太客”との繋がりがある。そこが最大の武器だよ。最初の利益で基盤を固めて、信用を得てから仲間を引き抜けば、法人化も自然な流れでできる」


「ふむふむ……。で、肝心の料金プランは?」


「月額三十万!」


「ちょっ!? それは高すぎるでしょ!」


「いやいや、むしろ安いくらいだよ。俺の未来知識がある限り、提供する情報に“外れ”はない。受けられる利益を考えたら、顧客は絶対に納得するはずだ」


「それでもねぇ……最初から三十万っていうのはハードルが高すぎるわ。誰も契約してくれないかも」


「じゃあ、こうしよう。例のNTD株の情報、初回限定で無料で公開していい。そこで実際に利益を出してもらって、『こいつらは本物だ』って信頼を勝ち取れば、後はこっちのもんだよ」


「……なるほど! “実績を見せて信用を得る”ってわけね」


「そう。結局は顧客がどれだけ信じてくれるかにかかってる。そこは完全に美和子さんの領分だ」


 俺がそう言うと、美和子さんは一拍置いて、ふっと表情を引き締めた。


「任せなさい。少なくとも数十人は確保してみせるわ!」


 その目には、かつて営業でトップを張っていた頃の闘志が漲っていた。


 その笑顔に宿る気迫は、俺の不安を吹き飛ばすほど力強い。


 美和子さんの手腕ならきっといける、そう確信できる瞬間だった。


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