チョコレートナイト
ダークチョコレートに
アザランをまぶしたような
夜だから
指先ですくいとる
なめれば
ほろ苦く
ときどき
あまい
見違えるような
明日は来ないから
銀色の星を
噛み砕いてる
歯に挟まるカケラに
顔をしかめる
正しく傷つくための
A to Zを隠し持ってる
でもそれすらもままならない
夜空に差し込んだ
指先が艶めく
なめれば
舌は祈りだす
(救われたいなんて
言わないから
のみ込んだそばから
光っていたい)
(曖昧さを
許せないなら
いっそ百パーセントの
苦さでいたい)
(不意に
だれかの指先にすくわれても
垂れないかたさを
覚えていたい)