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調和と体と21グラム  作者: 深沼バルキ
序章 Daybreak world front line
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1話

 世界には多くのアンドロイドが存在する。


 過去、AIには不可能とさえ言われていた複雑で細かい作業も柔軟に対応可能な高度な知能を持ったアンドロイドがある年発表された。それらは一体一体個性があり開発者は「一体一体が唯一無二でありボディーは複製できても、AI自体の複製は不可能。もはやこの者らは魂を持った人である」と言った。


 しかしそのアンドロイドたちに人権を与えられることはなかった。


 でもどこかの映画のようにアンドロイドたちによって人類滅亡の危機にさらされることもなく共生している。


 それを逆に気味悪がって多くの雑誌が実はアンドロイドは秘密裏に人類滅亡を企てているとかオカルトのようなことを定期的に書いたりしている。周期としては二か月に一回ほど程度。


 ボディーはアップデートされても、AI自体は発表当初から何も変わらないのによくもまあそれだけ記事を書けるものだ。


 そう。AI自体はVer1から何も変わっていないどころか、その内側のメンテナンスもしない……らしい。


 というのもこの話は友達の川野ノックが学校で何気なく話していたことだからだ。


 川野 ノック。あだ名は川ノック。


 あだ名自体、学校から禁止になっているけれど、禁止になったらなったでやりたくなってしまうのが若い頃の習性で、小学校中学年の時にはもうそのあだ名はついていた。


 これは彼自身もそうみんなから呼ばれることを許している。


 でも普通に川野やノックと呼ぶ人のほうがいる。俺自身もノックの方が呼びやすいためノックといつも呼んで……って。おっとつい話がそれてしまった。ほかの人の話になるとつい話が長くなってしまう。俺の悪い癖だ。あだ名のことはここまでにしておいて話を戻そう。


 彼はなぜAIがVer1から変わっていないという話をしたのか。


 それは彼が……オカルト好きだからだ。


 もっと違う答えを期待した? 将来彼が技術者を目指しているからとか?

 

 いやいや。彼はそんな大層な夢を持ち合わせていない。むしろ現実的なほうだ。


 さて、そんな彼が今日もオカルト話を始めるようだ。


 「聞いてくれ! ソル!」


 「なんだ、オカルティックノック。どうせ今日もどこかで聞いたことのあること言い出すんだろ?」


 まぁそのほとんどがお前から聞いた話なんだけどね。


 「変なあだ名つけたうえに胸に刺さること言わないで聞いてくれよ」


 「暇だし、今は何も考える気がないから聞くだけ聞いてやろう」


 「それはもう聞く気ない宣言と同じでは? まぁいいや。これも都市伝説みたいなものだから、聞いてくれるだけましか」


 ノックは妥協して、渋々聞く気のない俺に向かって話し始めたところで俺の自己紹介を始めたいと思う。


 俺は岡田 ソル。あだ名は特になく、ソルっていつも呼ばれている。


 ちなみにノックとは小学校からの友達で今もこうして高校二年生になっても一緒にいる。クラスは同じで廊下側の一番後ろに二人そろって固まっている。ノックが前で俺が後ろだ。


 そして今は昼休み。


 昔の学生が昼休みどうしていたかなんて知らないけれど、昔も今も昼休みの過ごし方なんてあまり変わっていないような気がする。ただスマホの代わりにコンタクトレンズ型VRデバイスに変わったくらい。


 「―――で、今度は超能力を持った人が現れたらしいんだよ。でもこれは……って、聞いてる?」


 「ん? うん。オモシロイ。オモシロイネ」


 あまりの俺の態度にノックはため息をつく。


 「いつも温厚な僕でも怒るときは怒るんだからね」


 「はいはい。ごめんって。それで超芸能人がどうしたって?」


 「超能力者!」


 「そうそれ。その超能力者がどうしたって?」


 ノックはまたため息をついた。


 「ソル。そうゆうところが―――」


 ノックが何かを言おうとした瞬間遮るようにチャイムが鳴った。


 するとノックはこちらをじっと見てくる。


 ノックのその視線が何を意味しているのかすぐに分かった俺は仕方なく、今日は家に遊びに行くと伝えるとノックは嬉しそうに前を向いた。


 どうせ話したりなかったのだろう。特に用事もないし暇をつぶすにはちょうどいい。


 俺はそう考えていると、黒板という名の大画面モニターが起動し、午後の授業が始まった。

 こんにちは、深沼バルキです。

 まだ序章の序盤なのでお話が展開していくのはこれからです。ソル君にはこれから頑張っていただきたいところです。



 ここまで読んでいただきありがとうございます。

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