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【完結】エレベーターに乗ったら異世界に来てしまった件 ~大切な幼馴染を追いかけて異世界に来た天才少年は聖女しか使えないハズの治癒魔法の才能を開花させる~  作者: ゆに
第3章 エレベーターに乗ったら異世界に来てもふもふ姫に好かれてしまった件

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第85話 日常の中の幸せはいつまでも続かないから大切にした方がいい


~アクアマリノ ベネットの宿屋~


 進たちは、助けた少年の家(宿屋)で一晩を過ごした。神殿騎士第七師団団長ガリア-ニュー-コルベールが進の捕獲を命じていること等露知らず3人はぐっすりと眠りに更けていた。眩しい光が進の顔を照らし、その明かりによって進は目を開けた。こんなにゆっくりと眠ることができたのはこの世界に来てから初めてのことだった。

 

 進はベッドの上で大きなあくびをあげる。

 「ふあぁぁーーあ」

 すると、進の部屋に一人の少年が入ってきた。昨日神殿騎士から助けた少年であった。

 

 「昨日は助けてくださりありがとうございました!」

 少年は進に向かってお辞儀をし、昨日のお礼を言った。

 

 「オレはオレの中の正義を貫いただけで感謝されたくて助けたわけじゃないからお礼はいいよ」

 そうオレは少年に向かって一言言った。

 

 少年はニッコリと笑った。少年の少し欠けた歯が悪戯っ子な少年という風な感じを際立たせていた。

 「僕、カイルっていうんだ!お兄さんは?」

 

 「オレか?オレは"天才"の天童進だ!」

 子供相手でもいつもの天才アピールを行う進であった。

 

 「ススムか!じゃあよろしくな!」

 少年は進に向かって手を差し出して握手を求める。

 

 (一応オレの方が年上なんだが、呼び捨てとは...まぁそんなことに拘っているのも小さいだけか)

 「ああよろしくな」

 オレは少年と握手を行った。

 

 「それと母ちゃんが飯で来たからみんな呼んで来いってさ!」

 

 もうそんな時間かと、オレは他の二人を起こし、朝食を取ることにした。今朝の食事はパンとサラダ、目玉焼きだった。シンプルだったが美味しく頂いた。

 

 「今日は街で買い物をしようと思うんだけど、どうかな?」

 オレは二人に聞いてみた。

 

 「昨日は装備品を買ったけど何か必要な物が他にあるんですか?」

 

 マリーが当然の疑問を聞いてきた。

 

 「実は錬金術と薬品調合のスキルで実験を色々としてみたくて、ここは貿易都市だから海の素材とも手に入りやすいんだ」

 

 「あ~なるほど、またあの怪しげなことをするんですね」

 マリーがジトっとオレの方を見つめてくる。マリーとは以前魔坑道でオレの実験に付き合わせたことがあったため、オレがどんなことをしようとするか大体想像がついていた。

 

 はぁと溜め息をついて呆れた顔だったが、マリーは承諾してくれた。

 

 「フラムさんはどうしますか?」

 「もう少し宿で休みことにするよ。街には二人で行って来なよ」

 

 「フラムさんはゆっくりと休んでください」

 オレは微笑んで答えた。

 

 (あれ、ススムさんと二人っきりで買い物...?これってデート??)

 マリーは、少し顔を赤らめ進の方を見るが、進の方はそんなことお構いなしのような感じで少しガッカリした。

 

 「ん?マリーどうかしたか?」

 

 「いえいえ何でもないです?」

 マリーは激しく手を振った。

 

 進とマリーの二人はアクアマリノの中心街でで買い物を始めた。進のお目当ては海でしか取れない素材であった。内陸の街であるリーヨンでは、こういった海でした取れない素材はほぼ取れないので、この機会に大量に買い込んで調合の素材にしようと企んでいたのである。

 

 「おっ!これは貝殻じゃないか!?」

 「しかもこんなたくさんある!」

 子供のようにはしゃぐ進であった。

 

 「貝殻って初めて見ましたこんな感じなんですね」

 マリーが初めての貝殻に興味を示す。

 

 「貝殻って奴は素材として優秀で、火薬や肥料になったりするんだ」

 

 「火薬?肥料?」

 マリーは火薬や肥料の存在を知らないでいた。

 「火薬ってのは、火を近づけるとドカンと爆発するもので肥料は農作物を育てるときにその作物が育ちやすくするものなんだ」

 とオレは簡単に説明をした。

 

 某人気漫画Dr.ST○NEでも紹介されていた貝殻の使用方法についても、進は当然熟知していた。

 とりあえず、オレは貝殻を大量に購入した。マリーは市場で売られていたオルゴールに興味を示しており、物欲しそうに見つめていたのでオレは買ってあげることにした。

 

 「えっ?いいんですか?」

 マリーの喜んだ表情にオレは嬉しくなった。

 

 「ああ、いつも訓練を頑張っているんだ少しくらい欲しいものは買わないとな!」

 

 「やったー!ありがとうございます!」

 「ずっと大切にしますから!」

 マリーの笑顔にオレは癒されていた。

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