第697話 【第五ゲート】完璧 メルクロフ VS 貫全 ヴィシニス①
血が騒ぐ―――
この先に強敵がいる。
我が母の故郷を破壊したネオ魔王軍の幹部がいる。
「まだ正午か―――」
メルクロフは銀の懐中時計を見てそう呟く。
もっと時間が経っているような感覚があったが、実際はそれほど経っていなかった。
今日中にシンを倒さなければ世界が終わる。
そんな緊張感がある中、自然と冷静な自分がいた。
「そっちは任せたぞ―――」
「アラタ・・・。」
暗い細道を歩くと急に出口から強い光が差して来る。
ワアアアァァーーーー!!
メルクロフがその光の先に出ると、物凄い歓声が耳に入って来る。
「ここは・・・!?」
周囲を見渡す。
どうやら闘技場のような場所だ。
円形闘技場―――
まるで、古代ローマの拳闘士達が血で血を洗ったかのような。
観客席には人が―――
しかし、感情があるようには思えない。
操られている?
メルクロフは一瞬そう思ったが、違うようだ。
「魔力で動いている人形か。」
「趣味の悪い―――」
それは良くできた人形達だった。
しかし、歓声を上げて、戦闘を助長している。
闘技場の奥に鎮座する男が一人。
その身は紅いフルプレートに身を包む屈強な戦人。
アイツは―――
確か、ガラドミア襲撃の時にいた竜人族の男。
メルクロフは魔眼を発動し、その竜人族の男の戦力を測る。
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名前:ヴィシニス
種族:竜人族
性別:男
Lv.100
クラス:ドラグーン
◆状態◆
通常
◆パラメータ◆
体力:1200
筋力:1400
魔力:500
物理抵抗力:1300
魔力抵抗力:1200
精神力:1600
器用さ:900
素早さ:1000
◆装備◆
武器:ヴィシニスドラグーン(+200)
防具:ヴィシニスアーマー(+150)
◆アクティブスキル◆
《竜眼Lv.Max》《竜の血脈Lv.Max》《飛翔Lv.Max》《剛力Lv.Max》《槍術Lv.Max》《剛槍術Lv.Max》《極・剛槍術Lv.Max》《竜使いLv.Max》《竜慣らしLv.Max》《竜闘気Lv.Max》《赤魔法Lv.Max》《紅魔法Lv.Max》《深紅魔法Lv.Max》《精霊術Lv.Max》《気配察知Lv.Max》《念話Lv.Max》《身体能力強化Lv.Max》《変身Lv.Max》《ブレスLv.Max》《硬質化Lv.Max》《貫通Lv.Max》《連続Lv.Max》《上・貫通Lv.Max》《極・貫通Lv.Max》《破壊Lv.Max》《纏化Lv.Max》《復讐者Lv.Max》《星槍Lv.Max》《槍生成Lv.Max》《竜天聖Lv.Max》《竜呼吸Lv.Max》
◆パッシブスキル◆
《恐怖耐性》《暗闇耐性》《麻痺耐性》《毒耐性》《沈黙耐性》《時間干渉無効》《ブレス耐性》《竜言語》
◆ユニークスキル◆
《貫全突破》
◆エクストラスキル◆
なし
◆称号◆
《闘技場の覇者》
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本気を出した時のモレク様と同等レベル―――
平均ステータス1000超えの化け物。
・・・相手にとって不足なしッ!!
メルクロフはヴィシニスを前に恐れる事はない。
ヴィシニスもまたその手に大きな槍を持ち、構える。
お互いが何も口にしなくとも敵だと認識する。
そして、動き出す。
戦闘の開始だ―――
バンっ―――!!!!
お互いの槍と盾が交錯する。
絶対の防御力を持つメルクロフ。
対するヴィシニスは絶対の貫通力を持つ。
そんな二人が相対するこの闘技場。
一瞬でお互い感じ取る。
強敵であると―――
「改めて名を聞こう―――」
お互い特殊な瞳でお互いのステータス、名前は把握している。
それでもその口から名を聞きたかった。
「メルクロフ・・・。」
「ダークエルフのメルクロフだ!!」
「そうか―――」
「私はヴィシニス!!」
「ドラグーンのヴィシニスだッ!!」
「相当腕の立つ戦士と見た!!」
「相手にとって不足はないッ!!」
「相手にとって不足が無いのはこちらも同じこと―――」
「我が故郷ガラドミアを荒らした罪を償ってもらうぞッ!!」
「フッ・・・そうか、貴様はあの国の出身か。」
「いいだろう、貴様にはその権利があるッ!!」
「しかし、この私もただではやられん!!」
「その恨みを晴らしたければ力で示すがいいッ!!」
メルクロフ VS ヴィシニス。
Fight It Out!!