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第683話 【第二ゲート】召喚士 鈴谷 花 VS ダークヒーロー モブ山モブ太郎①


~アカデミー~

 

 第二ゲートをくぐり抜ける鈴谷 花。

 

 クロには一度戻って貰った。

 

 このゲートは一人用。二人では通れない。

 

 本当は一緒にくぐりたかったが、出来ないのなら仕方ない。

 

 「ここどこだろ・・・?」

 

 花は辺りをキョロキョロと見渡す。

 

 見たこともない建物だ。

 

 辺りにはとても高そうなアンティークの絵画や彫像が置かれている。

 

 花にはそんなアンティークの価値など分からないが、それでもパッと見の印象としてそう感じる位には高級そうだった。

 

 「見覚えがない場所―――」

 「えっーーー。」

 「困ったなぁ・・・。」

 

 広い建物に一人だけ困り果てる花。

 

 「そうだ!」

 「クロを呼べばいいんだ!!」

 

 花は手を上に掲げる。

 

 そして、クロを呼び出す為の詠唱をする。

 

 「覇道の従者よ、幾千の時経て、混沌より現れよ!!」

 「そして、我に忠誠を誓えッ!!」

 「超召喚術スーパーサモンッ!!」

 

 花は自信満々に高らか言い放つ。

 

 

 シーーーっン!!

 

 辺りは静寂に包まれる。

 

 一向にクロが出現する気配はない。

 

 「あれぇ?」

 

 前はこれでクロを召喚できたはずなのに今回はうんともすんとも言わない。

 

 その理由は花も分からない。

 

 クロ不在の中、もしここで敵が襲ってきたら花にはどうしようもない。

 

 「まぁ、いっか―――」

 

 花はそう云うと、辺りを散策しだした。

 

 出てこないものは仕方ない。

 

 今はこの不思議な場所の探索に興味がある。

 

 だったら、自分の欲望に忠実になろうとしたのだ。

 

 「見た所、学校?っぽいね。」

 「こんな所にネオ魔王軍の幹部?がいるのかな~~??」

 

 あまり緊張感はない。

 

 歩き出すとこの建物が学校のような所であることが分かった。

 

 所々に教室のような部屋がいくつもあり、机や椅子があったからだ。

 

 しかし、人は誰もいない。

 

 階段の上った先も同じような構造になっている。

 

 「でも、私のいた世界の学校とはなんか違うんだよな~~」

 「海外の学校はこんな感じなのかな?」

 

 日本の学校とは少し違う雰囲気が最初学校だとは気付かなかった理由だ。

 

 そんな中、何となく入った図書館のような場所―――

 

 ガラガラ・・・

 

 扉を開く。

 

 そこに彼はいた。

 

 「ヒィ・・・!?」

 「ホントに人が来たっ!?」

 

 

 そこにいたのはネオ魔王軍の幹部 セフィロトの一人。

 

 モブ山モブ太郎。

 

 勿論、これは本名ではない仮名である。

 

 「アナタは・・・確か―――」

 

 花は一度ガラドミアでモブ山のことを見ている。

 

 セフィロトが全員で襲撃した時に彼もいたことを覚えている。

 

 周りのセフィロトに比べて、大人しそうだったが、ある瞬間に変身をして、それからは物凄い力で闘っているのを目撃している。

 

 「・・・・・あの、貴方は僕の敵ですか?」

 

 怯えた様子のモブ山。

 

 とてもこれから戦おうって感じではない。

 

 「えっ・・・と、そのつもりだったんだけど、無理して闘わなくてもいいんじゃない?」

 

 花はそう返す。

 

 別に花だって好きで闘いたいわけではない。

 

 それに彼らの闘う理由が花には分からない。

 

 「ねぇ?少しお話ししない?」

 

 花はモブ山にそう云って、対話を試みることにした。

 

 

 

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