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第567話 【魔王城潜入組】初めましてですね


 ガラドミア遠征組の行動と時を同じくして、魔王城潜入組も行動を開始していた。

 

 魔王城潜入組のメンバーは以下である。

 

 【魔王城潜入組】

 ★ベロニカ

 ・ベリヤ=ラブレン

 ・ヴィクトル

 ・赤目 紫郎

 ・百鬼 紗霧

 

 ベロニカをリーダーとしたメンバー構成。

 

 隠密に長けたヴィクトル、ベリヤ、赤目、百鬼をメンバーに加えている。

 

 目的は魔王城での六魔将エレナの救出とシンの所在の確認。

 

 そして、目的が完了次第、全ての司令塔である徳川へ情報を伝達する。

 

 そんな5人で空に浮かぶあの魔王城を目指す。

 

 「それにしてもどうするの―――?」

 

 幼い少年のような容姿のヴィクトルはみんなに確認した。

 

 「・・・・・。」

 赤目は無言でいる。

 

 「そうね―――」

 「まずは暗黒大陸の魔族領の大図書館へ行って、あの浮遊している魔王城へどうやって行くか調査かしら。」

 

 ベロニカはそう答えた。

 

 「大図書館~~??」

 「あのあたり、まだ残ってるかな~~?」

 

 「現状、あの城への潜入手段がハッキリしていない―――」

 「情報収集も兼ねて行くしかないわよ―――」

 

 「そうでござるな―――」

 ベロニカの意見にベリヤは賛成する。

 

 「あの~~この人は何で挟まってるんですか?」

 

 百鬼は恐る恐る手を上げて、ベリヤの方を指差し尋ねた。

 

 何故かベリヤは岩と岩の間に挟まっている。

 

 ベリヤは何かに挟まれている時、心が落ち着くらしい。

 

 「まぁまぁ、コレはベリヤンの趣味みたいなものだからあまり気にしないであげて―――」

 ヴィクトルはとりあえずフォローはする。この中だと一番付き合いが長いから。

 

 「はぁ・・・そうですか。」

 百鬼は府には落ちないが、とりあえず納得する。

 

 「・・・・・・。」

 

 5人の間に無言の時が生じる。

 

 ベロニカに一抹の不安が過る―――

 

 メンバーを決める段階から薄々感じてはいたけど―――

 

 本当にこのメンバーで大丈夫なのかと。

 

 それもそのはず―――

 

 今回自分がリーダーを任されたが、この4人とはほとんど初めましてなのだ。

 

 ぶっちゃけ上手く纏められる自信がない。

 

 自分以外のメンバーが隠密行動に長けているからという理由だけで選抜されているのだ。

 

 ベロニカはメンバー一人一人の顔を眺める。

 

 そして、一人一人の性格などの分析を行う。

 

 まずはヴィクトル―――

 

 多分、自分を除いて一番性格的にまとも。

 

 コミュニケーションもそこそこ高いし、空気も読んでくれる。

 

 それに顔がいい。ショートヘアにベレー帽で、カラッとした性格で男受けが良さそう。

 

 というか、いてくれて本当に助かったと思ったくらい。

 

 戦闘スタイルはスライムであることを生かした液状化や変装、両腕を刃に変えて斬撃を繰り出したり、多種多様。

 

 様々な場面で応用が利く能力。

 

 次にベリヤ―――

 

 まず、ハッキリ言って意味不明。

 

 何故か時々、何かの間に挟まって、悦に浸っているのが普通に恐い。

 

 口にはしないけど、あまり関わりたくないタイプ。

 

 昔、魔王城に住んでいた時、夜中トイレに行こうとしたことがあって―――

 

 その時、棚と棚の間に彼が挟まっていたことがあったの―――

 

 それを見た時はゾッとしたわ。思わず、叫びそうになったのを必死に我慢したわ。

 

 あれ以来、彼の顔を見るたびにアレが思い出されてトラウマなのよね・・・。

 

 戦闘スタイルは、刀による剣術と転移系の魔法を使用する。転移系のスキルがあるおかげで今回のメンバーに抜擢された。


 そして、赤目 紫郎。

 

 人間の内の一人。

 

 スカウト組と呼ばれていたけど、実力は未知数。

 

 直接、戦闘技術を見たことはない。話に聞く限りは相当な腕利きだとか。暗殺が得意らしい。

 

 けど、影がとても薄い。

 

 それに無口で、何を考えているのか分からない。

 

 気配も感じ取れないし、いるのかいないのか認識が出来ない時がある。

 

 それだけ聞くと潜入にはもってこいの能力だから今回このチームに組み込まれた訳だけど。

 

 でも、コミュニケーションが取りづらいのは本当に困った・・・。

 

 彼と話していると何を話題にしたらいいのか分からなくなる。

 

 会話がすぐに途切れる。

 

 最後、百鬼 紗霧。

 

 もう一人の人間。

 

 彼女もスカウト組と呼ばれていた。

 

 どちらかと言えば、常識人な方だが、彼女も控えめであまり発言はしなさそうだ。

 

 というよりも、アレは一歩引いて周りの様子を伺っている?

 

 能力は聞いた所、"細菌"を操る能力を持っているらしい。

 

 "細菌"が何にかよく分からなかったけど、それを操ることによって、色々出来るらしい。

 

 広範囲に毒を散布させたり、自分の存在感を消したりもできるらしい。

 

 認識阻害に関しては赤目の方と似ている。

 

 百鬼の方がいろいろできる分、赤目の方が認識阻害のレベルとしては高いらしい。

 

 という感じの4人の分析結果だ。

 

 うーん、ヴィクトルはいい。

 

 ただ、それ以外の3人と上手くやれるだろうか。

 

 「ハァ~~。」


 ベロニカは深いため息を吐く。


 心配だ。

 

 でもやるしかない。

 

 上手くまとめ上げ、魔王城に潜入し、エレナ御姉様を救い出す!!

 

 それが私の願望だから!!

 

 待っていてくださいエレナ御姉様!!

 

 このベロニカ、絶対に助け出してみせます!!

 

 ベロニカは決意を胸に進みだす。

 

 コレは、ベロニカ達が天高く浮かぶ魔王城でエレナと再会するまでの話。

 

 

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