表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
525/779

第525話 【ガラドミア遠征組】不死の軍団④


~ガラドミア近辺 森の中~

 

 アルフレッドが新達と合流した一方、六谷とアニーは元凶となった死霊術師(ネクロマンサー)の捜索を続けていた。

 

 「徳川さん達も無事に合流できたみたいっすね―――」

 六谷が独り言のように呟く。

 

 「トクガワ殿・・・?」

 

 アニーは不思議に思って聞き返す。

 

 あっ、そうか―――

 

 アニーには徳川さんのことを話してなかったっすね―――

 

 「簡単に説明すると、強力な助っ人っすね。」

 「これから魔王軍と戦うのに欠かせない人達っす!!」

 

 六谷がそこまで云うならその人はとても凄い人なのだろうと、アニーは眼を輝かせていた。

 

 徳川さんは一言で言えば、社長と同じ『生まれながらの強者』側の人間。

 

 そこにいるだけで周りにいる者を安心させることの出来る人間。

 

 「アニー・・・こっちはこっちの仕事に集中しないとっすよ―――」

 

 二人は話しながら木々が鬱蒼と生い茂る森の中を走り回っている。

 

 ここまで何体か不死者(アンデッド)と遭遇したが、全て瞬殺しておいた。

 

 既に死んでいるのに瞬殺ってのも変か・・・。

 

 聖属性の魔法やスキルを持っていなくてもレベル差が大きければそこまで苦戦はしない。

 

 「それにしても全然見つけられないですね―――」

 アニーがぼやく。

 

 式神を複数体周辺に放ったが、黒幕の死霊術師(ネクロマンサー)らしき人物は引っかからない。

 

 何か見落としているポイントがあるのか・・・?

 

 いくら広くても手掛かり位は有ってもいいのだが―――

 

 六谷は少し思考する。

 

 そもそも前提が誤っているとしたら?

 

 俺達は神秘の門アルカナゲートの北側から来る不死者(アンデッド)集団を見て、黒幕も北側にいると勝手に思い込んでいた。

 

 もしも、その逆で神秘の門アルカナゲートの南側にいるとしたら―――?

 

 六谷はアニーにその仮説を話した。

 

 「いやいや、不死者(アンデッド)数千体をそんな離れたところから遠隔操作するなんて、普通の死霊術師(ネクロマンサー)でも出来ないですよ!!」

 

 アニーはそう云ったが、少し考え込んでいるようだった。

 

 「待てよ・・・それがもし普通の死霊術師(ネクロマンサー)じゃなくて、さらに上位の魔導士だったら、話は変わりますね。」

 「ただ・・・死霊術師(ネクロマンサー)のさらに最上位なんて云ったら、それこそ六魔将クラスの究極魔導士とかになっちゃいますよ。」

 

 「あり得ない話じゃないってことっすね―――」

 

 六谷は索敵スキルを南側にも使用することを決める。

 

 まずは黒幕の位置を特定しないことには始まらない。

 

 六谷は集中する―――

 

 「《千里眼》発動ッ!!」

 

 眼を見開いて、周囲キロ範囲で周囲の生物を観測する。

 

 ヒットする邪悪な気配―――、間違いなくコイツだ!!

 

 「見つけたっす―――」

 「やはり、神秘の門アルカナゲートの南側にいるみたいっす―――」

 

 それにしても禍々しい魔力っすね―――

 

 まるで自分はここにいるってことを誇示しているかのような・・・。

 

 罠の可能性はあるみたいなので、一応徳川さんには報告しておこう。

 

 「徳川さん―――」

 「ちょっと今、いいですか?」

 

 六谷は徳川へボソボソと念話を開始した。

 

神秘の門アルカナゲート 南側見晴らしの良い丘~

 

 「やはり来たようデスネ―――」

 「アレがシン様の子孫―――、唯我 新。」

 「素晴らしい格闘センスデス!!」

 「それに・・・ここに二匹、向かってくるネズミもいるみたいデスネ!」

 

 リッチと化したベルデ、同時に複数の魔法を難なく使用できる。

 

 戦局は遠視の魔法を用いて、ここで常に把握していた。

 

 新達が加勢したことで、自分が用意していた数千の不死者(アンデッド)が戦闘不能にされたことも知っている。

 

 知っているのにこの余裕だ。

 

 「死体はまた拾ってくればいいだけデスカラ―――」

 

 先の聖王国でのカーニバル―――、あの一件で何万の死体、サンプルが手に入った。

 

 「クククっ―――」

 「無謀な若者が二人、私の命を狙っている。」

 「無駄デスネ~~~!!」

 

 ベルデは六谷とアニーの二人のことを言っているのだろう。

 

 六谷のレベルはこの世界で云うと90程度。

 

 六魔将とほぼ同格と言っていい。

 

 それでもこの余裕―――、決して驕っている訳ではない。

 

 それほどまでにリッチという存在が別次元だと認識しているからなのか。

 

 ベルデは右手に魔力を込め、複数の死体を召喚させた。

 

 人間の死体だ―――

 

 その死体を浮かび上がらせ、呪文を詠唱する。

 

 「死霊術:死肉融合(デス・フュージョン)!!」

 

 別々の死体が融合していく―――

 

 血肉がぐちゃぐちゃと生々しい音を立てて、一つになる。

 

 そして、出来上がる、一体の怪物がっ!!

 

-----------------------------------

名前:No.8

種族:混合不死族

性別:?

Lv.90

クラス:ダークナイト

残SP: ??SP

◆状態◆

ゾンビ

◆パラメータ◆

体力:820

筋力:850

魔力:760

物理抵抗力:520

魔力抵抗力:660

精神力:∞

器用さ:500

素早さ:500

◆装備◆

武器:暗闇の剣(+100)(闇属性追加)

防具:暗闇の鎧(+100)(聖属性無効)

◆アクティブスキル◆

《剣技Lv.Max》《暗黒Lv.Max》《連続攻撃Lv.Max》《波動Lv.Max》《恐怖付与Lv.Max》《攻撃回数上昇Lv.Max》《集中Lv.Max》《人間特攻Lv.Max》《竜特攻Lv.Max》《両手持ちLv.Max》《斬鉄Lv.Max》《攻撃範囲強化Lv.Max》《闇属性強化Lv.Max》《暗黒剣Lv.Max》《鑑定Lv.Max》《短距離移動Lv.Max》

◆パッシブスキル◆

《即死無効化》《闇属性無効》《恐怖無効》《痛覚遮断》《痛覚遮断》

◆ユニークスキル◆

無し

◆称号◆

無し

-----------------------------------

 

 そこに現れ出でたのは、漆黒の鎧を身に纏い、闇のオーラを放つ一体の騎士。

 

 ベルデは自分の魔法で死体を融合させた!!

 

 そして、高レベルの不死者(アンデッド)を作り出す。

 

 つまり、ベルデを倒さない限り、次々に不死者(アンデッド)が生まれる。

 

 この男に命の尊さなど分かりはしない。

 

 何故、ここまで他者の命を弄ぶことが出来るのだろうか―――

 

 それはこのベルデという男が人の心を持っていないからだろう。

 

 「私自身、この身体になって以前より力が増したのが分かります。」

 「自分の実力に自信のある者に試してみたくてウズウズしているんデスヨ。」

 

 だから、ベルデは六谷達と迎え撃つことにした。

 

 

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ