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第524話 【ガラドミア遠征組】不死の軍団③


神秘の門アルカナゲートから北上した地点~

 

 

 「クッ・・・次から次へと―――」

 

 アルフレッド率いるエルフ族の戦士達の前に立ちはだかる不死者(アンデッド)の群れ。

 

 倒しても倒しても立ち上がる不死者(アンデッド)

 

 初めはそこまで苦戦していなかった不死者(アンデッド)達―――、しかし斬り進むにつれ、敵のレベルが明らかに上がってきている。

 

 「アルフレッド様ーー!!」

 「後ろからも倒したはずの不死者(アンデッド)達がやって来ます!!」

 

 「クソッーーー!!」

 「これも敵の思惑通りということか―――っ!?」

 

 アルフレッドは奥歯を強く噛み締め、自分達が危機的状況に置かれていることを認識する。

 

 セルフィが発動させている聖なる結界は神秘の門アルカナゲートから離れれば離れる程、効力が弱くなる。

 

 ドン!ドン!

 

 アルフレッド達の前に身の丈3メートルは越えているオークが現れる。

 

-----------------------------------

名前:オークキング(ゾンビ)

種族:オーク族

性別:男

Lv.50

クラス:オークキング

残SP: ??SP

◆状態◆

ゾンビ

◆パラメータ◆

体力:450

筋力:520

魔力:50

物理抵抗力:420

魔力抵抗力:450

精神力:∞

器用さ:150

素早さ:220

◆装備◆

武器:大木槌(+60)

防具:鋼の胸当て(+70)

◆アクティブスキル◆

《棍術Lv.Max》《斧術Lv.Max》《威圧Lv.Max》《緑魔法Lv.Max》《恐怖Lv.Max》《硬質化Lv.Max》《投擲術Lv.Max》

◆パッシブスキル◆

《即死無効化》《聖属性弱化》《物理耐性-弱》

◆ユニークスキル◆

無し

◆称号◆

無し

-----------------------------------

 

 「グオオオォォォーーーっ!!!」

 

 悍ましい程の雄叫びを上げる。

 

 「怯むなーー!!」

 「突き進むぞッーー!!」

 

 アルフレッドは剣を横に振り払い、オークキングの胴体を斬りつけようとする。

 

 「か・・・硬いっ!?」

 

 が、思った以上に硬い。

 

 剣が先端から折れてしまう。

 

 攻撃を受けたことで本能的な闘争心を刺激させられたのか、オークキングは怒り、手に持っていた棍棒でアルフレッド達を薙ぎ払う。

 

 「うわアアァァーーー!!」

 

 乗っていた馬ごと弾き飛ばされてしまう。

 

 「し、しまったーーー!!」

 

 すぐに立ち上がろうとするが、馬を失ったことで、機動力が削がれる。

 

 そして、すぐに不死者(アンデッド)達に取り囲まれてしまう。

 

 自分の命運はここまでかと、思ったその矢先―――

 

 「琥珀魔法:絶対零度ッ!!」

 

 巨大な氷壁が目の前にいた不死者(アンデッド)達を氷漬けにしてしまう。

 

 「この魔法は・・・!?」

 

 アルフレッドはこの魔法をよく知っている―――

 

 幼い頃から何度も目にしてきた―――

 

 その魔法を使う者を。

 

 「危ないところだったみたいだね―――」

 「アルフレッドっ―――!!」

 

 現れたのはロンメルだった。

 

 「やはり貴方でしたか!!」

 「ロンメル!!」

 

 アルフレッドとロンメルは顔見知りだった。

 

 それもそのはず、ロンメルこそがエルフ族 第二位の実力者である。

 

 数年以上前にリーヨンのギルドマスターをするようになったが、それ以前はガラドミアで暮らしていた。

 

 アルフレッドとも古くからの幼馴染だ。

 

 「ココに来るまでにとてつもない数の不死者(アンデッド)がいました―――」

 「不気味で夥しい数の・・・。」

 

 ロンメルは少し下を見てアルフレッドにそう云った。

 

 そんな二人の後ろに先ほどのオークキング(ゾンビ)が棍棒を振り上げてやってきた。

 

 「グオォォォーーー」

 勢いよく棍棒を振り下ろす。

 

 「どけやアァァーーー!!」

 そんなオークキングをただのパンチで吹き飛ばす少年―――

 

 「なっ・・・!?」

 

 アルフレッドは何倍も大きなオークキングを素手でぶっ飛ばしたその光景に目を疑った。

 

 そして、言葉を失う。

 

 「駄目ですよ―――、新様。」

 「不死者(アンデッド)は既に死んでますので、完全に動けなくなるまで除去しないと―――」

 

 そう云うとさらに現れた男が、その手に持つ刀を目にも映らない速度で巨大なオークキングの肉体を切り刻んでミンチにしていた。

 

 「なっ・・・!?」

 アルフレッドはさらに言葉が出なくなってしまう。

 

 いきなり現れた謎の少年に謎の壮年。

 

 見た目は普通の人族なのにその圧倒的な力とスキルに言葉が出ないでいたのだ。

 

 「驚いたでしょう―――」

 エルフ族でも天才と云われたロンメルも苦笑いをするしかない。

 

 次元が違い過ぎる―――

 

 「二人とも無事か?」

 リオン達も遅れてやってきた。

 

 そしてアルフレッドはあることに気付いた。

 

 「な、なぁ、ロンメル・・・」

 「君たちはこの道をやってきたのだろう?」

 「こっちはより強力な不死者(アンデッド)がわんさかいたはずだ―――」

 「それはどうしたのだ?」

 

 ゴクリと生唾を飲み込むアルフレッド。

 

 自分達は神秘の門アルカナゲートからレベルの低い不死者(アンデッド)を倒してやってきた。

 

 そして道中段々とレベルの高い不死者(アンデッド)が出現していた。

 

 ということは、逆方向から来たロンメル達は敵軍の一番強い不死者(アンデッド)達を順に倒してここにやってきたことになる。

 

 いや、まさか―――あり得ない。

 

 アルフレッドの心内は既にロンメルにも見透かされている。

 

 「そのまさかだよ・・・。」

 「あの少年の方―――アラタ君と向こうのトクガワ君、あの二人が化け物じみた力で不死者(アンデッド)達をモノともしなかったんだ―――」

 

 ロンメルも溜息を付いていた。

 

 その様子からロンメルが嘘を付いているとは思えない。

 

 数千いた不死者(アンデッド)―――、それも高レベル帯をあっさりと倒してここまで来たのか・・・。

 

 思いもしない援軍に思わず笑みが出てしまう。

 

 

 

 

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