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【完結】エレベーターに乗ったら異世界に来てしまった件 ~大切な幼馴染を追いかけて異世界に来た天才少年は聖女しか使えないハズの治癒魔法の才能を開花させる~  作者: ゆに
第7章 エレベーターに乗ったら異世界に来て困惑していたらいつメンが揃った件

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第516話 【ガラドミア遠征組】圧勝


自動機械オートマタ製造工場 内部~

 

 ◆キル、リオン、モロトルフチーム

 

 魔族達がキルの武器を手に取って、ここから抜け出す準備をしている中―――

 

 モロトルフとキルは二人で会話をしていた。

 

 「それにしても驚いたわ―――」

 「前の貴方なら有無を言わさずに殺そうとしたハズ―――」

 「それなのに今回はあんな焚きつけるような言い方をして―――」

 

 「私らしくないのは自分でも自覚しているの。」

 「モロネェの言う通り、前だったら彼らにイラついて殺していたと思うの。」

 「でも、何だろう―――、不思議と今は彼らの力になりたいと思っているの。」

 「綺麗事かもしれない―――」

 「けど、綺麗事でもいいの―――、私がそうしたいと思ったから!!」

 「だから・・・行動するのッ―――!!!」

 

 

 「キル・・・貴方、成長したのね―――」

 

 モロトルフはキルの言動の変化を成長と捉える。

 

 人の考え方とは常に変わる。

 

 良くも悪くもいつまでも同じ考え方では人は進化しない。

 

 それをモロトルフは知っているからこそ、このキルの変化を内心でとても喜んだ。

 

 そして、姉のような立場として、家族として支えて上げようと思った。

 

 キル、リオン、モロトルフチーム―――、脱出の為、行動に移す。

 

 ◆新、フラム、メルクロフチーム

 

 バタンっ―――

 

 新達は最奥部の扉を勢いよく開ける。

 

 そこにいる男こそ、この工場の主―――、『P3』。

 

 「テメェーがP3ってヤツか!?」

 

 「そうだが―――」

 「貴様らが侵入者か?」

 「あぁ、いや答える必要はない―――」

 「タイアンがここにいないということが答え!!」

 「アイツは失敗したんだァ―――」

 

 「ごちゃごちゃうるせえンだよ!!」

 「テメェーにゃ聞きてぇことあんだよ!!」

 

 「聞きたいことだァ―――」

 「俺に聞きたいことがあるんなら、力づくで聞いたらいいだろぉ!!」

 「こちとらここの管理作業だけで退屈してんだよッ!!」

 「肩慣らしに相手してやるから掛かってきなァ―――」

 

 新 VS P3

 

 新は後ろをチラリと一瞥する。

 

 フラムとメルクロフは、タイアンとの戦闘で疲弊している。

 

 自分一人でやることを決意。

 

 新は少し不思議に思った。

 

 P3からは、さっきタイアンと向かい合って感じたような強者の雰囲気が全く感じられなかったからだ。

 

 

 『自由』の力を使えッ―――!!

 

 新の中の怪物が声を上げる。

 

 表に出たくて仕方ないらしい。

 

 言われなくてもそのつもりだっつーの。

 

 新は自分の身体から溢れ出る"自由"の力を拳に纏わせる。

 

 「時間からの解放エイジフリー・ナックル!!」

 

 時間概念をぶっ壊す回避不能の一撃をP3の腹に叩きこんだ。

 

 「ン"ン"っ―――!?」

 

 鈍い声を漏らし、腹を抱えるP3。

 

 そのままよろけるような足取りで、一歩、また一歩後ろに下がる。

 

 こんなハズではなかったような顔を新に向ける。

 

 「はぁ・・・!?」

 

 新は思わず、そんな声を漏らしてしまった。

 

 まだ始まったばかりで、闘いはこれからだろ―――

 

 そう言いたげな顔でP3を眺める。

 

 これまで新が自由の力を使用して対戦した者は、コロシアムの怪物達、鍜治原、シン。

 

 どれも一筋縄ではいかない強敵だった。

 

 新が自由の力を使っても簡単には勝てない―――、寧ろ負けてしまった時の方が多い。

 

 そのせいで新自身も自覚していないが、この自由の力―――、新が考えている以上に"強い"。

 

 世界に干渉する程の強烈なスキルであるが、これまで相手がそれ以上に強敵であった為、感覚が麻痺していた。

 

 「おい、まさかこれで終わりなんて言うんじゃないだろうな?」

 

 新はボキボキと拳を鳴らす。

 

 拍子抜けも甚だしい。

 

 全然消化不良だ。

 

 なんならさっきのタイアンの方がよっぽど強敵だった。

 

 対して、P3―――

 

 予想以上の新の攻撃に意識を失いそうになる。

 

 戦闘が始まったかと思ったら、突然新が目の前に出てきて、腹を何発か殴られた。

 

 ただそれだけなのにあまりの衝撃で思うように身体が動かない。

 

 クッソ!!息が出来ない!!

 

 あの小僧―――、想像以上の力だ。

 

 仕方ない―――、あの兵器の力を借りさせてもらうしかない。

 

 「アラタ君!?」

 「勝負はまだ終わっちゃいない!!」

 

 フラムが声を上げる。

 

 一瞬で終わったと思って少し頭が真っ白になってしまった新。

 

 ヨロヨロとした足取りでP3がどこかに向かっている。

 

 自分のデスクがある場所を目指しているようだ。

 

 「テメェー何しようとしてやがんだよ―――!?」

 

 新がそう声を上げた時、P3はデスクに隠していたボタンを押す。

 

 ガガガ―――っ!!

 

 猛スピードで部屋の壁を壊して戦車のような巨大な機械が突入してきた。

 

 戦車のようなキャタピラを両足に搭載している。

 

 車体の至る所に銃口、砲台も付いている。

 

 足はキャタピラで手も魔金属製品で造り込まれており、恐らく他の機械兵と同様に高密度の魔石をエンジンにしている。

 

 完全自動型の戦闘兵器。

 

 「な、なんだァーーこりゃ!?」

 

 これには新もびっくりして、顔が引きつってしまう。

 

 P3はニヤリと笑みを浮かべ、勝利を確信したように元気になる。

 

 「フフフフっーーー!!」

 「侵入者共よぉ!!」

 「見たか―――、コレが最終兵器『ビッグモーター』!!」

 

 「いけ!!ビッグモーター!!」

 「全てを蹴散らしてしまえッーーー!!」

 

 

 

 ギュルルルルとビッグモーターはエンジン音を立てて、暴れ出す。

 

 辺りのもの全てを破壊するように行動を始めた。

 

 銃撃だけじゃなく、手から火炎放射に瞬間冷却なんてのも出来るみたいだ。

 

 「マジかよ・・・俺、これ相手にすんの??」

 

 新の前にビッグモーターが立ちはだかる。

 

 

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