第464話 死闘
"真―――、お前は人類を進化させてどうしたい?"
"私は、人類の可能性をこの目で確かめたい。"
"そして、今の世界を支えている強者達を救いたい。"
"弱者達に泣きつかれ、弱者達に利用され、多数の弱者達を支えているだけの少数の強者をだ。"
"お前は歴代の天童家当主の中で一番の才能を持っている。"
"お前なら世界を変えられるだろう―――"
"そんなお前だからこそ、オレも手を貸すし、お前の手を貸してほしいと思っている。"
"お互いの理想の為に―――"
"お互いWin-Winということだな―――"
~匣内部 第伍階層 現想~
「魔眼発動―――」
進の魔眼が蒼く光る。真のステータスが眼前に情報として開かれる。
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名前:天童真
種族:人間
性別:男
Lv.90
クラス:勇者
残SP: ??SP
◆状態◆
◆パラメータ◆
体力:855(+2900)
筋力:810(+3200)
魔力:800(+3000)
物理抵抗力:800(+3000)
魔力抵抗力:850(+2300)
精神力:895(+2200)
器用さ:710(+2500)
素早さ:850(+3300)
◆装備◆
武器:天剣-童子切(+150)
防具:黒天衣スーツ(+150)(防刃性能UP)(防弾性能UP)(魔法耐性UP)(自動再生)(熱耐性UP)(冷気耐性UP)
◆アクティブスキル◆
《白魔法Lv.Max》《黒魔法Lv.Max》《収納Lv.Max》《剣生成Lv.Max》《暗剣技Lv.Max》《聖剣技Lv.Max》《闘気砲Lv.Max》《全神経集中Lv.Max》《酸素生成Lv.Max》《記憶操作Lv.Max》《催眠Lv.Max》《全体化Lv.Max》《復元Lv.Max》《不可侵領域展開Lv.Max》《飛翔Lv.Max》《剛力Lv.Max》《転移Lv.Max》《身体強化Lv.Max》《刀身強化Lv.Max》《魔術強化Lv.Max》《魔眼Lv.Max》《魔眼耐性Lv.Max》《精霊術Lv.Max》《元素魔術Lv.Max》《仙術Lv.Max》《錬金術Lv.Max》《星占術Lv.Max》《機械工Lv.Max》《念話Lv.Max》《獅子心Lv.Max》《蛇法術Lv.Max》《反復付与Lv.Max》《超神経Lv.Max》《超感覚Lv.Max》《反魂術Lv.Max》《天秤Lv.Max》《王聖福呼Lv.Max》《風水術Lv.Max》
◆パッシブスキル◆
《異世界語翻訳》《冷気完全無効》《空気摩擦軽減》《物理完全無効》《衝撃完全吸収》《魔力完全吸収》《時間干渉無効》
◆ユニークスキル◆
《ダウンロード&インストール》
◆称号◆
現実世界の覇王
異世界より召喚された勇者
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父さんのステータスはどれも3000を超えている。
勇者としてのステータスに父さん固有のステータスが上乗せされている。
白の力を取り込んでも未だ届いていない。
しかし、オレ自身のステータスはまだまだ上がり続けている。
進化の途中、加速的に力が溢れてくる。
「魔眼発動―――」
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名前:天童進
種族:進人類
性別:男
Lv.90
クラス:白皇聖天【ユニーククラス】
残SP: 10000SP
◆状態◆
白皇聖天化
◆パラメータ◆
体力:2200
筋力:2500
魔力:2100
物理抵抗力:1800
魔力抵抗力:2200
精神力:2300
器用さ:1800
素早さ:2700
◆装備◆
武器:天満雪月花(+130)
防具:王者の衣(+150)
◆アクティブスキル◆
《聖皇剣技Lv.Max》《神聖魔法Lv.Max》《聖皇魔法Lv.Max》《白蝕化Lv.Max》《白槍技Lv.Max》《収納Lv.Max》《格闘術Lv.Max》《高速演算Lv.Max》《魔力制御Lv.Max》《剣技Lv.Max》《魔導書Lv.Max》《剣星Lv.Max》《白魔法Lv.Max》《気配察知Lv.Max》《黄土魔法Lv.Max》《身体強化Lv.Max》《錬金術Lv.Max》《調合Lv.Max》《聖剣技Lv.Max》《魔力強化Lv.Max》《聖障壁Lv.Max》《料理Lv.Max》《挑発Lv.Max》《解析Lv.Max》《赤魔法Lv.Max》《青魔法Lv.Max》《緑魔法Lv.Max》《黄魔法Lv.Max》《紫魔法Lv.Max》《付与魔法Lv.Max》《短剣Lv.Max》《空魔法Lv.Max》《念話Lv.Max》《集中力持続Lv.Max》《気配隠蔽Lv.Max》《支配Lv.Max》《脳波解析Lv.Max》《鑑定隠蔽Lv.Max》《超越強化Lv.Max》《飛翔Lv.Max》《破滅闘気Lv.Max》《魔眼Lv.Max》《波動Lv.Max》《天法術Lv.Max》《全体攻撃Lv.Max》《攻撃回数上昇Lv.Max》《全能Lv.Max》《竜の血脈Lv.Max》《竜の鱗Lv.Max》《召喚Lv.Max》《調教Lv.Max》《心眼Lv.Max》《天眼Lv.Max》《叡智Lv.Max》《回避Lv.Max》《不意打ちLv.Max》《射撃Lv.Max》《銃弾補充Lv.Max》《高速リロードLv.Max》《神威Lv.Max》《天賦Lv.Max》《斬鉄Lv.Max》《鍛冶Lv.Max》《具現化Lv.Max》《集中Lv.Max》《念道力Lv.Max》《刃物強化Lv.Max》《連続攻撃Lv.Max》《生殺与奪Lv.Max》《感覚強化Lv.Max》《感覚超強化Lv.Max》
◆パッシブスキル◆
《異世界語翻訳》《自動体力回復Lv.Max》《全属性耐性Lv.Max》《全状態異常耐性Lv.Max》《自動魔力回復Lv.Max》《精神支配無効》《時間干渉無効》《痛覚遮断》《物理完全無効》《衝撃完全吸収》《魔力完全吸収》
◆ユニークスキル◆
《超ラーニングVer3.0》《天才》《幻影蝶》《超重力場》《異能を打ち破りし者》《白日昇天》
◆称号◆
異世界の天才児
信念を貫く者
最強の細胞の持ち主
進化の到達点
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進とほぼ同時に真も進のステータスの情報を得た。
そして、自分に及ばないまでも猛烈な勢いで上昇を続ける進のステータスに対して、数分もしない内に数値が逆転されると確信する。
「所詮は数値―――、しかし、その数値をこの世界では重要視している。」
リミットはそう長くはない。
しかし、真に焦りの影は一切ない。
どれだけの脅威が来ようと覚悟はできている。
生きるか死ぬか、それは生物にとって最も平等な事象。
誰にでも生は平等に与えられ、平等に死は訪れる。
だから、真は自分がいつ死のうが恐れたりしない。
「聖皇剣技:神天聖皇覇剣!!」
天を貫くほどの巨大な白く輝く光の剣を生み出し、一つの大剣へ変える。
進の合図でその大剣は真へ振り下ろされる。
進の身体は異様な程に光る。白魔法の力が溢れ、全身が光っている。
「ダウンロード&インストール―――《光速》」
『《光速》をダウンロード・・・・・・ダウンロード率―――100%』
『ダウンロード完了。これよりインストールを開始致します。』
『《光速》のインストールに成功致しました。』
光の速度で振り下ろされる大剣に対して、光の速度で回避をする真。
真の着地点を観測、解析し、先回りする進。
「・・・・父さん、視えているよ。」
天満雪月花を真の左肩へ突き刺す。
高い防刃性能を持つ真のスーツすら貫き、その光り輝く刀身に真の新鮮な血が流れる。
真はそんなこと意に介することなく、天満雪月花を右手で掴み、その怪力で進の身体ごと投げ飛ばす。
「高速演算で私が移動してくる位置を割り出したか―――」
「ステータスだけでなく、闘士としての感覚も既に限界を突破しているようだな―――」
「父さん―――、オレはアンタを超えるよ。」
「また甘えた理想を―――、いや、それほどの力を会得しながら、その甘えた言葉を吐けることこそが、貴様の"答え"ということか。」
「どうせ、私達の死闘の決着まで―――それほど時間は掛からないだろう―――」
「せいぜいやってみろ!!私も全力で行かせてもらうがなッ―――!!」
「黒魔法:黒の波動。」
真は両手を前に突き出し、黒の波動を放つ。
「超ラーニングVer3.0―――『光速』」
進は先ほどの真と同様に光の速度で回避する。
「ッ―――!?」
観戦室でこの戦闘を見ていた者達は全員が生唾を飲み込むほど、衝撃を受けていた。
進は"学習"した―――
たったの数十秒前に真が初めて使用したスキルをたった一目見ただけで。
「ここまでの学習スピードが実現されるなんて―――」
赤目がそう云った。その額を汗が流れる。
自分と闘ったたった数時間前の進とはもはや別次元。
学習のレベルが格段に上がっている。
戦闘を繰り返せば繰り返すほど、強くなる者はいるが、進の成長速度はそんな者とは比べ物にならないほど異次元。
何十年と剣を振り続けてきた剣豪の太刀筋をそれまで剣を握ってこなかった素人がたった一目見ただけで実現できるだろうか。
天才たちが何十人と集まって作り上げた数式を一目見ただけで、理解し解析できるだろうか。
今のあの二人の戦闘はそれらをしているようなものだ。
二人ともそれまで習得してこなかったスキルを一瞬で自分のものとして、行使している。
それも完璧に戦闘に"適応"している。
「これが"ダーウィンの進化論"ってことっすね―――」
円能寺がそう云った。
ダーウィンの進化論、生き残れるのは環境に適応する者と云ったダーウィンの進化論。
「ダウンロード&インストール―――《分身》」
『《分身》をダウンロード・・・・・・ダウンロード率―――100%』
『ダウンロード完了。これよりインストールを開始致します。』
『《分身》のインストールに成功致しました。』
「光の速さで動けるというのなら、これはどうかな?」
「光速×分身」
真の分身が10人分作られ、それぞれが光速で動き翻弄する。
演算を開始します―――進の脳内が計算を始める。
その間も真の剣撃は続く。それに対応しながら、解を導く。
最短の父さんの距離が、1.5メートル超。
いきなり全員で襲い掛かることはなく、1~2人で斬り掛かって来る。
左、右、上、斜め・・・天童流剣術は縦横無尽。
一人で対応するのは困難。
「超ラーニングVer3.0―――『分身』」
真のスキルを再び、進はラーニングする。
もはや、これはラーニング合戦。
真がヌバモンドのクラウドシステムにアクセスして、そこに登録されているスキルをダウンロード、そしてインストールを行い、自分のものとする。
そして、真が習得したスキルを進が視て、自分のものとしてラーニングする。
二人で次々と新しいスキルを会得する。
それがどれだけ異常なことか―――
進と真―――、二人の進化が止まらない。
進化は加速し続ける。
ケガをすれば治癒魔法で回復する、手を読まれれば次のスキルを習得する。相手の裏をかき、それすらも裏をかかれれば、さらにその次―――
無限にも思える、親子の対話。
しかし、終着点は近い―――
「天童流剣術:宵闇月!!」
「天童流剣術:宵闇月!!」
「天童流剣術:三日月!!」
「天童流剣術:三日月!!」
「天童流剣術:新月!!」
「天童流剣術:新月!!」
互いの天童流剣術、スキル、魔法は拮抗し合い、幾千の斬撃が飛び交う。
天を舞う、二筋の彗星。
進と真―――、刹那的に輝く一筋の流星のように輝く。
それは儚くも力強い。
よもやここまで押されることになるとは―――、正直、期待以上だ。
実に喜ばしいこと。
理想、現実、理想、現実、理想、現実―――
私は、こうなることを望んでいたのか。
これこそが人類の進化の可能性だと―――
人は誰しも強くなれる。
今弱いのは、強くなろうとしないだけ―――
強者になることを恐れているだけ―――、それを知ることが出来た。
私は生まれながらの強者であるが故にそれが理解出来なかった。
もし、人は自分より強い存在に出逢った時、それがどれだけ絶望的な差であろうとも、どれだけの恐怖を植え付けられようとも、それを乗り越えることが出来るのか、乗り越えようとするのか。
弱者は強者へ生まれ変われるのか。
ずっと疑問だった、理解出来なかった。
「ここまで来たら、地獄まで付き合うよ―――父さん!!」
「この"天災" 天童 真―――現実を前に決して倒れんぞ!!」
「私こそが絶対強者だッ―――!!」
進と真―――両者の死闘の中、現想の真っ白な空間についに映し出される。
『天童 真の理想』と―――




