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第18話 エレベーターに乗ったら異世界に来てしまって魔王になってた件【未央side】

 

 まさか本当に成功するなんて思ってもなかった―――

 

 興味本位でエレベーターに乗って、例の手順を試したら上手くいってしまうなんて―――

 

 私はこれからどうなるのかな?

 

 不安な自分もいるし、ワクワクしている自分もいる。

 

 異世界かぁー!

 

 面白いことがたくさんあるといいなぁー!

 

 「ここが異世界―――?」

 

 茶色掛かった明るい髪色の少女がエレベーターから出てきた。

 

 彼女は学校指定の制服を着ている。

 

 辺りをキョロキョロと見回す。

 

 この少女の名前は、真島(ましま) 未央みお

 

 "天才" 天童 進の幼馴染。

 

 オカルト好きの彼女は、エレベーターで異世界に行くことができるという都市伝説を実践した。

 

 まさか本当に異世界に来るなんて―――

 

 少し動揺していたが、どちらかと言えばワクワクの期待感の方が大きい。

 

 「まさか、本当に異世界に来ちゃうなんてェーーっ!」

 「ん~最高ォーーー!!!」

 「しかも何ここ???」

 「めっちゃ広いし、明らかにどれも禍々しいものしかない!!」

 「これは調べてみる価値ありまくりだァ~!!」

 

 初めてきた世界にテンションがかなり高い。

 

 しかも、初めて飛ばされた場所が完全に別世界。

 

 現実世界とは違い、コンクリートもアスファルトも都会の喧騒もない。

 

 禍々しさの満ち足りた―――、それでいて厳かな静けさもあるステキな空間。

 

 未央が浮かれてはしゃいでいると、どこからともなく声が聞こえてきた。

 

 「汝が余の後継者か―――??」

 

 「えっ、誰???」

 

 未央が反応すると、目の前にフワフワと浮いた30代半ばくらいの男が出てきた。

 

 しかもその恰好は、黒々としたマントを纏い、色白な肌、頭から二本の角が生えていた。

 

 そして、口からは鋭い牙が見える。

 

 明らかな人外―――

 

 宇宙人?UMA?妖怪?

 

 いや、私知ってる―――

 

 コレはヴァンパイアだ!!

 

 「えええええ!何、どうなってるの!」

 「あなた浮いてるし、しかも角生えてる!!」

 「―――まさか、あなたは吸血鬼?」

 

 「ふふふ...如何にも余は吸血鬼。」

 「だが、ただの吸血鬼じゃない!!」

 「余は真祖であり、全ての魔を従える魔王であるぞッ!!!」

 

 その言葉には確かな重みがあり、真偽を確かめるまでもなく、彼の言葉は本物だと言うことを理解した。

 

 「まぁ、魔王であったのは数百年前の話だが―――」

 

 未央は目をキラキラさせ、その魔王と名乗る男の話を聞いている。

 

 「あなたが魔王なんだ!!」

 「ねぇねぇその角触れるの?触らせてほしい!」

 「その牙どーなっているの!?見せて見せてぇー!!」

 

 未央が必死にせがむ。

 

 すると、魔王―――

 

 「おい話を聞いていたのか、余は魔王だぞ!気安く触るでない!」

 

 「え~ケチ。魔王のケチ!」

 

 「え~い、話が進まん!!」

 「少し話を聞いてくれないか?」

 

 「もう仕方ないな~。先に話聞いたら角触らせてね。」

 

 未央はブーブー言いながら魔王の話を聞くことにした。

 

 「先に言っておくが余は魔王であったが、既に死んだ存在である。」

 

 「それってつまり幽霊ってこと?」

 

 「そういうことになるな―――」

 「そしてここは魔王城13階の魔王の間である。」

 「余は数百年前に勇者と戦い、死闘の末お互いが力尽きた。」

 「だが、余の意思を継ぐ者が必ず現れると信じ、この魔王城でこの数百年間待っていたのだ。」

 「そこに今日現れたのが其方だ。」

 

 魔王は私の目を見つめてきた。

 

 なにそれ運命ってヤツ?

 

 未央はそう思った―――

 

 「そこで其方に頼みなのだが、其方が余の代わりに魔王となりこの世界を征服してほしい。」

 

 未央は一瞬何を言っているのか分からず、数秒間頭がフリーズした。

 

 「は?」

 「えっ、えええええ!!!!!」

 「いやいや無理無理無理!!」

 「絶対無理だって私に魔王なんてできるわけないじゃん!!」

 「私はただのオカルト好きの女の子だよ!」

 「そんな力だってないし、魔王ってことは人間とか他の種族に酷いことするんでしょ?」

 

 未央は激しく動揺した。

 

 まさかの魔王の要求に腕をブンブン振って拒否する。

 

 魔王は少し、ため息交じりの息を吐きだした。

 

 「確かに余の時代、余が魔王だったときは、時には他の種族に酷いことをしてきた。」

 「それは否定しない。」

 「しかし、其方が魔王になるのだ。」

 「其方がそう言った非人道的な行いを禁止すればよい。」

 「逆らう者には罰を与えてな。」

 

 「えぇーー、何で私がそんなことしなきゃなの~~??」

 

 未央は嫌そうな表情をする。

 

 「・・・・まぁ、そういうな―――」

 「やってみたら案外楽しいかもしれんぞ―――?」

 

 「そうかな~~??」

 

 「それに魔王がいるいない関わらず、人間や魔族は争う。」

 「魔族がいなくなっても人間同士で争いが起こる。」

 「これはこの数百年間起こってきたことだ。」

 「余は死んでいながらもこの世界の情勢を常に監視してきたから分かる。」

 「だったら其方が全ての種族の頂点に立ち、争うを終結させればよい。」

 

 「う~~~ん―――」

 「でも、そのために人間だけじゃなくて、他の種族も血を流すんでしょ。」

 「私は誰かを殺したりして、得た平和なんて嘘っぱちだと思ってるの!!」

 「そんな世界は嫌だな~~!!」

 

 と私が言うと、魔王はさらにこう続けた。

 

 「だから其方の圧倒的な力で無力化すればいい―――」

 

 魔王は平然とそう言ってのける。

 

 「いやいやいや、私にそんな力ないって!」

 

 未央が手を激しく横に振って否定した。

 

 「ふふふ―――、力がないって?」

 「ならばステータスオープンと言ってみろ。」

 

 「ステータスオープン?」

 

 私は魔王に言われた通りにステータスオープンと言ってみた。

 

 私の目の前にゲームでよくあるようなステータスウィンドウが表示された。

 

-----------------------------------

名前:真島(ましま) 未央みお

種族:人間

性別:女

Lv.90

クラス:魔王

◆パラメータ◆

体力:898

筋力:859

魔力:940

物理抵抗力:804

魔力抵抗力:921

精神力:895

器用さ:760

素早さ:830

◆装備◆

武器:なし

防具:学生服

◆アクティブスキル◆

《魔眼Lv.Max》《収納Lv.Max》《黒魔法Lv.Max》《転移Lv.Max》《飛翔Lv.Max》《召喚Lv.Max》《高速演算Lv.Max》《魔力制御Lv.Max》《王の威圧Lv.Max》《身体強化Lv.9》《魔力増強Lv.9》《暗剣技Lv.9》《話術Lv.8》《統率Lv.8》《錬金術Lv.8》《状態異常付加Lv.8》《付加魔法Lv.8》

◆パッシブスキル◆

《異世界語翻訳》《自動体力回復Lv.Max》《自動魔力回復Lv.Max》《完全状態異常耐性》《魔力完全吸収》

◆ユニークスキル◆

《進化の極意》《極大魔法》《暴走魔力》《憤怒》

◆称号◆

異世界から来たオカルト好きの少女

魔を統べる者

魔王の後継者

-----------------------------------


 「ナニコレっ!!?」

 「エッッッグゥ!!」


 私はつい口調がおかしくなってしまった。

 

 誰だって身に覚えのないことができるようになってたら驚くでしょ。

 

 しかもこんなにたくさん知らないスキル?みたいなのがあったら。

 

 てか、スキルって何さ―――

 

 ゲームかよ―――ッ!!

 

 「フッ、驚くのも無理はない。」

 

 「なぜならそれは生前の余のステータスであるからな。」

 

 「それってつまり、あなたのステータスをほとんど引き継いだってこと?」

 

 「そういうことだ!」

 

 「え~ってことはつまりチート能力じゃん!!」

 

 未央の目がキラキラしだした。




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― 新着の感想 ―
[良い点] チート…というよりも転生に近いですね。記憶抹消からのステータス譲渡。ここに魔王が同行するのであれば、知識チートも加わりますが…楽しみですねぇ、この少女、どのように血祭りにあげられるのでしょ…
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