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第134話 天才 天童 進は王権を手にするためクロヴィスを目指す


~アクアマリノ ベネットの宿屋~


 「みんなおはよう!」

 爽やかな朝、天気は快晴、進はパーティの他の3人を呼び出し元気よく朝の挨拶をする。

 

 「「「おはようございま~~~~す!」」」

 3人は3人とも元気のないような気怠い感じで挨拶を返す。

 

 昨夜は皆、酒を飲んでいたため、二日酔いに苦しんでいた。

 

 「3人とも大分体調悪そうですね...」

 オレは他の3人を気遣うように心配する。

 

 「あ、ああ大丈夫...タダの二日酔いだ...昨日は呑みすぎた...」

 フラムさんが頭を手で押さえながら答える。

 

 「私たちも大丈夫だ!同じくただの二日酔いだ...暫くすれば元気になるから!」

 リオンとマリーも大分体調が優れない様子だった。

 

 今日からクロヴィスを目指そうと考えていたのに、このままでは進行に支障をきたすと考えたオレは仕方なく3人の二日酔いを治療することに決めた。

 

 「ハァ~3人とも気を付けてくれよ...!」

 

 「白魔法:ヒール!!」

 3人にヒールの魔法を掛ける。すると見る見るうちに3人の二日酔いは解消され、元気になっていった。

 

 「ススムさん凄いですね!元気出てきました!」

 マリーはどうやらもう大丈夫みたいだな。

 

 「治癒の白魔法って二日酔いにも効くのか...!それならまた酒を大量に飲めるな!」

 リオンが笑顔でそうオレに言ってきたので、それなら今度からヒールは掛けてやらないぞと脅すと、リオンは素直に謝ってきた。

 

 

 「みんなが元気になったところで、今日はこれからクロヴィスを目指そうと思う!!」

 オレは目の前のテーブルにこの大陸の地図を広げた。

 

 「ついにか...待っていてくれよ!父上、兄様たち!」

 

 「それで、どういった経路で行くのが良いか、リオンに聞きたいんだが...」

 

 リオンはクロヴィスの姫、それ故に故郷の国の地理感はここにいる誰よりもあるはず。

 

 「そうだな我が国の領土は諸国と比べて広いからな...まず、西の街道をずっと進んでいって、このルーガルの村を超えて、ちょっと大きな街、ルルドの街に行って準備を整えるといいかな」

 「ルルドまで行ければ、そこから歩いて半日くらいでクロヴィスには着くだろう」

 

 「まぁだいたいここからだと小型の竜に乗っても1週間くらいかかるな」

 

 「でもアクアマリノは海洋貿易都市、小型の竜は借りれないだろ?」

 フラムさんがリオンにそう指摘した。

 

 「あっ、そうだったね!つい自分の国の気分で言ってた...ゴメン」

 リオンが照れながら、謝罪する。

 

 

 「乗り物...乗り物か...!いや大丈夫だ!問題ない!」

 「小型の竜とやらは乗れないが、もっと良い物ならある!」

 

 「「「もっと良い物?」」」

 

 3人は何が何やら訳が分からないまま、オレに連れ出され街の外まで来ていた。

 

 「どこに乗り物があるっていうんだい?」

 フラムさんが疑問に思ってオレに聞いた。

 

 「今ここにはその乗り物はありませんが、今から作ります!!」

 

 「つ、作るだって!?そんなにすぐにできる物なのかい?」

 

 「はい、すぐに作れますよ!!」

 「なぜならオレは"天才"天童進なんで!」

 

 そう言ってオレは目の前に何重にも重なった魔方陣を展開させた。

 

 「す、すごい...」

 「こんな複雑な魔方陣初めて見た...!」

 3人は余りにも驚きすぎたため、それ以上の言葉を失っていた。

 

 この10日間ガリアの部屋から持ってきた大量の魔導書を読み、この世界の魔法、スキル、魔道具、魔物、物質、物理法則それらの知識を獲得していた。それらとオレが地球で培った知識をフルに合わせることで、可能となる錬金術を3人の前で今、披露することになる。

 

 「錬金術:金属錬成!」

 「錬金術:道具錬成!」

 進の収納のスキルから出された大量の資材が展開され、それら全てから様々な部品が錬成されていく。

 「錬金術:物質構成!」

 「スキル:魔力制御!」

 生み出された部品が一つの"ナニカ"を作るためガチャガチャと組み合わさっていく。

 「スキル;高速演算!」

 頭の中に高速で全ての部品が組み立てることができるように制御をする。

 それが、30分程経過した後、ついに完成したのだった。

 それは日本にいた頃は珍しいとも特に思わなかったものだった。そう目の前にあるのはよくある6人は軽く乗れるほどの大きさの"ワゴン車"だった。

 

 「ススム君...なんだいコレは?」

 フラムさんが恐る恐る聞いてきた。

 

 「これはオレの世界ではよくあった"乗り物"ですよ!」

 「まぁこの世界でも見れるとはオレ自身思ってはいなかったですけど...」

 進は運転免許は持っていなかったが、運転技術も習得していたため特に問題なく操作できた。

 

 「それじゃあ、3人とも乗ってください!!」

 

 「あっ、先にお世話になったベネットさん達に挨拶をしてからでもいいですか?」

 マリーは律儀な性格をしているので、別れの挨拶がしたくて聞いたのだった。

 

 「そうか、確かに黙って行くのは不味いな...」

 「それじゃ、みんなで挨拶をしたら、これに乗って行こうか!!」

 

 こうして、オレたちはクロヴィスを目指すのだった。

 

 

 

 

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