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第107話 魔神イグ


~神殿騎士第七師団駐屯地 訓練場庭園~

 

 「で、ええ...と、お姫様...」

 

 「君には大きな借りがある、気軽にリオンと呼んでくれると嬉しい」

 

 「そうか、リオンはこれからどうするつもりなんだ?」

 

 ガリアの気配がなくなり、とりあえず一安心といったところで進はリオンにこれからについて聞いてみた。 

 「私はこれから協力者を募って、クロヴィスを魔王軍から奪還するつもりだ!」

 「そして、父上や兄上たちを助け出す!」

 リオンはどうやら魔王軍に侵略された自国を取り戻すつもりであった。

 

 「なら好都合だ、俺たちは元々クロヴィスの調査、王族の救出を依頼されここに来た」

 「まぁなんだかんだあって今は神殿騎士と戦っているが...」

 進は頭をポリポリと掻いて少し間が悪そうにここまでの経緯を説明をしようとする。

 

 「いや、説明はいらない」

 「大体のことはマリーから聞いている」

 「アクアマリノで泊っている宿屋の少年のお姉さんを救いに来たんだろ」

 リオンはフッと笑みを浮かべて言った。

 

 「そうか知っていたのか...」

 進は、リオンがクロヴィスのお姫様ということは内部について詳しいハズと考え、同行してもらえないか考えた。

 「オレたちはこれからクロヴィスに向かおうと思っている」

 「リオンもオレたちに付いてきてもらえると助かるんだが...」

 助けたのに虫のいい話と思いながらお願いしてみた。

 

 「もちろんいいぞ!」

 「私もそのつもりだった。進たちのような強い者と一緒なら心強い」

 

 「ああ、任せてくれ!君の家族は必ず助ける!!」

 進とリオンは互いに握手をして、協力関係となった。

 

 すると、近くからオレたちを呼ぶ声がした。

 

 「ススムさん~!!」

 「ススム君!!」

 

 そこに現れたのはフラムさんとマリーだった。


 「二人とも無事で良かった」

 「白魔法:ハイヒール!!」

 フラムとマリーに一応治癒の白魔法を掛けてあげた。

 

 「もう!ススムさん!私にあんな強力な薬をポンと渡さないでくださいよ!!」

 マリーがいきなり怒ってきた。多分エリクジャーを何も言わずに渡したことに対して怒っているのであろう。

 

 「いや、申し訳ない...あんなに強力な薬だと思わなかったもんでな」

 

 「もう!また作ってくれたら許しますよ!」

 マリーが二カッと笑いながら言ってきた。

 

 「ああ、帰ったらまた作るつもりだ!」

 そうオレは答えた。

 

 「さて、じゃあそろそろ奴らが奴隷商売に加担していた証拠を取ってくるか!」

 と進が言った矢先、突然団長室の方からとてつもない魔力が発生した。

 

 (なんだこのとてつもない魔力は...!)

 

 その瞬間、基地の東棟がその魔力によって爆発し、ガラガラと音を立てて崩壊した。

 

 「みんな!伏せろ!!!」

 「聖障壁:ガーディアンフォース!!」

 オレはそう言い、全員に守るように両手を広げ、神聖な魔力の盾を発現させた。

 

 そのとてつもない黒い魔力によって、進の周囲の木々は腐り、土は水を失ったように枯れていった。

 

 団長室の方から、黒い何者かが飛んで現れた。

 

 「よう!ガリア!ちょっと見ない間にずいぶんとイメチェンしたみたいだな!」

 進は皮肉めいたようにそのガリアの変化について触れる。

 

 「俺は究極の力を手に入れた...」

 「今の俺は魔神イグだ!」

 「この力でこの世界を壊す!崩す!潰す!滅ぼす!」

 「だが、その前に進!お前はこの俺の手で殺す!」

 魔神イグは右手を崩れた東棟に向け、魔力を放出する。その威力は瓦礫を一瞬で粉々にしてしまう程だった。

 

 「そうか...魔神イグか...」

 「なら、もう一度言わせてもらうぞ!」


 「魔神イグ!オレは誰が相手だろうが、何人来ようが関係ない」

 「オレはオレ自身の目的のために戦い続ける!それだけだ」

 

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