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穏やかで騒がしい一時②

「えっと……シオンの事?」


 ルフィーナはアルティナの質問を受けてすぐに頬を赤く染めた。声は惚けた感じを出しているのだが平静を装っているのがアルティナには丸わかりであった。


「お姉様……もう答えは分かりましたから答えなくて良いですよ」


 アルティナの呆れたような声にルフィーナは戸惑う。


「ちょ、ちょっと何が分かったっていうのよ」

「お姉様がシオンさんをどのように思っているかです」

「私がシオンの事をどう思ってるっていうのよ」

「もちろんお姉様はシオンさんの事を愛してるんですよね?」

「にゃ、にゃに言ってるのよ!!」


 ルフィーナはアルティナの言葉に分かりやすく動揺する。それを見てアルティナは少しばかり嫌悪感の含まれた表情を浮かべた。

 ルフィーナの反応こそシオンに好意を持っている事の証拠のように思われたのだ。そしてアルティナの嫌悪感を感じたルフィーナは少しばかり顔を曇らせて言う。


「アルティナ、私達はいつまでもエゴに捕らわれる必要は無いと思うわ」

「え?」


 ルフィーナの言葉にアルティナは戸惑いの声を上げる。


「今、アルティナが感じている嫌悪感はあいつら(・・・・)に植え付けられたものよ」

「わかってます……」

「なぜ私達の意思をあいつらが縛るの? 何の権限?」


 ルフィーナの言葉にアルティナは沈黙する。そしてルフィーナの声には明らかな嫌悪感があった。


「アルティナ、私は何が好きで何が嫌いかというのは自分の心で決めて欲しいのよ」

「分かってます……」

「私はアルティナは大切だけど、あいつらはそうじゃないわ。これは私の心に従っての感情よ」

「お姉様はもう神の戒め(レジスギアス)の影響はほとんど無いのですね」


 アルティナはルフィーナに尋ねる。神の戒め(レジスギアス)こそ神族を縛る洗脳の術だ。


「うん。ほとんど無いからもう解けたと思ってたけど、今日、アルムさんと一緒にいるアルティナを見た時に堪えようのない激情に支配されたから解けきってないことがわかったわ。やっぱり大事な妹だからまだ残っていたのかもね」

「お姉様~~♪」


 ルフィーナの言葉を聞いたアルティナはルフィーナに抱きついた。肌が触れあいこの上ない感触を互いに感じる。


「あらら」


 ルフィーナはアルティナの頭を先程同様にぽんぽんと叩く。


「えへへ~幸せ♪ お姉様もっと撫でて♪」

「しょうがないわね♪」


 アルティナの言葉にルフィーナは口ではそう言うがどことなく嬉しそうである。何だかんだ言ってルフィーナはアルティナに甘いのである。


「お姉様はシオンさんのどんなところが好きなんですか?」

「そうね、やっぱりシオンってとっても頼もし……って何言わせるのよ!!」

「良いじゃないですか。ここまで話したんですから最後まで話しましょうよ。まだ少しばかり胸がざわつくけどさっきよりも遥かにマシになりましたからお姉様の壮大なノロケ話でも大丈夫です!!」

「う~~私とシオンはそんなんじゃないわよ」

「もう、お姉様ったらネタは挙がってるんですよ!!」

「ちょ、ちょっと~~」


 アルティナがルフィーナの形の良い胸を鷲づかみにするとそのまま、わしゃわしゃと動かした。


「ちょっと、アルティナやめ、ア……ン」

「それじゃあ教えてくれますか?」

「わかった!!わかったわよ!!」


 ルフィーナは遂に根負けして語り出した。するとアルティナは手を止めるとルフィーナの話しに耳を傾ける。


「まずシオンはね本当に頼りになるのよ。強いし、しかも強いだけじゃなく常に最善の方法を模索するのよ」

「ほうほう……」

「それにね。シオンは理不尽な事には決して屈しないのよ」

「理不尽に?」

「うん。普通の人なら『仕方ない』『世の中そんなもんだ』で済ませることに対して、絶対に認めないのよ。表面上は諦めたような感じを見せるけどそれは機会を待ってるだけなのよ」

「へぇ~」

「その絶対に屈しない生き方が私にはとても魅力的よ」


 ルフィーナの言葉にアルティナはうんうんと頷いた。


「じゃあ、お姉様はいつかシオンさんと結ばれたいのね?」

「う、うん」


 アルティナの問いかけにルフィーナは顔を真っ赤にして小さく返答する。


(綺麗……今まで見たお姉様の表情の中で一番綺麗……)


 アルティナはルフィーナの表情に完全に目を奪われていた。シオンの事を話すルフィーナは本当に嬉しそうでものすごく美しかった。


「さてと……」

「ん?」


 話し終えたルフィーナが今度はニンマリとした表情をアルティナに向ける。先程までの美しさの極致ともいうべき微笑みは消え、イタズラ小僧のような無邪気な笑顔が浮かんでいた。その笑顔を見たアルティナは本能的にルフィーナの逆襲が始まる事を察した。


「それじゃあ、私だけでじゃなくアルティナの恋バナを聞かせてもらおうかしら」

「へ?」

「私だけじゃ不公平よね?」

「あ、あはは……」

「笑って誤魔化そうとしてもダ~~メ♪」

「きゃああああああああああ」


 ルフィーナは手をワキワキさせるとアルティナに抱きつくとアルティナの叫び声が浴室に響き渡った。



 う~ん……お色気シーンを入れようとしたのだが本当に上手くいきませんね。精進します

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