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穏やかで騒がしい一時①

 

 アルティナによってルフィーナは脱衣所に連れてこられるとすぐに服を脱ぎだした。この場にいるのは妹であるアルティナだけなのでルフィーナとしては何の躊躇いもないのは当然である。


「お姉様、脱いだ衣服はこちらにどうぞ」

「ありがとう」

「いえいえ」


 アルティナが指し示した衣服入れにルフィーナは脱いだ衣服をどんどん入れていく。ルフィーナが衣服を脱ぐ度にルフィーナの肌が露わになっていった。


(はぁ~やっぱりお姉様って綺麗~♪)


 アルティナはルフィーナが衣服を脱ぎ、肌を露わにしていく度にほうとため息をついた。ルフィーナの容姿が優れているのは今更であるがそのプロポーションも神が作り出した芸術品としか思えないほどである。

 ルフィーナもアルティナも神族である以上、神が作ったと言えるのだがそこを突っ込むのは野暮というものであろう。

 ルフィーナのプロポーションは出るとことは出て、引っ込むべき所は引っ込むという世の女性の理想を体現したものである。しかも肌はきめ細かく上質の絹のような手触りである。


(ここまで綺麗だと嫉妬の感情すらおきないわ)


 アルティナがルフィーナの肌を見た正直な感想がこれである。もちろんアルティナもルフィーナに比べて遜色ない美少女であるのは間違いないが、アルティナとすればルフィーナの容姿には及ばないと考えているのだ。


「どうしたの? アルティナも一緒に入るんでしょう?」


 アルティナが衣服を脱ごうとしないことにルフィーナが疑問を呈すると、アルティナははっとした表情を浮かべるとコクコクと頷くと纏っている衣服を脱ぎだした。


「たった半年ぐらい会わなかっただけど、アルティナは本当に綺麗になったわね」

「ふぇ!?」


 ルフィーナの言葉にアルティナは戸惑いの声を発した。ルフィーナとしては本心からの言葉であったのだが、アルティナにしてみればルフィーナのような美の体現者に言われると、こそばゆくなってしまうと言うものである。


「お姉様、そんなことを言われると照れます」

「そう? アルティナは綺麗よ。姉の私が言うんだから間違いないわ!!」

「あう、お姉様だってものすごく綺麗です!!」

「ふふ、ありがとう。さ、入りましょ♪」


 ルフィーナはさらりと言うとドアを開けて浴室へと入る。その後をアルティナが続いた。


「へぇ~結構広いわね」

「はい」


 ルフィーナが感心したように浴室は十人はまとめては入れるほどの広さの浴槽があった。装飾は華美なものではないが、落ち着いた感じの浴室である。


「さ、お姉様。こちらにどうぞ」


 アルティナがルフィーナの手を取り、置かれた大きなツボの前に座らせた。ツボは二つあり、それぞれお湯と水が入っている。

 アルティナは手おけでつぼの中のお湯と水を混ぜ温度を調節するとルフィーナの背中にかけた。


「お姉様、熱くないですか?」

「うん、気持ちいいわ」

「はい♪」


 アルティナはルフィーナの返答にニッコリと微笑むともう一度同じように温度を調節してお湯をかける。アルティナはそれから石けんを手に取り泡立てるとそのままルフィーナの背中に手を這わせた。


「お姉様、前は自分でお願いしますね」

「当たり前じゃない」


 アルティナの言葉にルフィーナは当然とばかりに即答する。さすがに前を妹とはいえ洗わせるほどルフィーナは恥じらいを捨てているわけではなかった。


(くぅ~お姉様が前もお願いと言ってくれれば良かったのに~)


 アルティナは心の中でかなり危ないことを考えていたのだがそれを表面に出すような事はしない。誤解しないで欲しいのだがアルティナは別にルフィーナを性的な目で見ている事は決してない。単純にルフィーナの美しさを堪能したいだけなのである。美しい芸術作品を鑑賞したいという気持ちに似ていると言えるかも知れないのだが、かなり際どい線に触れそうなのは間違いなかった。


「ん~~気持ちいいわ♪」

「えへへ♪」


 ルフィーナの気持ちよさそうな声にアルティナも嬉しくなり念入りに背中をなで回すように洗う。

 しばらくしてアルティナは手おけに先ほど同様に温度を調節してルフィーナの背中へお湯をかける。


「ありがとう。アルティナ、それじゃあ次は私の番ね。ここに座って」

「はい♪」


 ルフィーナの言葉にアルティナは嬉しそうに返答すると座ってルフィーネに背中を見せた。


「えへへ♪」


 ルフィーナの手がアルティナの背中に触れるとアルティナの口から嬉しそうな声が発せられた。幼い頃よりルフィーナはアルティナの背中を洗ってやっていたのである。

 本来、二人の立場から考えれば侍女が入浴を行うのであるが、ルフィーナはアルティナを可愛がっていたために侍女にやらせるような事はせずにルフィーナ自らやっていたのである。

 アルティナにとってもルフィーナと入浴することは至福の一時であり断ろうはずは無かったのである。


「さて……と、こんな所で良いかしら」

「え~~」

「ふふ、また明日一緒に入りましょ」

「は~い……」


 アルティナの不満気な声にルフィーナは苦笑しつつ言うととりあえずアルティナも納得した様であった。

 ルフィーナとアルティナは湯船につかると自然と隣同士になる。


「はぁ……良い気持ち……」


 ルフィーナが心の中からの言葉を発する。実際にこれだけの設備が整ったお風呂に入ったのは家を出て初めてであったのだ。

 旅の疲れが少しずつ溶け出していくような心地よさをルフィーナは感じていた。


「お姉様は家を出てからどんな生活をされていたのですか?」


 温かい湯船につかる幸せをルフィーナが噛みしめていたとき、アルティナが突如尋ねてきた。


「そうね。楽しくやっていたわよ。シオンとコンビを組んで冒険者として依頼をこなして、報酬を得てから今日は何を食べようか、何処に泊まろうかとか考えるのは楽しいわ」


 ルフィーナはニッコリと笑ってアルティナの質問に答える。実際の所、冒険者としてのルフィーナの活動は研修でゴブリンや灰猟犬(グレイハウンド)、リッチを斃しただけである。

 まぁリッチのような強力なアンデッドを斃しただけというのも大概な経験と言えるのだが。

 ルフィーナがそう言ったのはアルティナに心配かけないようにしようとしたためである。


「ねぇ……お姉様、確認したいことがあるんだけど」

「何?」


 ルフィーナの先を促す返答にアルティナは意を決したように口を開いた。


「本当の所……お姉様はシオンさんの事をどう思ってるの?」



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