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やり直せるなら何をする?  作者: TOMORROW!!
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2話 死んだあとは……

まだまだ天使との会話です

2話


「わかった! わかった! わかりました! わかりましたから、その羽と輪っか仕舞ってください!」

 ずっと見ているとたとえ天使でも殴りたくなる。


「まぁ、理解してくれたらいいんですけど……」

 男は渋々といった感じを全面に出しながら、翼を背中にスルスルっと戻し、天使の輪を見えなくした。

「で、天使が目の前にいるってことはやっぱりぼく死んじゃったんですね……」

「そうです! 享年32歳、死因は居眠り運転してる自動車に撥ねられて即死ですねぇ! 救急車も暫くしたら来ましたけど、来る必要もなかったくらいですねぇ!」

「なんでちょっとテンション高いんだよ!」

「死んだショックをやわらげようかなぁって思ってですよ〜」

 男は肩をすくめる。

「まぁいいや。んで、ぼくはこれからどうなるんですか? 天国か地獄?」

 でも目の前の天使が和風だから輪廻転生か? そうだとしても仏教に天使って概念あったかな?

「まぁ、本来なら、魂の裁判を経て霊体界か動物界に行ってもらうんですが……」

 男はそこで小さく言葉を溜めた。

「カガリさん、もう一度瀬戸(せと)カガリとしてやり直したくありませんか?」

「……え?」

 うまく状況が飲み込めない。

「ちょ! 待って!だ、だってぼく死んだんですよね! もう一度やり直すってどうするんですか! 死体は! ゾンビとしての転生!?」

「あぁー! うるさいですよ! 今から説明するのでフライングしないでください!」

 

 天使の話をまとめるとこうだ。

 今回のぼくの死因はあまりに可愛そうということで、本来なら人間界の上の世界である、霊体界に行くはずだったらしい(ここらへんの宗教的な話は正直さっぱりわからなかった)のだが、目の前の天使の独断でもう一度同じ人間としてやり直そうということだ。

「ニンゲンにわかりやすく言うと、タイムスリップみたいなもんですねぇ」

 そう。今回は更に特別に赤子からやり直すわけではなく、生まれ変わる歳を選べるのだ。勿論記憶はすべて引き継ぐとのことだ。こんな自由なことをしていいのか聞いてみると、

「駄目に決まってるじゃないですか。でも、バレなきゃいいんですよ。最悪バレても、やっちゃった後なら軽く怒られるだけです」

 ケラケラと笑いながら天使は答えた。

「さぁ! どこから人生をやり直しますか!」

 天使は立ち上がり両手を広げ演説でもするかのように声を張り上げた。

「赤子からやり直して神童と謳われるのもよし! 事故の直前に戻って死ななかった未来を生きるもよし! 人生の最も輝いていた時をもう一度味わうもよし! さぁ! どれを選びますか?」

 そう言われて、少しの間考える。

 天使の言ったことは全てが心躍ることだ。

 一応大学を卒業したぼくが、小学校低学年からやり直せば、それこそ神童と言われるだろうし、死ぬ直前に戻って、華麗に突っ込んでくる車を避けて死をなかったことにするのもいい。いくら猛スピードで向かってこようとも来ることがわかっていたらいくらなんでも避けられるというものだ。

 そんな風に薔薇色の二度目の人生を考えているときに、遠い昔に聞いた少女の言葉が脳裏によぎった。

 ――私にはもう、何もないの! もう……関わらないで!

 悲痛な少女の叫び。

 本当に、随分と遠い昔のような気がする。

 あの時、救えなかった彼女を今なら救えるだろうか……。

「うん。決めた」

「思ったより早かったですね」

「思い出したら、考えるまでもないことでした」

 ぼくの言葉に天使は微笑みながらその場に座り直した。

「で、いつの時代に生まれ変わります?」

 ぼくは天使の目を見てはっきりと答えた。

「ぼくが高校3年生の春」

 それを聞いて天使は、これでもかというほど目を丸くした。

アドバイスお待ちしてます

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