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黒い影




夜の空には星が

真昼の空には青空が

当たり前の事だけれど

見る度に感動する

当然、初めて見た時に比べたら

その感動はいくらか

劣化しているのは分かる

それでも僕は

空を見るのが好きだ

それくらい空は

僕にとって美しく幻想的だ


真夜中に

近所のコンビニに向かう道中

ふと空を見上げると思い出す景色がある


あれは何時だったのか思い出せないけど

街灯もろくに無い林の中で見上げた空は

綺麗な青色で雲は1欠片も無く

何故か真昼のはずのそこには光輝く7つの星があった


星達はこの世界を照らすのは私だと

それぞれが競いあう様に光っていたのを覚えている


その星に導かれるように

視線を先に向けるとそこには赤い瞳の少女がいた

どこにでもある様で

この世界には2つと無い美しい宝石の様な

ただひたすらに美しい赤だった


ほんの一瞬

その少女と視線が交錯し

なにか話しかけようと一歩進もうとすると

僕はスッと血の気がひいた様に

足腰から力が抜けて膝から崩れ落ち

とっさに足元に目がいき

また視線が少女を追うとそこにはもう

彼女の姿は無くただの林だった


当たり前と言えば当たり前

何故ならその時の僕は10歳で

両親と近所の祭りに行き

一人はぐれ迷子になってしまい迷い込んだ森で

途方にくれ後少し歩いてなにもなかったら

疲れや心細さで泣いていたであろう時に

少し開けた場所に出た気がして

ふと空を見上げたら

そこにはあるはずの夜空ではなく

その青い星空があったのだ


つまるところ幻覚


その後どの様に両親と再開したのか

まったく記憶に無いけど

僕はこうして今普通に生きて

コンビニへの道中を歩いているのだから

特になにもなく帰れたのだろう

いつも通りの日常に


しかし僕は

その幻覚で見た青い星空を思い出すと

こうして真夜中にたいして欲しくもない

ジュースやお菓子を買いに

コンビニに向かうのを口実に

夜空を見上げたくなる


もしかしたら

いや多分きっと僕がここまで

空というものに惹かれるのは

あの空を見たからだろう




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