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純白な黒  作者: 折空 想乃香
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思い出の意味

「美恋ってさ〜、まじめっちゃかわいいよね〜!!目もパッチリ二重だしー、胸も...ちょっとおっきめで.....。」


「きゃっ!?ちょ、ちょっと由紀〜〜!!へんなとこ触んないでよっ!!」


「いーじゃんいーじゃん!へるもんじゃないしぃ〜!まじ触り心地さいこー...。」


「んもぅ!!......あ、コンビニよらない?お腹すいちゃった。」


「いいね〜!由紀もおなかへったー。」



わたしの前で美恋ちゃんとイチャイチャしないでよ......!

三科 由紀。

殺す。絶対に殺す。殺す、殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す.........殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す、殺してやる!!!!


必ずわたしが三科 由紀を殺すためにも彼女の情報をもっと知らなければ...。

そうだ。Twitterをもう少し見てみよう。


わたしはケータイを取り出しTwitterを開く。

三科 由紀のアカウントを見てみる。するとそこには新たにツイートが増えていた。


『学校おーわり!!さっそく友達ゲットだぜ!

美恋ちゃんまじかわい〜〜!!!!

夕方のバイトもさくっと終わらせよ〜〜う』


なるほど。今日は三科 由紀のコンビニでのアルバイトがあるのか。

ちょうどいい、勤務先がどこか調べなくてはならなかったのでこれはチャンスだ。

そして三科 由紀はいまの現実にとても充実している。

最高だ。最高にいい役者だ。

ぜひともわたしの劇の悲劇の第一犠牲者として役を演じてもらいたい。

楽しみだ。そそる...あぁ、まさに甘美な現実。

そうとなれば殺し方を考えなくては.....。



おっと、どうやら美恋ちゃんと三科 由紀が買い物を終えたようだ。

この続きはまた今度考えるとしよう。


「 !? 」


わたしは美恋ちゃんが右手に持っているある食べ物に気を引かれた。


『チョコメロンパン』


なんてことのない食べ物かもしれないが、わたしにとって...わたしと美恋ちゃんにとってはとても大切な思い出深いものなのだ。



あれは小学三年生のときのある帰り道。

小腹の空いたわたしと美恋ちゃんはコンビニに寄っていわゆる買い食いをしようとしていた。

美恋ちゃんは大のメロンパン好きでいつもメロンパンを食べていた。

わたしはというとチョコが大好きだった。

なので美恋ちゃんはメロンパンを。わたしはチョコメロンパンを買った。

すると美恋ちゃんは、


「えー。メロンパンにチョコなんて、そーいうの『じゃどー』って言うんだよー!」


なんていうものだから、わたしは試しに食べてみたらどうかと促し一口あげた。

美恋ちゃんは渋々チョコメロンパンを小さくひとかじり。


「.....!!」


そのまま美恋ちゃんは口いっぱいにチョコメロンパンを頬張り、


「ちょこめろんぱん!おいふぃーね!!」


と満面の笑みで顔を満たしわたしにそう言ってくれた。



そんな思い出があるものだ。

それをいま美恋ちゃんが食べている。

たまたまか?偶然か?それともあの時のことをまだ......。

考えただけでわたしは....。



『最高に劇が盛りあがる素材だ』



そう思えた。

まだわたしを心に引きずっている?

わたしに後ろめたい気持ちがある?


馬鹿を言うな。

わたしは美恋ちゃんが大好きだ。わたしだけのものにしたい。だから復讐する。

彼女の周りから人を消し去りあなたにはわたししか居ないのよ?と言ってあげたい。

その時のなんとも言えないこの世界で一番美しい顔を見ながらわたしは悦に浸りながら彼女を殺す。

それだけだ。それ以上も以下もない。


今さら仲を直しましょう。ハッピーエンドにしましょう。などと言うムシのいい話は無い。


さあ尾行の続きをしようか。


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