パーフェクト転校生
いつもの学校。いつもの教室。おもしろいことは何もない。毎日同じだった。あいつが来るまでは………
「おはよう!椿!何か考えこと?」
あっ。おはよう、桜。いや、毎日同じでつまらないなぁと思って。
「ふぅん。たしかに。毎日同じだもんねぇ。あっ、でも転校生が来るってうわさがあるから少し変わるかもね。」
転校生ねぇ。あんまり、興味ないけど少しは変わるかもねぇ。
「わっ。先生来たからまた後でね。」
うん、また後でね。
「知っているものもいるようだが転校生を紹介する。」
えぇ!本当だったんだ。興味ないって言ったけどやっぱり、気になるなぁ。「おぉい!入って来ていいぞ。」
あっ!入って来た!うわ!すごいかっこいい!まさか、こんな転校生が来るなんて!
「高崎新です。よろしく!」
声からしてやさしそうなかんじがわかるよ!席どこになるんだろう?あっ空いてる!私のとなり空いてる!てっことはもしかして……
「席は上原のとなりが空いてるからそこにしなさい。」
やっぱり!ヤッター!すごいラッキー!あんな王子様みたいにかっこいい新君のとなりになれるなんて!「よろしくね!上原さん。」
あっうん!よろしくね!後、椿でいいから。
「わかった。改めてよろしくね。椿さん」
あぁ。すごいかっこいい!もう、最高!
…………………
「椿っ!帰ろう!」
あぁ。うん。帰ろう、桜。
「ねぇ!転校生の新君!すごいよね!体育もできるし勉強もできるし。パーフェクト転校生だね。」
パーフェクト転校生かぁ。確かにそうかも。体育の時、走る姿がすごいかっこよかったもん。
「私、今日塾あるから。また明日!」
バイバイ。また明日!学校で!さぁて。独りになっちゃったし本屋にでもよるかな。ん?あれは新君!新君も本屋に行くかな?声かけちゃおう。おぉい!新く……!?えっ!そこ、萌え萌えコミックのたなじゃん!ということは…。
「萌え萌えコミック、150円です。」
「はい。」
「ありがとうございました。」わっ!こっちに来る!かくれないと!
「あっ!椿さん!もしかしてコミック買ってるの見た?」
……。ごめん!たまたま新君がいたから声かけようと思って。
「いいよ。むしろ他の人じゃなくてよかった。」
新君がそういうんならいいけど…。まさか新君が萌えキャラが好きだったとは。
「立ち話もなんだから公園にでも行こうよ。」
うん。……………………
「俺さ、小学生の時から萌えキャラが好きでさ。なんていうかなぁ。ぜんぜんモテなかったんだ。でも、まんがならそれが関係ないから、現実逃避してた。それを続けていくうちに好きになってた。」
へぇ。昔はモテなかったんだ。
「まあ、今もこの秘密がひろまればモテないけどな。」
だいじょうぶ!私、絶対秘密にするから!
「ありがとう!たのむな!あっ!そうそう!明日空いてる?ちょっと付き合ってほしいんだけど。」
うん。いいよ。明日、用ないから。
「じゃあ、明日9時にここへ集合な!また明日!」
ヤッター!なんかデートみたい!あぁ、明日に早くならないかなぁ。
……………………………
もう、時間になるかなぁ。新君まだかなぁ。 「おぉい!ごめん!遅かった?」
ううん!私も今来たところだから。
「なら、よかった。あっ!そうそう、これ着て。」
えぇ!?こっこれ?このコスプレを私が!
「たのむ!今日だけでいいから!」
……しょうがない。着てあげるよ。ただし今日だけね。
「本当!ありがとう!じゃあ行こうか!」
うん!行こう!
「お帰りなさいませご主人様。」
…………なんで私はメイドカフェなんかにいるんだ?ああ。新君に付き合ってるからか。この、コスプレ大好きオタクやろうめ。ああ、早く帰りたい………………。
「今日は、ありがとう。楽しかったよ。」
新君がやさしく微笑む。うわ、カッコイイ。私はおもわず赤くなっていたそのとき!
「あれ?新!と………椿!おまえ、もしかしてコスプレ大好きオタク?」
と、タイミング悪く学校の中で1番口が軽い和夫がきた。ていうか、私はオタクじゃない!
「うそつけ!ビックニュースだ。学校のみんなに言っといてやる!」
え!そんな!やめて!そう、私が叫んだ時!
「コスプレ大好きオタクは俺だ!」
と新君が言った。
「へぇ!んじゃみんなに言っていいか?」
和夫が嫌味ったらしく言った。
「いいぜ。でも、椿のことは悪く言うな!」
え…………。今、呼び捨てした?うわ!カッコイイ。
「んじゃな!」
和夫は、去って行った。
「大丈夫だった?」
新君が、心配そうに言う。
かちゃり
何かが落ちる音。まあ、たぶんこれは恋に落ちる音だろう。
「新君!大好き!」
私は思わず言った。すると、新君も満面の笑みを浮かべてこう言った。
「俺も、椿のことが大好きだ!」
こうして、私たちはめでたく結ばれた。
あなたがオタクでも、私はあなたのことが大好きだよ。
初めての短編でした。楽しんでいただけたら幸いです。
ラッキーライン




