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3/3

奇跡の子

えー、この度、超超超超超超超ーーーーーー絶っ久しぶりの投稿をさせていただくさめでございます。

皆様方、大変長らくお待たせしまして、本っ当に申し訳ありませんでした!!!

これからも不定期ではあると思いますが失踪だけはしないようにするのでどうか首を長くして待っていてくれたら嬉しいです。

ドクンッ



「リリアス様!リリアス様ー!」


「ハッ…!」



バサッ



誰かが余の事を呼んでいる声がして、ふと余は目覚めた。

するとそこは、余がよく見慣れている場所だった。そう、生前の余の部屋である。



「ようやくお目覚めですか?」


「あ……」



そして、声のする方を向くと、そこには余がずっと子供の頃から一緒にいた親友が、メイド服を着て腕を組みながらそう言う。



「…リーネ……」


「ここは…何故余はここに……1度死んで…またついさっき死んだはずじゃ……」


「…?何を言ってるんですか!寝ぼけてないで早く身支度をしてくださいー!」



おかしい…余は確かに死んだはず…あの魔物を倒して、その横で……それにリーネも……

なんだ?あれは全部夢だったのか…?それとも…今のこれが夢なのか?

リーネが叫んでいる最中、余は混乱していて、何も言葉を返せずにいた。



「もうほら!どんな夢を見ていたのかは知りませんが、今日は皇帝陛下に会わなくてはならないのですから身支度を…!」


「……ゆめ…?嗚呼…そうか、あれは夢…だったのか…」



そうか。そうだよな。1度死んで転生するなど、非現実的だ!

なんだ、なら余はずっと長い夢を見ていたのか…。



「うむ。そうと分かればすぐに準備をしなくてはな…!」


「全く…そんなんじゃ、まだまだ目が離せないではありませんか。」


「ははは。問題ない。リーネにはこれからもずっと余の専属メイドでいてもらうつもりだからな!」



違和感。



「……。」


「…はは。なぁ…そうだろう…?」



圧倒的違和感。

胸騒ぎ。

背筋が凍る。

背中が痛い。

身体が動かない。



「……。」


「なぁ…おい…何か申せ…」


「リリー。親友として、あたしはずっとお前のことを見守っているからな。」



リーネがまるで昔のような口調になって、目を閉じ余に背を向ける。



「おい、どういう意味だ…?待て…!止まれ!」



そのまま扉の方へ歩いていってしまう。

待て、行かないでくれ、余を……一人にしないでくれ…



「あたしも、旦那様も、奥様も、妹様達も、みんなずっと、お前を見て支えているから。」


「そんな…待て!今すぐ余もそっちに!」



だめだ。待ってくれ、やだ。身体が動かない

身体も足も腕も首も何もかもが



「駄目だ。お前はまだ来ちゃいけない。あたし達は先に行ってるから、お前はもっと後から来い。それまで待っててやるからさ」


「…ぁ……あ……」



だめだ、声が出ない…涙だけが、止めどなく溢れ続けている。



「お前が今行くべき場所は、あっちだろ」


「スティーリア・リヴイエス───」



・・・・・



ドクンッ!!



「───リーネッ!!!」



ガバッ!



「「わっ…!!」」



リーネのその言葉を最後に、余は"現実"で目を覚ました。

余は勢いよく飛び起きると、隣から2つ声が聞こえた

余はすぐ、声のする方へ顔を向けた。

するとそこには、驚いた表情のカウラ嬢と、涙を溢れさせながら驚いている母上───ククルカ・リヴイエスが居た。



「あれ…余はどうして…死んだはずじゃ……」


「ッ良かったぁぁぁぁぁ!!!!!!」



ぎゅっ!



「うぐッ!?」



突然母上に思いっきり抱擁された。

痛い。母上痛いぞ…余が怪我人だと言うことを忘れてはおらぬか?



「ぐすっ…カウラちゃんから話を聞いた時は…ほんとにどうしようかと…!」


「すぐ見つかって、治療したは良かったけど…傷が深くてどの道危ない状態だって…もう起きないんじゃないかって!」


「良かった!本当に良かったぁ…!」


「……」



どうやら、相当な心配をかけてしまったようだ。カウラ嬢も喋ってこそいないが、涙を流してくれている。



「すみません。心配をかけてしまいましたね…」


「…余は…どれ程眠っていたのでしょうか」


「…今日でちょうど3日目よ」


「3日……目…て事は…スタンピードが!」


「え…えぇ、ちょうど今パパ達が出ているけど…でもどうして知ってるの?」


「ぁ…えっとぉ…それは…まぁどうでもいいじゃないですか!」



まずい…魔法で盗聴してたのがバレるところだった…

でもそれよりまずいのは父上達の方だ、早く加勢せねば!

余はすぐに母上を退けて立ち上がったが



ズキッ



「うっ……!」



立ち上がった瞬間、背中に強烈な痛みが走った。

まぁあれだけの怪我だし、無理もないか…

だがこれ以上の痛みは既に体験している。歩けないほどでもないしな。



「魔力は…十分だな…」



よし、それじゃあ父上の魔力を探して───



「ちょっと!何するつもりなの…?」


「父上達の所へ加勢しに行ってきます」



後ろから母上に肩を掴まれてしまった。

まぁ…怪我をしている上に4歳の子供がどこかへ行こうとしてるのだ、心配する気持ちは分かる。



「そんなの駄目に決まってるでしょ!!」


「確かに貴方は魔物を1匹倒したけど、スタンピードって言うのは魔物がたかが1匹2匹居るのとは訳が違うのよ!?」


「…大丈夫だ母上。二度と此度のような心配はかけぬと誓う。絶対に父上と共にここへ帰ってくると。このスティーリア・リヴイエスの名に誓って!」


「っ…でも……」



そう何かを言いかけた母上の唇に人差し指を当てて遮る。



「それ以上は何も申さないでください。今回はこの私を信じて、どうか我儘を聞いてはくれませぬか…?」


「……絶対…生きて帰ってきてね…?」


「勿論です。約束します。」



そう言って母上からは離れて、今度はカウラ嬢の前へ移動する



「カウラ様。此度の件…誠にありがとうございました。どうか父君の事、お任せ下さい。必ず一緒に連れ帰ってきます」


「…ぁ…その…はい。あの…もしよろしければ…帰ってから2人でお話しませんか…?」


「えぇ勿論。ぜひ!」


「あと、これは…助けてくれたお礼…です…!」


「超再生───」



カウラ嬢が小さくそう呟くと、背中の痛みが全く無くなった。

これは一体……



「!」


「こ…これは……」


「えへ、お父さんや、皆には内緒ですよ…!」


「…ふふ。ありがとうございます。」



そう言って余に向かって微笑む。嗚呼、なんとも可愛らしい。この笑顔だけで余は頑張っていけそうだ。

さて、話も済んだことだし、行くとしようか。



「魔力は…あっちの方か」



父上の魔力を街の方で見つけた。だが反応が弱い……という事はもうすぐ魔力が切れそうと言うことだ。

かなりまずい状況らしいな。



「では、行って参ります!」



ファサ・・・



そう言い残し、余は一瞬にしてその魔力の元へ転移した。

その場に着いた途端、一気に空気が変わった。

すぐに血の匂いが余の鼻を刺激し、あちこちで魔物の雄叫びや、傭兵たちの叫び声が聞こえてくる。



「父上!」


「…!?お前、目が覚めたのか!」


「いや待て、そんな事よりなんでお前がここに!」


「説明は後でします。今はとにかく一旦お引きください。このままでは父上の魔力が尽き戦うことが出来なくなります!」


「馬鹿者!領主である俺が逃げる訳にはいかない!例え魔力が尽きようとも最後の時まで戦ってみせる!!」



そうだろうな。父上ならそう言うと思ってはいた。だが今はそんなことを言っている場合では無い。一刻も早く父上や他の傭兵達を避難させなければ……



「…父上。すみません。こんな手荒な真似をする事をどうかお許しください」


「…?何を言って───」


「誘眠──」


「っ…!なんだ……急に……ねむ…く……」



ドサッ…



よし。これで一先ず父上は大丈夫だ。魔法を使い父上を眠らせ、そのままこの戦場から少し離れた魔力が集中している所へ転移させた。

おそらくそこが拠点だろう。

よし、後は他の傭兵達と宰相殿だ。



「身体強化──強」



身体強化を使い、一旦魔物は無視しつつ傭兵達を次々と眠らせ転移させていく。途中で宰相殿も見つけたが構わず眠らせ、拠点へと送った。



「よし…これならもう邪魔する者はいないであろう」


「さて、それでは始めようか。」


「さぁかかってこい魔物共!!このリヴイエス領の領主が娘!スティーリア・リヴイエスが御相手しよう!」


「この名、死に行く前に覚えておくがいい!!」



一気に殲滅するのは簡単だ。まぁ、街の建物の事を何も考えければの話だが…

やっぱり、あまり被害を出さずに殲滅するのなら、目の前にいる魔物を仕留めつつ周るしかないだろう。



「とりあえずこの辺りに居るのは500程度か…」


「この範囲なら、これで十分だろう!」


「黑閃地天轟雷──!!」



余がそう叫んだ瞬間、周りの空気が一気にピリッとなり、空に雷雲が出来始めた、そしてゴロゴロと凄まじい雷音を轟かせた瞬間───



ドガァァァァァン!!!!!



『ギュェェェェ!!!』



黒く光った稲妻が、一斉に魔物達目掛けて降り注いだ。

一寸の狂いもなく魔物に直撃し、魔物達は一瞬にして灰と化した。



「ふは。久々にこう清々しく魔法を使えるというのは気持ちがいいなぁ〜!」


「さぁ、どんどん行こうではないか!!」



あの鳥とは違い、素早く動く者も居ないのでこう派手な魔法を使えるのは本当に楽だ。

剣術が使えない以上こうするのが一番手っ取り早いだろうしな。



「いや?待てよ、今のこの状態であれば扱えるではないか!!」


「どうして気づかなかったのだ!余もまだまだだなぁ…」


「よし、そうと分かれば!」


「来い。我が剣よ、再びその力を余の為に振るえ───影狼烏丸」



そう呟くと、余の影から1つの剣が姿を現した。

刀身は漆黒に染まっており、その剣全身から黒と紫のオーラを放っていて柄には禍々しい目が付いている。

正直ダメ元で呼んでみたのだが出てきて少し驚いている。

この剣は生前余が創り出した物で、ありとあらゆるものを付与して造ったら(6徹目でかなりやけくそになって)なんとこんな見た目になってしまった。

性能も見た目に反さずかなり残虐なものになっている。まず固有の能力が身体強化と斬った相手の魔力や生命力を吸収し、蓄積する事とどんな物でも斬れるという何とも無敵の能力を持っている。更に使用者…まぁ余以外には扱えないので余の魔力を吸収してその魔力と敵から吸収した魔力を使って様々な攻撃を繰り出す事が出来、尚且つ形状も変化させることが出来るのだ。

そして余が傷を負うと、敵から吸収した生命力を使い自動で回復してくれる。

ただデメリットもある。これを握っている間は自分に対しての魔法が一切効かなくなる。これは攻撃も回復も同じだ。まぁこれ自体は大したことは無いのだが、もう1つが問題なのである。もう1つはこれを握っている間だけ、余の理性が欠落するという事だ。欠落と言っても、完全に無くなるわけではないが、自分で抑えるのはかなり難しい。まぁだが、この場ではこの剣を使うしかないし、仕方の無いことだし、今回は相手が魔物なので心配する必要はない。



「さぁ相棒。再び余と戦場を掛け巡ろうぞ!!」



そう呟き、剣を手に取った。その瞬間、一気に身体が昂り、気持ちが高揚する。身体はさっきよりも更に軽くなり、力もどんどん湧いてくる。



「ふはっ!この様な感覚はいつぶりだろうか!」


「魔物共よ、せいぜい簡単には死んでくれるなよ!?」



余はそう叫ぶと、目にも止まらぬ早さで街にいる魔物共を斬り殺して周った。

道中多少の攻撃は食らったが影狼烏丸があるので大したことはなくすぐ治った

あれから半日間動き続け、斬って、斬って、斬って斬って斬って斬って斬って噛まれて斬って斬って噛まれて斬って、殺して殺して殺して殺して殺して殺して斬られて殺して殺して噛まれて殺して、何度も何度も殺し続けた。そしてようやく最後の1匹を仕留めた頃には、もう余の服は傷だらけで血まみれだった。



「よしっ…これで最後か……」


「随分と服を汚してしまったな…。」



この服はもう駄目だろう。母上に怒られないといいのだが…



「あ、今回もありがとう。影狼烏丸。流石は余の相棒だ」



そう言い、自分の影へと剣を投げた。するとそのままゆっくりと影の中へ消えていった。



「さて…帰るとしようか───」


皆様どうも、ただのさめです。今回の「天然人たらしな世界最強の皇女、異世界に転生し新たな生を満喫する」は如何でしたでしょうか、?

長い空白を開けてしまいましたが、自分ではかなり満足出来ている出来だと思っております。どうかこの作品がより多くの方々に届き、楽しんで貰えたら幸いでございます。

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