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モブと夏休み2


「はい?なに言って」

「高円寺菊さんが住所知ってるらしいから、今日の深夜に突撃します」

「えっ、いやだから」

「幼馴染だからね、知っててよかった」

「ちょっ」

「どうやってやる?ドア壊すぐらいなら余裕だが?」


だめだ、みんなゾーン入ってる。


「いや、深夜に大きい音はだせない。ベランダから侵入、そしてこれを飲ませる」

「睡眠薬か、良い考えじゃ」

「やるのは、日野颯くん」

「ぼ、僕?!」

「腕試しだよ、このくらいはやってもらわないとね」

「でも、そんなの犯罪じゃ」

「颯!」

「?!」

「ここにいるのはな、訳ありたちだ。みんな言えない闇を抱えている。颯も、わざとではないが、世界線を悪いほうに変えてしまったんだ。今更ここで怖気付いたら、俺ら死ぬぞ」

「……」

「颯、私信じてるから!」

「菊……」

「やるのじゃ」

「……わかった」

「よく言ったね、それじゃあ、準備しましょうか」

「そういえば颯親に連絡した?しばらく帰れないって」

「大丈夫、両親はどっちも出張で、年末まで帰ってこないから」

「そう、だったんだ。ごめん」

「いいよ、慣れてるから」

「んじゃ、今日からこの部屋にお泊まりー」

「と、泊まり?」

「高円寺さん以外はここに泊まってるんだ、ほら、訳ありだから」

「私は女子だから、あと家あるし」

「僕もあるけど……」

「まぁ少しの期間だけですから、お願いです」

「まぁいいですよ」


もう拒否権ないなぁ。死ね!


「あ、私帰るね、親心配するし」

「じゃねー」

「またねじゃ」

「明日もよろしくね」

「はーい、颯も頑張ってね!」

「うん、ありがと」

「……じゃ、みんなでお風呂行こー!」

「おー!」

「んん?」

「オラは、1人がいいのぉ……」

「拒否権ないですよ、ほら、日野颯くんも」

「えっ、ええぇぇ?!」



ー風呂場ー

「思ったより、広い、あときれい」

「へへ、俺が洗ってるんだぞー!おらー!」

"ザバーン"

「んなあー!なにするんですかー!」

「すっかり馴染んでるのー」

「阿佐ヶ谷さんも、おりゃー!」

"ザバーン"

「はっはっは!颯もやるなー」

「お前ら、焼きコロすぞ」

「……」

「……」

「はいはい、みんなちょっと落ち着」

"ザバーン"

「ちょっ、日野進くん!」

「僕じゃないでーす!」

「四ツ谷鋼くん!」

「違いまーす!」

「じゃあ……」

「オラじゃ!」

「阿佐ヶ谷雀さん……」

"ドッバーン"

「うわ、げほっ、げほっ」

「これで、おあいこですね」

「もー、お前ら許さん!おりゃ!」

「あ、あつ!あっっつ!」

「水、水!」

"ジャー"

「あづづづ!!これ熱湯かよ!!」

「阿佐ヶ谷雀さぁぁぁっづ!!」

「もー!やっぱこの人たち嫌だー!!」



ー車内ー

「いいか、切り替え大事だぞ」

「メリハリじゃ」

「私が指示するから、大丈夫です」


この人たち、普通じゃない……


「着いたぞ」

「いいですか、庭のベランダの施錠は外されてます、そこから侵入し、立川進にこれを飲ませる。いいですね」

「あぁ、やってやるよ!」

「「「しー!」」」

「す、すいません」

「頑張るのじゃ」

「それじゃあ、行ってらっしゃーい」

「行ってら」

「……はい」



ー立川家ー

はぁ、面倒事に巻き込まれたってレベルじゃないよなぁ、まあいい。ここから、よっと。よし、中は、まあ普通の家だな、暗いけど。


「階段を登ってすぐ手前の部屋です」

「了解」


階段の音に気をつけて……っと。ふぅ……開けるか。


"ガッチャ"


よし……はぁ、やばい心臓が、やばいって……


「早く、あまり長居するのは危険です!」

「わかってる!」


すぅーー、ふぅーー。すぅーー、ふぅーー。

立川、ごめん!


「おら!」

「ん、ん?!んぐ、んぐぐぅ」

「動くなって、おい、くそ!」

「んんん!!んん!ん……ん」

「はぁ、はぁ、んぁぁ」


やった、やってしまった。……これで僕も、訳ありか。


「下に持ってきてください、四ツ谷鋼くんが待機してます」

「了解」


立川、ごめん、本当に。



ー車内ー

「よくやったぞー颯!」

「関心したぞい!」

「日野颯くん、やはりあなたは素晴らしい!我々の力になること間違いなしです!」

「それは、ありがと……」

「颯、眠いのか」

「そりゃあね、この子は今日人生で一番激動な日だっただろうから、仕方ないね」

「俺が後で部屋にもってきますよ」

「じゃあ私と阿佐ヶ谷雀さんは、立川進くんね」

「了解じゃ」



ー翌日ー

「おはよー」

「ん……四ツ谷さん、おはよー」

「武蔵さんが呼んでるから、行ってこーい」

「はーい」



「おはよう」

「おはざます、あのー」

「立川進はこの部屋」

「!」

「はいだめだよ、彼はしばらくここに閉じ込めます」

「あの、なにするんですか?」

「んー、まあまだなんにもしていないです」

「そう、ですか」

「じゃあ、朝ごはん出来てるから、食べに行ってらっしゃい」

「はーい」



「美味そう……」

「だろ?俺が毎日つくってるんだぞ?なのにこいつらときたら、感謝の言葉1つもないんだよ」

「いつも感謝してるぞい、美味しいのぉ」

「その言葉初めて聴いたわ」

「美味しいー」

「菊?!」

「今?!」

「ごめん、来てたんだ」

「颯が起きる前から来てたー」

「そっか」

「あんた、ちゃんとやったみたいじゃない」

「うん……」

"ヨシヨシ"

「えらいねー」

「やめてよ、恥ずかしい」

「照れてるーかわいい」

「そんなキャラじゃないから!」

「ぶっ、ふははは!!」

「笑いすぎ!」


……こんなキャラじゃ、ないよなぁ。


「楽しいところ悪いけど、さっさと食べて行くよー」

「どこへ?」

「旅行です!」

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