表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
4/23

モブと定期テスト


あー死ね!これは立川じゃなくてテストに言っている。まじこの制度なんなん?てか赤点ってなんなん?30点以下補習ってなんなん!!


「立川」

「なんだよ、神田」


あら、呼び方戻ってる。


「今日、勉強会するわよ」

「勉強会?なんでお前と?」

「あぁあんたがテストで赤点取ったら、夏休みも学校なんだよ?そしたら、遊ぶ時間減るじゃない……」

「ん?なんて?」

「うるさい!とにかく、今日からみっちり教えてやるから、覚悟しなさい!」

「なんだよ、わかったって」


ふーん。そういうことしちゃうんだへー。……死ね!テストと立川ダブルで死ね!


「よっ、日野」

「荻窪、なんだよ」

「あのさ、お願いがあってー」

「勉強なら断る。こっちも大変なんだ」

「じゃなくて、紹介してくれよ、豊田さん」

「?!」

「ちょっと気になってさ、お前仲良さそうじゃん?紹介してくれよー」

「自分でいけ」

「……え?」

「そんなの、自分からいけよ」

「……だっさ、あいつほんとむかつく」


ださいのはどっちだ、まあ荻窪嫌いだったし清々したわ。てか、あいつ神田さんのことが好きじゃなかったのか?……あいつは、クズキャラ枠でいいな。


「日野氏ー」

「豊田さん」

「今夜家で勉強会しませんか?」

「……いいね!」

「これでも我は前回学年3位の実力者ですぞ!」

「めっちゃ頼もしいじゃん、ありがと」

「それじゃあ行きましょうか」

「うん」



ー帰り道ー

「あんた、誰?」

「もう忘れたの?立川進の幼馴染ですー」

「あぁそんな人、いましたね」

「ちょっ、2人とも」

「ねぇ進、今日は家に来てよー。久しぶりに2人でね?」

「悪いけど、先約あるから」

「なに、別いいじゃない、久しぶりの再会なんだから」

「そんなの関係ないから、だいたい、あんた頭いいの?」

「一応学年2位だけど?」

「あらそう、私も"一応"学年1位だけど」

「なっ……」

「ほら、いくよ」

「ちょっと、ごめん、菊」

「進!」


ヒロインが学年1位か、ご都合だな。んでもって幼馴染が2位ってのも。


「ご都合であるな」

「全くだよ」



ー7月5日ー

「今日からテスト期間だ、くれぐれも赤点だけは取らないように」

「日野氏、頑張りましょう」

「あぁ、赤点だけは取らないぞ!」


そして僕は、無事にテストを乗り切った。



ー7月8日ー

「これでテスト終わりだな、そして、まちに待った夏休みだな」

「よっしゃー!」

「三鷹騒がない、いっとくがお前らは2年生だ、受験に向けて正しい行動をするように、あと宿題もけっこう出るから、早めに終わらせとけよー」

「えー?」

「んだよそれー」

「だから静かに!」


あーあ、うちって自称進だな。宿題とかいらないだろ、そんなの勉強に入んないって。


「じゃあ、週明けにまた会おう」



ー7月11日ー

「急な話だが、このクラスの担任の先生が退職されたそうだ」


え?


「夏休み明けに、新しい先生がやってくるから。あと歴史のテストだけ満点者はいなかったぞー。みんな勉強したのかー?」

「嘘だ」

「ん?どうしたんだ君?」

「いや、いやだぁぁぁ!!」

「ちょっ、君!」

「立川、待って!」


なにかあった。確実になにかあったな!テスト明けに面白いものが見れそうだな。



ー7月4日ー

「明日からテスト期間だ、くれぐれも赤点だけは取んないように」


ん?なんか変な感じがする……気のせいか



ー7月5日ー

「今日からテスト期間だ、くれぐれも赤点だけは取らないように」

「日野氏、頑張りましょう」

「あぁ、赤点だけは取らな……」

「ん?どうしましたか?」


デジャブぅぅ。嘘だろ、タイムリープ?時が戻った?ていうか、立川いない……


「日野氏?」

「ちょっとトイレ行ってくる!」

「ちょっ、もうテスト始まりますぞー!」


立川、立川、あっ、いt


「分かりましたよ、小金井先生。俺をタイムリープさせたのは、あなただ」

「……」

「なんか喋ったらどうですか?せんせっ」

"グギギィ"

「おいおーい、もうテスト始まるぞー、教室に戻りなさーい」


し、締めてる…や、やばいって止めないと、で、でも、僕モブだろ…誰か助けにくるって、そうだそうだ……


「立川進、お前が言ったんだぞ!お前が、お前が!」

"ドカン"

「ぐはっ、ってめぇ、なにしやがる!」

「立川から手を離せ」

「誰だよお前、もうテスト始まってるぞ!」

「……ただの、モブキャラですよ」

「日野くん!!」

「お前、私たちの邪魔、すんなよぉぉ!!」

"ドカッ、ドン"

「ぐはっ、」

「舐めんなよ、先生を」

"チーン"

「ぐはぁぁ!!」

「こっちの台詞だよ、このクソ教師が!!」

「ちっ、覚えておけ」


……やった、僕が、やったんだ。


「日野くーん!!」

「立川……」

「ありがとう、本当に……」

「いや、大丈夫だよ、それより保健室行こ?」

「それは大丈夫、ほら」

「え?跡がない?」

「まぁ、体質だよ!」


やっぱ能力者か、僕にもあるのかな?じゃなくて……これで、よかったんだよな?てか、さっきから頭いてー、クラクラするし、保健室寄ってこ。


「あれれ?なんか予感してきたのに、私の出る幕ないじゃん、まいっか」



ー7月11日ー

結局、先生はあれ以降学校に来ていない。別の先生曰く連絡も取れてないらしい。まいっか、それより明日から、


「夏休みー!」


「日野氏、さっさと宿題終わらせて、夏を満喫させますぞー!」

「おー!」


この日から、長い長い、夏休みが始まった。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ