モブと夏休み9
ー優満高校ー
「とりあえず私たちは車で待機してるから、菊が先導してくれ」
「はーい」
「ていうか今回屋内でしょ?ドローン入って大丈夫なのか?」
「安心しろ、雀の頭に小型カメラをつけてある」
「ちっさ!本当に見えんの?」
「360°綺麗に見えるぞ」
「でも、なんで雀さんに?」
「この中で1番安心だからだ」
「「はぁー??」」
「いやいや、鋼さんならわかるけど、なんで私まで?」
「ちょいちょい!俺だってパワーあるし、頭悪いだけでそんな評価下げなくても!」
「そーゆーとこ!ほら、さっさと行きなさい」
「納得しないな…」
「なんで私まで…」
「まぁまぁ、オラに任せい」
ー5分後ー
「おっ、入ってんなー。ここは、職員室か」
「誰もいないですね」
「おかしいなぁ、1人ぐらいいるはずだが」
"ピッ"
「こちら武蔵、そっちはどうですか?」
「こっち鋼ー、異常なーし」
「了解、慎重にお願いします」
「はいはーい」
"ピッ"
「心配です…」
ー校内ー
「にしても人いないなー」
「部活もやってる気配ないですね」
「ほら、ここの取っ手じゃ」
「廊下に取っ手とか、明らかに怪しいな」
「よいしょ」
"ガッチャン"
「まじかよ」
「これ、地下に繋がってるの?」
「……いってみるか?」
「本当に行くんか?」
「でも、行かなきゃわかんないだろ、本当に中野がいるか」
「そうじゃが……」
「私もそう思う」
「菊まで…」
「雀さん、大丈夫ですよ」
「……わかった、いこう」
ー階段ー
「にしても、長いな、この、階段」
「これ、終わり、あるんですかー?」
「まぁまぁ、もうちょっとだと、思うのじゃ」
「あ、なんか、見えてきたー」
「はぁ、はぁ、はぁーー終わったーー」
「もーどんだけ降りてきたの私たち」
「いやー、みんなよく頑張ったぞい」
「てか、帰りこれのぼるのか」
「「……」」
「…という状況です」
「隠れろ!」
「こちらでよろしいでしょうか?」
「ふん、あんたにしてはなかなかやるじゃない」
「恐縮です」
「早速取り掛かりなさい」
「かしこまりました」
「はぁ、この後の予定は?」
「鎮圧部の者が直近の報告に…」
「鎮圧部って、昨日颯たちんとこに来た奴らか」
「またくるぞ!」
「…やーまじ最近先輩の機嫌悪くね?」
「それな、上が指示出すの遅いからイラついてるんだよきっと」
「この前なんか1人で偵察にいったらしいぞ」
「まじか、変なことしてないよな?」
「してそうな人だけどな、それよりさ…」
「上からの指示ねぇ」
「……とりあえず、先進みましょう」
「オラが案内するぞい」
「にしても広そうだな、ここ」
「本当に学校の下にこんな所が」
「ていうかあいつらからなんも指示こないな」
「たしかに、大丈夫かな……」
「まぁ大丈夫だろ、あの3人なら」
「ここじゃ」
「ここが、保管庫か」
「ここから朝廷の情報を引き抜くのじゃ!」
「いきましょう」
「…おい、貴様ら何者だ!」
「やば、逃げろ!」
「おい、待てー!!」
ー???ー
「なんとか、まいたな」
「ていうか、ここどこなんでしょう?」
「ったく、地図の1つや2つ置いとけっつーの」
「おい、この中会議室っぽいぞぃ」
「聞き耳たてましょう」
「…以上です」
「どうもありがとう、次に、鎮圧部」
「鎮圧部の葛西ですー。昨日反朝廷組織の連中に接触しました、が、途中で邪魔が入ってしまい、交渉出来ませんでしたー。以上」
「…はい、以上で定期報告会を終わりま」
「待った」
「は、はい?」
「鎮圧部、結局なにも出来なかったのか」
「……」
「申し訳ないっす」
「財政部もさ、先月の支出赤字なんだけど」
「申し訳ありません」
「みんなさ、疲れてんの?あのさ、もっと結果残せよ!上からの指示が出てないならって怠けんのもいい加減にしろ!!それで責任負うの俺なんだぞ?ここには指示待ち人間しかいないのかあぁ?!」
「落ち着いてください、三鷹様」
「三鷹?!」
「…おい、外から声聞こえたぞ……チッ、警備部に言ってんだよ!!」
「た、直ちに!」
「やばいぞ、みんな走れ!」
「ここは退散じゃ!」
「三鷹……」
ー車内ー
「ってことがありましたー」
「嘘、三鷹が……」
「私も信じられないけど、あの声は三鷹孝介そのものだったわ」
「三鷹孝介、あいつもだったとは」
「ていうか壊れたのかよー、ちゃんとメンテしたのか?」
「すいません…」
「とりあえず今日は帰ろう、オラもう疲れた」
「いいダイエットになりそうね」
「こんなダイエット、懲り懲りだー!」
ー秘密基地ー
「直るまで丸1日ですね」
「それまでは動けないな」
「くそー、とっとと懲らしめてやりたいぜ」
「鋼さん、ご飯まだー?」
「はいはい、今日は生姜焼きな」
「やったー!」
今日はみんな活躍してたな、僕なんも出来なかったけど。
"ピロン"
…豊田さんから、電話か。
「ちょっと失礼」
「あっ、一応スピーカーにしといてください」
「はい」
"ピッ"
「もしもし」
「あっ、日野氏、久しぶり」
「うん、どうしたの?」
「その……」
「…うん」
「た、た、」
「……?」
「たすk」
"ドカン"
「「「「「「?!」」」」」」
「台本通り言えやブス」
「お前、まさか!」
「よう、久しぶりいや、さっきぶりか、日野颯」
「三鷹……」




