モブと夏休み8
ー8月1日ー
「んー………ん?!うわぁ?!」
「ひゃっ?!」
"ドタン"
「どうした?!奇襲か?!」
「いや……え?なんで、菊が?」
「んだよ脅かすなよー」
「鋼ー!ベーコン焦げてるぞい!」
「あっ、やべー!」
「……あの」
「ごめん、颯が寝たあと私も眠たくなって……気づいたらこれ。まぁでもー、幼馴染が隣りで寝てるなんて、良いイベントじゃない?」
「否定はしない」
「2人ともご飯じゃぞー」
「はーい、行こ」
「うん」
ー神田駅前ー
今度は買い出しかよ、えっとー牛肉、にんじん、玉ねぎ、じゃがいも…こりゃカレーだな?カレーっていろんな具材が入ってるけど一番の主役ってりんごだよな?あれのお陰で甘くて美味しいカレーができるんだから、よく肉が主役とかいうけどさ、それシチューにも八宝菜にも肉じゃがにも言ってるんでしょ?もっと野菜のありがたみを感じてほしいものだよ。
「ちょっと、やめてください」
「良いじゃん、君可愛いんだし」
可哀想に、昼間からキャッチか、いやナンパか?
「誰か、助けて」
豊田さん?!嘘、いや、助けないと
「やめr」
「やめろ!」
?!
「この子の同級生だけど、あんた捕まるよ?」
「チッ、ガキかよ」
わーーかっけーー
「大丈夫?豊田さん?」
「ありがと、三鷹氏」
おいおい、びっくりして隠れちゃったけど、あいつ三鷹じゃねえか
「じゃ」
「待って!」
「ん?」
「お礼、したい」
「お礼か…じゃさ、ちょっと買い物付き合ってよ、服買いたいんだ」
「服?でも我、そういう物を選ぶセンスないよ?」
「いーの、それに、2人のほうがいいでしょ?」
「……わかった」
「じゃ行こっか」
なるほどな……久しぶりにやるか、すぅーーーー、死ねぇぇ!!なんでいいとこもってくんじゃ量産型槍珍め!!
ー秘密基地ー
「兄さん、どうします?」
「とりあえず、従うしかないな」
「どうしたんですか?」
「あぁ、これ見てくれ」
「本日の19時に秋葉原駅前に来い。ただし、2人でくること。従わなかった場合、立川の命はないと思え。以上」
「なんだこの手紙、脅迫か?」
「この文を見る限り本物だろうな。よし、私と日野颯で行こう」
「僕?!」
「私は疲れたので帰ります」
「残りのみんなは?」
「今日はみんな外出中」
「なんでだよ……」
「ほら、暇人2人で行くぞー」
「くぅ……」
ー秋葉原駅前ー
「そろそろお出ましかな」
「そうですね」
「おっ、ちゃーんと来てるじゃん、か」
「……」
「なんだお前ら、なぜ私たちを呼んだんだ、消すつもりか」
「違うよー、いや違くない、か。そそ、君たちを消すつもりだよー」
「……」
「なっ」
「ちょっとちょっと!ここで戦うのは無しっしょ!今日はお話するだけじゃん、か」
「話?」
「その前に自己紹介、俺たちは、軍部省鎮圧部所属、葛西織安」
「同じく鎮圧部、行徳唯子」
喋った。
「まぁ言いたいことは1つ、交渉しよっ、か」
「交渉だと?」
「俺らもあんま騒ぎ起こしたくないからさ、話は簡単、この子くれ」
「ちょっ!」
「そのかわり、立川くん返すかr」
「断る、話にならないな」
「言っとくけど、この子ただの人間だぞ?」
「……」
「東くんは大丈夫かも知れないけど、この子は1発撃ち抜かれただけで死ぬ。さて、あまり時間をかけたくない、はやく答えを出してくれない、か?」
「くっ……」
"パァン"
「ぐはぁ」
「走って!!」
「菊?!」
「説明は後!!」
「日野颯、早く!」
「はい!」
「……大胆だな」
「帰る、か。徳唯起きろー」
「葛織を守ったんだぞ」
「だからその呼び方やめろよー」
「かおりだって俺のこととくゆいって呼んでんじゃん。お互い様だ」
「お互い様、か。それもそうだな……日野颯、か」
「かっこつけたな」
「つけてなーい!!」
ー秘密基地ー
「私がここに来たときみんないなくて、探してたらこんな手紙見つけて、慌てて向かったって訳」
「いや、本当に助かった」
「ありがと、菊」
「いいってことよー!それより、やばい相手と関わったみたいじゃない」
「まさか鎮圧部の奴らが出てくるとはな」
「鎮圧部って?」
「私たちみたいな反朝廷組織を消す仕事よ、多分中野雫が手を回したんだろうな」
「中野さんの次は鎮圧部かぁ」
「とりあえず今日は解散だ、また明日な」
ー夜ー
そういえば、あの2人、あっちのほうじゃなくて、豊田さんたちのほう、あの後なんかあったのかな?でも僕には関係ないし、でも気になるし、あぁーー寝れない。ん?明かりついてんじゃん、最後の人ちゃんと消してよー、僕がいくか
"ガチャ"
「うわっ?!」
「きゃっ?!……って、脅かさないでよー」
「菊、まだいたんだ、てかそれ何?救急箱?」
「あぁうん、怪我しちゃって」
「え?どこに?」
「男子には見せられないとこですー、私が消しとくから、颯は寝ていーよ」
「あぁわかった。じゃあおやすみ」
「おやすみー」
ー8月2日ー
「みんな聞いてくれ、早速だが、これから私立優満高校へ向かう!」
「……まじで?」
「ニコが言ってたんだろ?もしかしたら本当にいるかもしれない。とっ捕まえて洗いざらい話してもらうつもりだ」
「おぉ、ついにそれっぽいやつ来たー!!」
「鋼騒ぎすぎじゃ」
「布陣は前回と同じです。が、極力敵との接触は避けてください。標的はあくまでも中野雫ですから」
「颯、今回も頑張ろ」
「うん」
中野さん、なんでこんなことしてるんだろ……




