御手を拝借
夕焼け小焼けに野に咲く花の紅一点
綺麗なあの子にその子にこの子
薄汚れた愛もどき
恋に寄せた腐臭の香り
ここまで眺めて
何故に私は動じない
平然と通り過ぎて扉の前で鍵を持ち
振り返る事すら無く戸を開けるその
私の中から音がしない
空っぽの音もせず
鈍痛な音も無い
何事も無かった様に明かりと一息
これが平穏の日常、なのだろうか
事柄をこなして見た聞いた
通りすがりの流行り廃り
触れた気のまま忘れいく
嫌だ、私は嫌だやだ
あの夕焼けを見て綺麗だでは飽き足らず
月明かりに朧気な様を眺めて
朝焼けに焦がれつつ花を摘み
あの子にその子とこの子へ渡したい
綺麗なお月様だねってさ