# 三話「 COSMIC BOX 」
昔から地球には興味があった。
明るい時間帯があって、
空には雲があり、そこから雨が降って
土地がら花が咲いて、散って実が実る。
それを吸収して人間は生きていく。
地球人。地球に住んでいる人間は弱い。
生きる時間も短くて100年生きるのも難しい。
最新の地球データを見た。
それでも、人間はその弱い体で、
世界中に病気が広がっていても
マスクというものをかけて身を守り、
ワクチンというものを開発して
生き延びていているのが
とても新鮮だった。
地球は空気も土地も海も汚されており、
色んな問題で星の仲間たちから反対されたが、
なんとか地球に着くことが出来た。
先にこの星に着いた先輩たちと相談して、
我が星の組織が運営しているカフェという所で
私は今所属している。
地球は小さい星でマイナーに入るが、
綺麗な星である。
私の担当は地球人の
日常生活を調査する事で、
人の目で人間の日常生活を監査し、
記録して我が星にデータを送っている。
単純で簡単な仕事で私は満足している。
人間はここで苦みと甘みが混ざった
液体を飲んで、甘い味がする固まりを食べに来る。
我が星では味わえ無い味で最初は
戸惑う事あったが、
適当に混ぜで出した液体を美味しいと言って
笑ってくれる人間たちを見ていたら、
嫌な気持ちにはなれなかった。
そんな日々が重なっていて…
どんどん愛着を持てる事になり。
私自身もこの液体を楽しむ事になった。
そしてある日、自分のアジトに帰る途中、
とある人物を見つけた。
道で毎日、ずっと空を見ているんだ。
宇宙のオーラは無く、間違い無く人間だ。
なのに、空を見ながら涙を流しているんだ。
何故か気になった。
...。
今日もいる。
自分みたいに他の星に興味を持つ
物好きな人間なのか、声をかけてみる事にした。
ー「 " わわわー……はい!! "」
悪い分類の人間ではなさそうで
良い匂いがした。
明日もここで会える気がしたので
"またね。"と言ったら本当にまた会えた。
大体の人間は飲み物が好きらしいので、
我々のカフェに誘って最近お気に入りの液体を出したら、
いい顔で飲んでくれた。
この子の名前はリツ。
私たちは共に空を眺めたりゲームをしたり、
食事を一緒に取ったりして、
人間界で言う、
友達というものになった。
璃津の匂いは気分が良くて、
作ってくれるご飯は美味しい。
人間に関わるのも悪くないと思う。
そしてある日、私の前で璃津は夢を語った。
人間は夢がある時だけオーラが光る。
璃津のオーラのは、明るい時間帯の空色に
似た色で彼に似合う色だと思った。
人間は男と女で子孫を残す。
地球の一般的な常識で私と璃津は子供をつくれない。
それなのに未来を共にしたいと言った。
弱い体の人間が熱心に語っているのを見て
少し意地悪をしたくなった。
" 宇宙人でも信じてくれるんですか? "
なんと、
璃津は私が宇宙人でも構わないようだ。
ヤレヤレ、私は貴方に言えない事が
たくさんあるのですよ。
猫被ってるんですよ。
でも、この子なら悪くないと思う。
なんなら私が守ってやるか。
ー「 " 今更の今更なんですけど、ずっと貴方の事、
ゲームのニックネームで呼んでもいいですか……?
良かったらお名前を教えて下さい。" 」
ゲームのユーザー名は地球のコードネームを
入力していたから、私は今まで気にならなかったが、
名前か…名前はいるけど、
地球の日本語でなんて釈すればいいのか迷う。
" ですね。あんまり本名の事、好きではないので…
良かったら私に名前をつけて下さい。"
ー「 " あっ…はっーはい!ごめんなさい。
じゃあー……" 」
何故か璃津の顔が赤い。
ー「 " 月さん!月さんと呼んでもいいですか?
月みたいに光ってるから。" 」
光る?私のオーラが見えてる…はずは無いのに。
璃津は人間だ。
" ……光っているとは?"
ー " 太陽みたいなギラギラの光じゃなくて、
月みたいに優しく光って、眩しいと思ったんです。
かっこいいと言えばいいのかな……"
月か……悪くない。
この子は私の事を特別に思っているようだ。
人間の愛というものなのか。
何故かこの子と一緒なら地球生活が
楽しくなりそうな気がする。
貴方がのそう望むのなら、
貴方の月になりましょう。
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ドラマCDが作りたくて初めて書いた、
朗読シナリオコンテでございます。
ここまで読んで下さって
本当にありがとうございました。
♡ Cafe.ひねもす。