表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
璃津の話し。(仮)   作者: Cafe.ひねもす。
2/3

# 二話「 プリズム。」

 

 お父さん……無事で空登れたの……。

 ここは冬になった。


 オレはまた一人で一歳、歳をとったよ。


 お母さんと一緒に…元気で……幸せでいて……

 いつまでも、いつまでも……



 ー「 " 星が好きなんですか? "」



 " まぁ... "



 ー「 " お仕事の帰りですか?いつもここで空を

 眺めていますね。恋しい人でも、いるんですか? " 」



 そんなに見てたのか、オレ...



 " いや…失礼します… "



 ー「 " じゃあ。またね。" 」



 わわわー…危ない人なんじゃないの……

 美形の人だった。魅力的な人だからこそだ。

 気をつけよう。




 次の日 >




 ー「 " また、お会いしましたね。" 」




 " あああ…どうも… "

 " えっと……"




 ー「 " ははは…怪しいものではありません。

 あそこのカフェで働いています。" 」


 ー「 " お茶でもいかがですか? " 」



 ◇ ◇ ◇



 お言葉に甘えて店に入ってしまった。

 早速、コーヒーの匂いが迎えてくれる。


 流行ってるお洒落なカフェでは無いけど、

 柔らかい雰囲気がして、とても良いと思った。

 オレもいつかこんな店を開きたいなぁ。



 " すみません…… "

 " オレ、人に慣れてなくて… "



 ー「 " 私もそうですよ。人に声をかけるとか、

 勇気出しました。" 」



 " えっと…なんでオレに? "



 ー「 " 珍しくて、つい。空の向こうの誰かを

 ずっと待っているようで…話をかけているような、

 私にも分かる気がしたのです。" 」



 彼が淹れてくれた温かいラテは凄く美味しくて

 ……幸せの味がした。



 好きな仕事をしている彼が

 眩しく見えた。



 ◇ ◇ ◇



 朝に起きる。


 お布団の誘惑から勝った自分が偉い。

 そうだ…。自分を褒めて育てるんだ。


 お父さんの小言が聞こえなくなった

 部屋は寂しいけど、



 考えば……。



 オレはどうやって今まで

 一人でやって来たのか、分からない。



 両親の葬式で死ぬほど泣いて部屋に籠もった。


 親戚からの心配の電話も避け続けて…。



 たまに朝、外を出ると……

 目がチカチカしてて……

 眩しくて……。



 ポロリ涙が出る。


 ……別に泣いてもいいと思う。




 ◇ ◇ ◇




 " お疲れ様でしたー "



 " あっ…… "

 " どうも…… "



 ここでバイトしているのを彼にバレてしまった。



 ー「 " こんばんは。ここで買い物をしてたんです。" 」



 ここでバイトしてるのが恥ずかしい。

 彼は好きな仕事をしてキラキラ光っているのに。



 ー「 " えっと…ご飯、一緒に食べますか? " 」



 彼はなんでオレなんかを気使ってくれるんだろう。

 イケメンで服のセンスも良くて……。





 ....で、オレは今、彼の家にいる。

 一緒に夜ご飯を食べる事になった。



 ー「 " 私、全然自炊してなくて…料理下手なんです。

 何か頼みますか?食べたいものがあれば…… " 」



 " …オレが作っても良いですか? "

 " その…簡単なものでもいいなら…… "



 お父さんが3度の飯は大事だと

 何度も何度も煩く言ってたから、


 流石に毎日三食を食べるのは無理だけど

 簡単なレシピから調べて自分で作って食べたら、

 それが悪くなくて...



 お腹以外にも何かが満たさせる気がした。



 ツナマヨパスタを作った。

 適当に作った特別な料理でもないのに。

 彼は美味しく食べてくれた…。

 嬉しい。



 思わずじっと見ていたら目が合って…

 彼は少し照れたように笑った。



 かわいいー!!



 ◇ ◇ ◇




 " 貴方もゲームするんですね。"


 ー 「 " 大好きですよ。" 」


 " オレもやってるゲームなので一緒にやりたいです!! "

 オレも彼を誘ってみた。



 ー「 " じゃあ、フレンド申請しますね。" 」



 それをきっかけで彼と友達になった。

 彼と一緒にいるとミルクがたっぷり入った

 暖かい冬のココアのように、


 ホイップクリームのみたいに

 ふわふわっと……心地良い。



 ー「 " ごちそうさまでした。美味しかったです。" 」



 " ありがとうです…!!"



 彼と夜ご飯を一緒に食べるようになって、

 料理が好きだと思えるようになった。


 ネットや本のレシピを真似して

 自分のレシピも考えるようにもなった。



 たまにコミュのアイツの事が浮かぶ。

 今考えると……


 オレがちゃんと仕事をして、

 現実を生きる契機になったのは

 アイツのお陰なのかもしれぬ。



 感謝は出来ないけど。

 オレにやった事、100万倍以上回収して

 滅びて欲しい。マジで。



 もう、それなんかより……

 彼が美味しく食べてくれる顔を見るのか

 好きなのだ。



 自分だけの時間が減るのは嫌だけど

 体力が持つか心配だけど、

 料理勉強するか…!!!



 料理関連のバイトも見つけて始めた。

 登る階段をアップグレードしたんだから

 やっぱりハードルは高く、難しい。



 汗ばむ毎日だけど、不思議と

 頭の中は冴えてくる。



 オレも彼みたいにいつか…輝きたい。



 ◇ ◇ ◇




 " 将来…オレと……"



 ー「 " うん?? " 」



 " オレのバリスタさんになって下さい…!!"



 ー「 " これはプロポーズなんですか? " 」



 彼に話す。彼と一緒なら、どこでも

 どこまでも行ける気がする。



 ー「 " 私が宇宙人だとしても信じてくれますか?" 」



 " もし宇宙人だとしても…"

 " 貴方なら尊重します。"


 " 地球に来たのも理由があると思います。"

 " 貴方の話しなら全部聞きたい…!!"



 言葉は伝えるものだ。

 心は言葉で伝えるしかない。



 まだまだ、頑張りたい気持ちだけで、

 現実的に金も無いし。



 でも自分が自分を馬鹿にしたら終わりだ。



 " 貴方に出会えて良かったです…"

 " オレに声をかけたくれて本当に感謝してます。"



 " これからもよろしくお願い…致します!! "



 ー「 " じゃあ。私たち将来の、

 相棒としてよろしくね。"」



 " はいーー!!! "



 彼はオレをバカにしなかった。

 それだけでも胸がいっぱいになる。


 久しぶりに彼と空を眺めて星を見た。

 まだまだ絵描く未来は遠いって分かってる。



 でも夢を大切にしたい。

 するものだ。


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ