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「ただいま」
「お帰りなさい。どうでした?」
「言われた通り、事件の主犯を倒してきたよ」
「それはよかった。
まだ時間がありますし、二人で外出しませんか?」
「別にいいけど…
てか、司祭さんだとわかりにくいから、苺さんって呼んでいいかな?」
「何故私の名前を?」
「水兵長から聞いた」
「そうですか…まあいいでしょう」
そして街に来た…のだが。
「どこに行く?」
「そうですね…あっ」
苺さんはカフェを指差し、
「あそこに行きましょう!」
と俺を引っ張るようにして歩いていく。
「ちょっ…引っ張るな!」
「ご注文をどうぞ…」
「カフェラテとチョコレートパフェをお願いします」
「エスプレッソを一つ」
「かしこまりました」
「なあ…」
「はい?」
「なんでそんな嬉しそうなんだ?」
「大した事ではありません。
外食するのがとても久しぶりなので、それで…」
「久しぶり、ってどれくらいだ?」
「30年くらいでしょうか」
「30年!?」
苺さんは見た限り、20代半ばくらいだ。
なのに30年って…
「そんなに生きてるのかよ…」
「異人はみな、人間から見ればかなり長生きするものですよ」
「じゃ、苺さんはどれくらい生きてるんだ?」
「3000年…程ですね。
司祭としては、まだまだ若い方です」
「はあ…」
全く、桁が違いすぎて話にもならない。
てことは、魔皇になった俺は何年くらい生きられるのだろうか。
その間、異人の争いやら何やらを沈め続けなきゃないのか…
そうしてるうちに頼んだものがきた。
苺さんは、俺でも食べきれるかわからない程でかいパフェを、一人で喜んで食べていた。
甘い物が好きなんだろうか。
こうして見ると、偉大な司祭だとは思えないな…。