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神殿を出て北東の岬へ行くと、1人、暗い夜の海を静かに眺める水兵長の姿があった。
「来ましたね?」
「ん?俺達が来ること知ってたのか?」
「ええ、夢で見ましたからね」
夢で見た…って事は、こいつは夢系の能力を持ってるのか。
「ならわかるでしょう。
キャルシィ、なぜあんな事をしたのですか?」
苺さんが話しかけた。
「勘違いしないで欲しいんだけど、私は悪意はない。あくまでも水兵と、海を守るためにやったことよ。
…あそこの奴らは、山を自分達の物だと勘違いし過ぎなのよ。
奴らが山の木を切り、環境を壊しまくったせいで、川が荒れ、海が荒れてしまった。
話そうとしても無駄だった。
だから、私は皆を守るため、奴らに術をかけたのよ。止めろというのならー」
長が振り向くのを察知し、身構えた。
しかしー
「…奴らをどうにかしなさい」
てっきり襲ってくるんだと思ったんだが…
拍子抜けしてしまったな。
「…それでいいのか?」
「ええ…あなたと戦うつもりはない。彼らと上手く話をつけるなり何なりしてくれたら、私も彼らにかけている術を解く。それで、いいでしょう?」
ずいぶんと素直というか、優しいな。
「そんなにあっさり諦めるのか?」
「夢で見せてもらったのよ。あなたの正体、そしてこれまでの活躍を…。
私は、あなたに喧嘩を売る程バカじゃない。
交換条件、って事でいいでしょ?」
夢、ってのがなんか引っ掛かるが…
まあいいだろう。
とりあえず事件の現場となった街に戻って、海と川の事を考えて開拓するようにとお偉方に伝えて、話をつけた。
会談が終わった時にはもう暗くなっていたので、明日向こうにいく事にして宿に泊まった。
その夜、夢にあの水兵長…
キャルシィさんが現れた。
夢、ってこういう事だったのか。
彼女は嬉しそうな顔で、言ってきた。
「見せて貰いました、ありがとうございます。
彼らは元に戻しておきました。明日の朝には目覚めるでしょう」




