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しばらくは平和が続いた。
異人が何とかっていうような事件が起きる事もなく、俺と苺さんは穏やかに暮らせていた。
まあ、あの一件以降少しずつ魔人を見かけるようになっていったし、うちに時折夜桜達が遊びにくるようになったから、賑やかではあったけど。
そんなある日、久しぶりに事件が起きた。
何でも、北の山間の街の木こりが、みんな眠ったまま目を覚まさなくなってしまったらしい。
現地では奇病とも呪いとも言われ恐れられているという。
だが、実際に現地を訪れてみて、俺と苺さんにはわかった。
これは病気じゃない。誰かに術をかけられているんだ。
色々調査した挙げ句、犯人とその居場所をおおよそ特定できた。
「またか…」
今度の場所は、ニームという街。
行ったことはないが、水兵の街らしい。
「レークといい、どうして水兵ってのは面倒事を起こしたがるのかね…」
「まず行きましょう」
外はまだ日も昇っておらず、真っ暗だ。
「そう言えば、苺さんは何もしないのかい?」
「私は立場上、異人間の揉め事や騒ぎには容易に干渉出来ないんです。
だからこそ、あなたに一任しているんですよ」
「そうか」
ってな会話をしてるうちに、街についた。
「わかってますよね?」
「ああ」
今度の元凶も神殿にいるらしい。
こうしてみると、2年前レークに行った時の事を思い出す。
神殿の奥の玉座の間に、一人の水兵がいた。
彼女はこちらを見て、
「司祭様と、魔皇様ですか…」
と言ってきた。
「あら、よくわかりましたね」
「私の異能を使えば容易な事です。
今回の事件の元凶ですが…」
「あんたなのか?」
「いえ、私ではなく、私の姉です。
今は北東の岬にいるはずです」
「そうですか。
ではすぐに向かいましょう」
一つ、疑問が浮かんだ。
なんで、この子は自分の姉…今回の事件の元凶の居場所を、あっさり教えたのだろう?




