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1章ー5

エルミナの年齢はユーリと同い年の10歳です。


エルミナ・フォン・グランツ。そう名乗った彼女に僕は恋をした。


これは初恋だと思う。その姿を見た時、衝撃が走った。


よくいうビビッときたってやつだ。こうビビっときてハッとなった。


ダメだ…舞い上がってちょっとバカになってるかもしれない。


その声を聴いて、僕はドキドキした。心臓が飛び出そうってこういう事なんだね。


前世の最後では心臓どころか体の中身が全部飛び出ちゃったんだけどね。



年齢は同じくらいかな?なんて考えながら呆然としている僕。


母さんの傍にいたからか僕には気づいていない様子でエルミナ嬢は父さんと挨拶を交わしていた。


頭を下げた彼女の髪、プラチナブロンドのロングヘアーが揺れる。


とても綺麗な髪だ。肌は透き通るように白く、瞳の色はライムグリーン。


妹の菜々美を天使だと例えるならエルミナ嬢は可愛い妖精みたい。


「今日はよく来てくれた。息子のユーリも喜ぶよ」


父さんの言葉に憐憫とした表情を浮かべたエルミナ嬢。


「わたくしは今でもユーリ様の許嫁のつもりです。ユーリ様にお別れなんていいたくありません。ですが…もう助からないと、余命幾ばくもないと聞いています。なので、最後くらいは許嫁として挨拶させて下さい」


…エルミナ嬢。僕、元気ですよ。ここにいます。


「もちろんだ。私達もそのつもりだったよ。しかしね、お別れは出来なくなってしまったんだよ」


おいおい、父さん言葉の選択を間違っていないかな?父さんは元気になった事を驚かないように遠回しに言ってくれてるみたいだけど…。


あぁもう!ほら!エルミナ嬢が凄く悲痛な顔してるじゃないか。あれ、絶対に僕がもう死んじゃったって思ってる表情じゃないか。


まぁ確かに1度、前世も合わせれば2度死んではいるんだけど。



「エルミナさん?そろそろユーリちゃんとも挨拶してくれる?」


母さんの一言に初めてこちらを見たエルミナ嬢。


「マリア様、挨拶と言われましても………ユーリ様?」


元々大きかった瞳がさらに見開かれる。もうまん丸だ。


「えっと、こんにちは。はじめましてユーリです。元気になりました。結婚して下さい」


テンパった。やり直し。


「お初にお目にかかります、ユーリ・フォン・コーリングです。女神様の奇跡のおかげで命を助けて頂きました。」


よし、軌道修正完了。完璧。無問題。


「こちらこそよろしくお願いします。幸せになりましょうね。義父様、義母様からはもう長くはないとお聞きしていたのですが…本当に大丈夫なのですか?」


やり直しは出来なかった。想像ななめ上の反応でビックリした。すでに父さんと母さんの呼び方が変わってるじゃないか。エルミナ嬢の方が一枚上手だった感じだ…。


「うん。本当に大丈夫なんです。女神様が僕を助けてくれたんです」


エルミナにも両親と同じように前世の事は隠して経緯を伝えた。


「女神サリア様に夢の中で助けて頂いたのですね。あぁサリア様!本当にありがとうございます。こんなに嬉しい気持ちになったのはユーリ様と出会えたあの日と今日の2回だけです」


エルミナ嬢は嬉しそうに涙を流していた。


僕の事に悲しんで、僕の事に喜んでくれている。


あぁこの娘と一緒にいたら僕は幸せだろうな。


そう思った時にはすでに行動に移していた。


「エルミナ嬢、僕はあなたを見て一目で好きになってしまったみたいなんです。あなたといると僕は幸せになれると確信しました。あなたをどこまで幸せに出来るのか今のちっぽけな僕じゃ分からない。けれど、きっと幸せにします。僕と正式に許嫁になって頂けますか?」


うわー言っちゃった。こういうのってすごく緊張する。


「フフ。なんなのですかエルミナ嬢って。わたくし…いえ、私の事はエルミナと呼び捨てて頂けないでしょうか?一目で好きになる気持ちは私にも痛いほどよく分かります。私はユーリ様が生きている。ユーリ様のお傍にいられる、それだけで幸せを感じております。もとよりそのつもりでしたが、私は喜んでユーリ様の許嫁になりましょう。どうぞ末永くよろしくお願いします」


そう言うとエルミナは優しく微笑んだ。




その姿はまさしく妖精のようだった。

私は評価が欲しい。できればたくさんの☆を!笑


☆5をつけてくれた方、誰かわかりませんがありがとうございます。むっちゃ嬉しいです。頑張ります(^^♪

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