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1章ー24

祝☆1000ポイント超えました(*'ω'*)

みなさんありがとうございます!総合ポイントが1000ポイントを超えました!!

サツキは僕の秘密を知ってしまった事もあってある意味一番僕に近い存在になった。


落ち着いて考えると、僕のすべてを知ってくれている存在がいるという事は非常にありがたい事だと思う。

いつかは他の皆にも伝えようとは思っている。ただ僕にはまだその自信がない。


僕の目的も僕の夢も、そして僕の罪さえも共有してくれる。

サツキには感謝しかないな。



それにしても、あの発言から後はとても大変だった。


「…運命共同体ですね」


サツキが発したその言葉にカティは激怒した。


そりゃそうだろう。

僕とサツキのやり取りの間、目の前にいたというのにカティはずっと蚊帳の外にされていた。


そしていざ隷属が解けたかと思えば、それまで喋れなかった美少女がいきなり自分の婚約者である僕に対して「運命共同体」とか言い出したのだ。


当然そのあとは怒るカティを宥め、その後激しい質問責めにあった。


カティはサツキの境遇に涙し、僕との関係を質問し、その答えにまた激怒したり…。



それにサツキもサツキで困ったものである。


僕とのこれからに関してカティが質問をした時…


「私は今、ご主人様の奴隷でございます。しかし、私がちゃんと過去を受け入れられた時には、改めて第一婦人の座を頂こうと思っております」


…と、ニコリと可愛い笑顔を浮かべたのだ。


あれは僕でも分かるよ。

カティの心を読んだ上で完全にあおっているんだ。


女の子って怖いね。これでまだ9歳なんだよ?



サツキにもバレた事もあって、この機会にカティには改めて僕の夢を伝える事にした。


僕の夢がハーレムだと…


ハーレムを築いてみんなで幸せになる事だと伝えた。


「なんとなく分かってたわよ。私以外にも好きな女性がいる事くらいね。」

カティは苦笑いこそ浮かべたもののすんなりと受け入れてくれた。


「カティはそれでいいの?」


予想と違うカティの反応に僕は思わずそう聞いてしまった。


ハーレムを作ると宣言した張本人が、こんな発言をするなんて流石に失礼だと自分でも思う。


「いい…とは言えないわ。あたしが一番でいたいとも思う。だけどユーリはあたし一人で納まる器じゃないと思うの。そもそもユーリはお貴族様でしょ?貴族や王族なら一夫多妻なんて当たり前じゃない。それに、あのスキルの事もあるから…正直あたし一人だと大変だろうしね。」


う…それは、ごめん。変なスキル取っちゃったからご迷惑おかけしております。



でも、それは…まだ9歳のサツキには知られたくなかったな。


サツキはカティの顔を見ながら目を爛々とさせていたのだった。






サツキやカティ、それから父さんも交えて今後について改めて話し合う事になった。


父さんには僕が請願で隷属魔法を覚えた事から先程の狂ったように泣き叫んでいたサツキの様子まで全てを伝えた。


「サツキ姫は若い。まだ9歳の子供だからな。時が経過すると共に自然に心も成長するだろう。それまでは我が伯爵家でゆっくり心を癒すといい」


間をおかずそう言った父さんは、やっぱり男前だと思う。


サツキは他国の姫だというだけでも伯爵家が匿う事のリスクは高い。

それに加えて今のサツキは僕の隷属下にある。正真正銘、サツキは僕の奴隷なんだ。


そしてこの国では奴隷は所持でさえ重罪なんだからバレたら伯爵家全体が傾く可能性さえある。


それでも、父さんは即決でサツキの保護を決めてしまった。



こうしてサツキの隷属は長い時間をかけて少しづつ解いていく事になったのだった。





~サツキ視点~


私は昔、王女でした。

優しい父と母、たくさんの兄弟姉妹。

何不自由のない生活を送っていました。


そう、あの時までは。



あれは普段と同じように2つ年上の姉ヤヨイとお茶会をしていた時の事でした。


突然、城から火の手があがったのです。

それも1か所ではありません。何か所も数えきれないほどに。


9歳異のお前が言うなと笑われるかもしれませんが、まだ8歳だった私は何が起こったのかも分からずただ怯えるだけでした。


「とにかく逃げるわよ」


そう言って姉が私の手を引いてくれていなければ、私はあのまま城と運命を共にしていた事かと思います。


姉と傍付きの侍女と共に父王の元に向かいました。


しかし、玉座の間には父と母だった物が無造作に転がっているだけでした。


いえ、悲しくはありません。悲しいと感じる事は今の私には出来ないのです。


ただあの時は姉も私も父母だった物にすがりついて泣いていました。


その後の事は正直あまり覚えていません。おそらくショックが強すぎたのでしょう。

姉と侍女に連れられて王族のみが知っている隠し通路を通り、城を抜け出した所までは覚えています。


ですが、そこからの記憶は朧気です。


ただ姉が最後に私にかけた一言だけは覚えています。


「サツキは私の様にはならないで。幸せになって」と。



その後の事はよく分かりません。傍付きの侍女がどうなったのか、私は何故奴隷になったのか。

これから先考えても答えが見つかる日が来るのかは私には分かりません。


私が奴隷になってから1年、幸か不幸か買い手はつきませんでした。

奴隷としての生活も特に苦しいだとか考えた事はありません。

なんせ深く物事を考えられませんでしたから。


そんな奴隷生活の中で私はスキルに目覚める事になりました。

私の目覚めたスキルは読心。


言葉を話せず、意識も薄弱な私ですがスキルを使用する事は出来ました。

きっと私の中に誰かと繋がりを持ちたいという気持ちが残っていたからではないでしょうか。


そう考えると素敵なので、私はそう思っています。



そして、そんな私にも転機が訪れました。


それは言うまでもありません。ユーリ様との出会いです。


盗賊に担がれた私をユーリ様は助けてくれました。

そんな時でも私は感謝するでもなく、ただいつものように心を読みました。


…あたたかかった。


そう、ユーリ様はとてもあたたかい心の持ち主でした。


何の邪念もなく、ただ偏に私を助けようと守ろうとしてくれていました。

私は奴隷にあってから初めて感情の揺らぎを覚えました。


ユーリ様に興味を持った私は一緒に行動する間、ずっとユーリ様の心を見ていました。


本当に優しいお方でした。

私の事、家族の事、許嫁の事、カティさんの事。出会ったばかりのコゼット様の事まで。


ただ()()()()()()はいつも周りの皆様の幸せについてばかり考えておられました。



私はこの優しい心と共にありたい。

彼が皆さんを幸せにする事を望むのなら私は彼を幸せにしてあげたい。


そう自然に思う事が出来ました。いえ、その様に心の在り方が変わったのです。


今はまだ年若く、自らの過去を受け入れる事も出来ません。


しかし、いつの日かお傍に侍る事を楽しみにしております。




お慕いしていますユーリ様。


いつも応援ありがとうございます。

ブクマや評価がまだの方がおられましたら何卒よろしくお願いします(*'ω'*)

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