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1章ー22

いつも応援ありがとうございます☆

皆様のおかげで本日3万PVを突破しました~(*'ω'*)


これからも更新しますのでお付き合い下さるとありがたいです!

ブクマや評価、感想、レビューなんでもお待ちしています!

「じゃあ偉い人に来てもらえたり命令してもらえたらいいんだよね?」


僕がそう言うとアニゾフは怪訝な顔をしながら首を傾げた。


「あ?お前みたいなガキが何を言ってるんだ?おい、お前ら早くその嘘つきのガキと後ろにいる優男、それからうちのゴルゾフに罪を着せようとしている赤髪の冒険者を捕まえろ!」


周囲の冒険者に命令するアニゾフ。

しかし先ほどの僕とゴルゾフの戦いを見ていたからだろうか、誰も僕らの捕縛に動く者はいなかった。


「くそ!じゃあ俺が直接ぶち殺してやる!」


その時、身を乗り出すアニゾフとついでに僕に向かって火の玉が飛んでくる。


「わぁ!カティ危ないよ!僕に当たるじゃないか!」


「ユーリ君はいいのよ!避けちゃうんだから簡単には当たらないから」


カティは小さく舌を出す。…ちょっといたずらっ子みたいな表情のカティも可愛い。いたずらされてみたい!


「あたしが許せないのはあいつの発言よ!あいつ…確か、アニゾフだっけ?誰が誰を騙したって言うのよ!ふざけるんじゃないわ!こっちは死にそうになったし、他の人はたくさん死んじゃってるのよ!?」


いよいよ抑えきれなくなったみたいで激高するカティ。


「それはお前が勝手に言っている事だ。責任ある立場や社会的信用のある人間しか自分の正しさを訴える事は出来ねぇんだよ!お前にはその力がねぇんだから黙ってやがれ、このゴミ冒険者が!冒険者なんてやめて商売女にでもなるんだな!」


確かにカティは可愛くて美人さんだから娼婦になっても人気は出るだろうね。でも…。


「あんまり僕の婚約者をいじめないでくれないかな?黙らないと…殺すよ?」


そろそろその汚い口を閉じさせないと、僕も自分を抑えきれなくなりそうだ。


「あぁん?ガキの分際で何が殺すだっ…ぐぁぁぁ!」


腹に軽く1発。


床をゴロゴロと這いまわるアニゾフ。


「だから黙らないと殺すって言ってんじゃん?」


痛みがひいたのか心なしか引きつった表情のゴルゾフが黙って起き上がる。


「そうだ。喋るなよ?僕は怒ってるんだよ。カティは僕の婚約者だ。これ以上バカにする事は許さない」


喋らなくなったアニゾフの代わりにベルナさんが僕に問いかけた。


「あのユーリさん?婚約者…という事は、もしかしてユーリさんは平民ではないのですか?」


そう基本的に婚約者を決めるなんて平民ではしない事だ。

極稀に大商人などが行う事もあるが、それも結局は貴族の真似事に過ぎない。


「はい、僕はコーリング伯爵家三男ユーリ・フォン・コーリングですよ」


そう言った瞬間、周りの空気が変わった気がした。


関わらなくてよかったと安堵する者、金蔓を見つけたとほくそ笑む者、玉の輿を狙う者、そして先の未来に絶望する者。


でも、絶望はまだまだ続くんだ。むしろまだ始まってもいない。



「さっきも言ったけどカティは僕の婚約者だ。この意味は分かるよね?僕や彼女を正当な理由なく断罪するような事があれば、不敬罪も適用される事になる」


顔色が青くなるアニゾフ。


「それから紹介が遅れたんだけど僕の後ろにいる男性はね。父さんなんだ」


ベルナさんが恐る恐る質問を重ねる。


「それじゃあそちらにおられるお方は…・」


父さんは厳しい視線でアニゾフを見る。


「俺がコーリング伯爵家当主、カイン・フォン・コーリングだ。なんだ、知らずにうちの息子を貶してくれていたのか?」


アニゾフはガクガク震える体を止められすにいる。滑稽だな。


「あぁ伯爵家のご家族様方とは露知らず、無礼な発言の数々お許し下さい。ゴルゾフは俺・・いや私の方でしっかり冒険者登録の抹消も含め、処分を言い渡します。」


あらら、喋るなって言ったのに。まぁいいか、これがギルマスとして最後になるんだろうしね。

それにしても父さんが出てきたら話が一瞬で終わっちゃったよ。

さすが権力者は違うね~。それに父さんはやっぱりカッコいいよな。


僕も早く成長してああいう大人になりたいもんだよ。


「あ~処分の事はいいぞ。後任のギルマスの初仕事に丁度いいからな。」


アニゾフは突然の話について来れないようで混乱している。


「それはどういう事でしょうか?いくら伯爵様とはいえ、他領のギルマスの解任や後継指名は出来ないと思うのですが…」


混乱しているアニゾフに代わり、またもやベルナさんが答える。

この人、本当に仕事が出来る人だな…


「それは簡単な事だ。ちょっと待っててくれるかな?手筈通りならそろそろ帰ってくるはずだ。侯爵のじじいがな。」



その時だった。数人の騎士と共に50歳程に見える男性が扉を開けて入ってきた。


「グゥハハハハ!儂が来たからには、もうこの話はしまいじゃ!すまんなカイン、一度家に寄ったから遅くなってしもうたわ。コゼットが話を聞けと離してくれんでな。」


のっけからハイテンションだ。チラリとなぜか僕を見る侯爵様。

僕は疑問に思いつつも深くお辞儀をする。


「侯爵様!この度はどのようなご用件だったでしょうか?今は少々立て込んでおりまして…」


ベルナさんも周りの冒険者もみんな平伏している中、このままではまずいと思ったのかアニゾフが侯爵様に低姿勢で話しかける。

この人、相手が相手だとこういう話し方も出来るんだね。


「いや、いいんじゃギルマスよ。いや元ギルマスと言った方が良いかの?もうすでにお前のギルマスとしての権利は剥奪しているのだ。後任も明日にはここに就くだろう。」


「侯爵様!!どういう事ですか?俺はまだ何もしていないんですよ?そんな横暴は認められません!」


慌てて自己弁護をするアニゾフ。


「今回の事は氷山の一角ということだ。わしが知らんとでも思っておったのか?」


しかし、流石に侯爵様は一枚上手だった。




侯爵の話を要約するとこうだ。


まず、昨日の事件と同じように新人冒険者が犠牲になる事件が最近になって多発していた。


そして昨日の事件のあらましを父さんからの手紙で知った侯爵様は、夜中のうちに他領の本部に向かって出発したらしい。

話を聞いたグランドマスターは夜中であるというのに迅速に後任指名まで行ったそうだ。

流石に侯爵が自ら出て訪問してきたら断れないよね。グランドマスターも可哀そうだな。


そして侯爵様は休む事もなくそのままトンボ返りしてきたそうだ。



ちょっと信じらっれないくらいにアクティブな人だった。



元から疑われていた事もあり、しっかり調べれば不正が出るわ出るわ。

アニゾフの不正は判明しているだけでも、ゴルゾフのⅮランクへの不正昇格や事件のもみ消し、自身もギルドの資産を横領していた疑惑まであるという。


これから余罪について詳しく調べられる事だろう。


「まぁこれだけあればギルマスの除名も当然だね。それだけで終わる話だとも思えないけど…」

当然これからキツイお仕置きタイムが待っている事だと思う。


「くそ!俺は無実だ!横暴だぞこんな事は!?このクソガキめ絶対に許さんからな!いつか殺してやる!」

諦めの悪いアニゾフは僕を睨みつけるが、自業自得だ。

もし直接今後逆恨みで僕を狙うというのなら僕は絶対に許す気はない。


「ギルドマスターとその弟を連れていけ!これから先は尋問と裁判の出番じゃ。せいぜい処刑されないように真面目に話すんじゃな!」


アニゾフは最後まで抵抗を続けたが、騎士に囲まれた状態で何かが出来るわけもなく騒々しくも粛々と連行されていった。



連行を終えるとダリル侯爵はパッと振り返り僕を見た。


「この坊主がカインのガキなのか?扉の前でこそっと見ておったが10歳とは思えんくらい強いじゃないか。それにカイン、お前と違って覇気があるわい。」


おい!この侯爵のおっさん外で見てたのかよ!やけにタイミング良く現れたはずだよ!


「ええトンビが鷹を生んだとでも言うのでしょうか。この子は将来、この国にとって欠かせない存在になるかと期待しております。」


「ほう、お前がそこまで大言を吐くのは珍しいな。おい坊主、名前はなんという?それからお前は将来何を成すつもりだ?」


さすがに侯爵はオーラがあるな。この質問も本来は何か深い意図があるのだろう。

それこそ未来の国に必要な存在かどうかを計るような。


でも、僕には深い意味なんて関係ないな。


だって僕の目指す夢は…



「僕の名前はユーリ・フォン・コーリングです。僕は将来たくさんの愛する人に囲まれて幸せに暮らすつもりです。僕の目指すものは世界で一番幸せなハーレムを作る事です!」


父さんは苦笑いを浮かべている。

カティは口元を抑えて目を吊り上げる。


…あ、まだカティに言ってなかった。後で絶対に怒られるよ…あぁ今すぐにでも逃げだしたい。


「ガハハハッ!ハーレムが夢か!儂も若い頃には夢見たもんじゃ。案外いい夢かもしれんの!だがな、それを成すためには人間としても男としても一流にならんといかん。中々に難しいぞ?それでもやるか?」


ダリル侯爵は嬉々として質問してくる。


「やります。どんな苦難が待ち構えていようとも絶対にハーレムを作ります。そしてハーレムの皆と一緒に幸せになります!」


「そうか。その意気や良し!!カインの息子なら儂も納得じゃ。ならば、うちの娘もくれてやる。もっていけ!」


はい、もらいうけます…っておい!そんな物みたいにポイっと渡すもんじゃないですよね?


「あの…娘様というと、どちらの…?会った事もないので遠慮させて頂く事は出来ますでしょうか?少しでも人となりを知っていれば断る事などなかったのですが、さすがにお会いした事がない方とそういう関係になるわけには…。」


ん?ちょっと待てよ?ダリル侯爵家に行った時に熱いベーゼを交わした相手がいたような…


「我が娘コゼットをお前にやるぞ。二人は口づけも交わしたと娘より苦情…文句…報告も来ておるんだ。第一。他の男と口づけを交わした娘を他家の貴族が嫁に欲すると思うかの?諦めるんじゃ」



もしかしてあの質問はこの為の…。くそ、はめられた!



僕の意思とは関係なく婚約が決まりそうだ…。



まぁコゼットは未だに婚約を知らない所か、僕を呪う準備をしているんだろうけどね。

ブックマークと評価をお願いします☆


たくさんの人に読んでもらうには現在の所、ランキングを上げるしか思いつきません…。

せっかくの作品なのでたくさんの人に触れて欲しいです!

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