1章ー20
今回は少し短めで2000字程度です!
どれくらいの長さが適切なのか分かりません。試行錯誤ですね。
それから昨日の更新でPV最多を更新しました!いつも見てくれてる皆さんのおかげです!!
先程、華麗にフラグ回収を果たしは僕は、父さんと一緒に領主の館から馬車まで戻ってきた。
「ユーリあまり気にするな。ああなってしまった物はしょうがない。さっきの事は早々に忘れるんだな。あちらも大事にはせんだろう、そろそろ冒険者ギルドに行くぞ!」
父さん、忘れろって言っても僕はあの唇と手の感触を忘れられそうにないよ。
「おかえりユーリ君、何をしてきたの?なんだか邪な感情が顔に出てるわよ。」
帰った僕(ついでに父さんも)を出迎えてくれるカティ。
なんだかすでにバレかけている。解せん。
「もう!どうでもいいけどこーんなに可愛い婚約者をほったらかしにしたらダメなんだからね!?サツキも何か言いたい事ある?」
サツキ姫は僕から目を離す事なく穴が開く程にジッと僕を見ている。
「……。」
僕も見つめ返してみよう。………やっぱりサツキ姫は愛らしいな。可愛い。こんな子がお嫁さんになってくれたらなぁ。
「…!?」プイッ
あれ?サツキ姫がそっぽを向いてしまった。どうやら睨めっこは僕の勝利だったらしい。
この態度、なんだか気になるなぁ…。
「おい。遊んでないで全員馬車に乗れよ~もう出るぞ~!」「「はーい」」
それから暫くすると僕らを乗せた馬車は大通りの一角で止まった。
目の前に大きな建物が見える。
看板を見てみると『冒険者ギルド:シュミット支部』とある。
どうやらここが目的地で間違いないみたいだ。
さすが領都のギルドだけあって規模が大きいな。
今から乗り込む訳だけど、ここから先は何が起こるのか僕にもはっきりとした事は言えない。
もしかしたら暴力沙汰になるなんて事もありえる。
僕はサツキ姫に向き直る。
「サツキ姫はここで待っていてくれないかな?ギルドでは何が起こるか分からない。人も大勢いるからサツキ姫の存在をあまり見られたくないという事もある。馬車の中だったら安全だと思うんだ」
こんな小さな子を傷つけたくない。守ってあげたいんだ。
「……。」コクン。
サツキ姫は頷くと馬車に戻っていった。
よし、これで憂いはない!
僕たちはサツキ姫を残し、父さんを先頭にぞろぞろと建物に入っていく。
しかしギルドにいる人達は誰も僕たちに注意をむける事はなかった。
それもそのはず、受付の前に何やら騒がしくしている人がいる。
ギルドの連中はみんなそちらに注目しているようだった。
「だから何度言ったら分かるんだ?俺は被害者なんだよ。あの赤髪のガキがゴブリン共に突っ込んで勝手に死んじまっただけだ。」
どこかで見た事のある大きな男の冒険者が大声で受付嬢に詰め寄る。
「そうだとしても、あなたは新人冒険者を指導し守らなければいけないという契約です。あなたに瑕疵があることを認めて下さい。」
青髪のショートカットがよく似合うお姉さん風の受付嬢(美人)さんは冷静に言葉を返していた。
あんな人に怒られたりしたら癖になりそうである。
「俺には瑕疵はねぇ。むしろ仲間までやられた俺が被害者なんだよ。最後まで1人で戦った俺を称えやがれ!」
説明しなくても分かるだろうが、例のあいつだ。
僕は今にも飛び出しそうになっているカティの腕を掴み、口を塞ぐ。
これってちょっと犯罪的だよね。
「ちょっと待って。ここは父さんと僕にまかせて」
カティはもの凄い表情で僕を睨んだ後、諦めたように首を頷かせる。
「わかったわ。ここはあなたに譲る。あたしじゃ上手く出来ないだろうし。…でも、貸し一だからね」
カティへの貸しは返すのが大変そうだな…。
今度、何か請願でプレゼントを贈ろうかな。それともデートでもする?
あ…まだ初デートしてないや…。真面目に考えないとね。
カティの了承も取り付けた事だし、交渉開始といきますか。
「あのスイマセン。そこの大声のおじさん、少しどいてもらえますか?受付のお姉さんに話したい事があるんですが。」
僕が声をかけると横柄な冒険者はこちらを向いた。
「あぁ?なんだこのガキは!俺様はⅮランク冒険者ゴルゾフ様だぞ!気安く話しかけてんじゃねえぞ!」
そこにすかさず受付嬢が割って入る。
「すいません。ゴルゾフさん、緊急の依頼の可能性もあるので先にこの子の話を聞かせてもらいます。それで、本日はどのようなご用件でしょうか?」
ゴルゾフは話の腰を折られた事で立つ瀬がない様子。
顔を真っ赤にして何やら怒り叫んでいる。ざまぁみろ。
「今日の要件ですが、昨日の午後に起こった森での事件についてお話させて頂こうとまいりました。」
受付嬢は怪訝な表情を浮かべる。
「事件ですか?森というと隣領コーリング伯爵家との間にある森の事でしょうか?」
おぉ!この受付嬢さん、やっぱり出来る人のニオイがする!
「そうです。そこで昨日ゴブリンが少し大きめの群れを作っていたのはご存じですか?」
「ええ、ちょうど今話を聞いていたゴルゾフさんが話していた内容と一致するところがありますね」
「はい。ゴブリンが群れていたんです21匹も。そして…これがそのゴブリンの21個の耳。討伐証明です。」
そう言ってゴブリンの右耳を21個取り出す。隣で聞いていたゴルゾフは目を見開いている。
「おい、そいつは嘘をついてるぜ。こんなガキがあの21匹もいたゴブリンを狩れるわけがねぇ!」
お、こいつバカだ。まだ話を振ってもいないのに、勝手に詰まれにやってきた。
と言うかすでに詰んでるよね。
「あれ?21匹いた事は認めるんですか?僕がゴブリンの数を21匹だったと正確な数を知っているのは何故だと思いますか?」
「そりゃ誰かに聞いたとか、色々あんだろ…」
言葉を濁すゴルゾフ。
「答えはですね。僕ってあの場所にいたんですよ。茂みに隠れてね。訓練の真っ最中だったんです。だから…全部見てるんですよ。誰かさんが勝手にゴブリンに挑んだ上、負けそうになって新人冒険者を生贄として置き去りにして一人で逃げた所を。」
話を聞いて冷たい目でゴルゾフを睨む受付嬢さん。その目で一度見つめられてみたい。
あれ?そういや最近、僕の変態性増してきてない?
「嘘だ!俺は一人で最後まで戦ったんだよ!そして皆死んじまった。この野郎う!どこのガキか知らねえがふざけた事をぬかすんじゃねえ!」
声を荒げるゴルゾフだったが、周囲からの視線は冷たい物だった。
「くそ、そうだそれだけ言うなら証拠を持ってきてみろよ!そうだなぁ…あの事件の生き残りでも連れてきてみやがれ!出来ねぇだろ?皆死んじまったしなぁ!」
ゴルゾフは勝ち誇った顔でこちらを見てくる。
ハハ…今からその表情が絶望に変わるのが楽しみだよ。
「いいですよ。連れてきましょう。」
「は?へ?ハハハ。出来もしない事を。だからガキは困るんだよ!出来るってんなら今すぐここに連れてきてみな。」
はぁ、そろそろ終わらせようか。
「カティもう出てきていいよ」
ここからはずっと僕のターンだ!!
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