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序章2

文章書くのって大変ですね。作家のみなさんを尊敬します☆

では、2話です。

菜々美は去年まで俺が通っていた海南中学に通っている。

中高一貫校な為、高校にあがった俺と今日もこうして一緒に登校している。


一緒に登校するのは正直とても嬉しい。

この幸せがずっと続けばいいなんて冗談抜きで考える事があるくらいだ。


しかし学校が同じだとちょっとした弊害もある。学校で目立つ行動をとるとすぐに気づかれてしまう事だ。妹の友達から俺の変な噂が伝わると非常にまずい。



あれ?そういや菜々美の友達って見た事はあるけど喋った事とか一度もないな。


「菜々美は俺と登校する以外に待ち合わせの約束とかしてる友達いないのか?」


ふと気になり問いかける。


「ん~そりゃ友達はいるよ?でも今はお兄ちゃんと一緒がいいかな?」


俺は妹が大好き…超好きなので思春期なお年頃ではあるのだが妹離れはしない。

こんな調子で妹もなんだかんだ兄離れは遠いみたい。




「あのねお兄ちゃん…。朝にね、いつまでも世話は焼けないんだよとか…そんな感じの事言っちゃたよね?だけどお兄ちゃんってまだまだダメダメだから…もうちょっとくらいならお世話焼いてあげてもいいからね?」


ツインテールをそっと揺らしながらそう強く主張してくる妹。

マジ天使。ツンデレ天使。



「迷惑じゃなかったら明日からもよろしくな。ん~でもダメダメな兄だと思われ続けるのも嫌だな。もっと頼り甲斐のある兄路線で一人でも起きられるようになった方がいいのかな~なんてちょっと思ったり。」


ん?軽い冗談で口にしてみたものの確かに悩む。これは路線変更も必要か!?



「もう、なんで伝わらないのかな!?いいの!お兄ちゃんの事は明日も私が起こすから!!」


妹がぷりぷり怒った様子でフグのようにパンパンに頬を膨らませる。

…その頬突ついてもいいですか?だめですね。すいません。






『ウゥゥゥゥゥンンン』






そんな普段通りの風景の中、突然それは現れた。

俺の方を振り向きながら会話に夢中な妹は気づいていない。


妹の後ろから大きな音と共に猛スピードで近づいてくる1台のトラックを俺は目にした。




その瞬間、すべてがスローモーションのように見えた。




「菜々美っ!!!」




とっさの事にうまく体が動かなかった。

少しでも動けと必死に脳を動かす。



必死に体を動かす。菜々美のいる方向へ。


必死に腕を伸ばす。菜々美に近づくように。


必死に手を伸ばす。菜々美に届くように。


必死に指を動かす。菜々美が助かるよう願いながら…。






よくある映画やドラマ、漫画のように颯爽と華麗に助ける事は残念ながら出来なかった。


ただ菜々美をトラックの車線上から押し出す事にだけは成功した。俺はやり遂げた!






……そして。俺は死んだ。






……………………………………



「やぁ、起きたかい?僕は神だよ」




目を覚ますとそこには笑顔の少年がいた。いや青年?老人?何にでも見える。そんな存在に声をかけられた。




「え?あ、はい。おはようございます。ところであなたは誰なんですか?俺は今日も菜々美に起こされる予定だったんですが……そうだ!菜々美!菜々美はどうしたんだ!?確かトラックが突っ込んで…俺は必死に手を伸ばしたんだ…多分届いたはずだ!ねぇ君、菜々美はどこにいるんだ!?」




そう問いながらも周囲を見回すと一面真っ白の空間。

ここには菜々美も、さっきの暴走トラックも、それどころか空さえもなかった。

何もない真っ白い空間にいる。それを今、改めて認識した。




「起きて早々元気だね君は。自分の現状より妹の方が気になるなんて君も大概、狂ってるね。そんなに妹が好きなんだね。人間の中ではシスコンなんて言うんだっけ?」


皮肉気に、楽し気に話す神のようもの。




「そんな話はどうでもいいんだ。菜々美はどうなっている?分かるならお願いだ!説明して欲しい」


状況が見えず思わず神に詰め寄る。




「あぁ妹なら大丈夫さ。まぁあれだけの事故だからね、無傷とはいかなかったみたいだけど死んじゃった君と比べたら大した事じゃないよ。ちゃんと地球で生きているよ。今頃は君が突き飛ばした時に擦りむいた傷なんかの処置で病院に行ってるよ。」


神は笑顔でそう答えた。


「よかった。本当に俺の手が…指が届いていたのか不安だったんだ。…ん?俺、やっぱり死んでる?」


まぁこんな白い空間に神っぽい存在がいるんだから、うすうすは分かってたんだけどね…。




「そうだよ君は死んじゃったんだ。盛大に吹っ飛んでたよ。手も足も逆向いちゃって目玉なんかも、どこかに行っちゃた。君にも見せてあげたかったよ。」


自分の死に様なんて誰が見たいんだよ。性格悪いなこいつ。



「ただそのおかげで妹は大丈夫だったんだろうけどね。本当はあの事故で妹の方が死ぬ運命だったんだよ。それを君が助けて代わりに死んじゃったわけだよ。あー同情するよ。本当は死ななくて済んだってのに実に災難だったね」


にやりと笑う神。



「よかった死んだのが俺で。菜々美が助かってくれて。」


本当によかった。菜々美が助かっただけで俺が死んだ事にも意味があったんだと思う事が出来る。




「おいおい…よかったって凄く切り替えが早いじゃないか君は。ふつうはもっとあせったり妹の代わりに死んだことを悔やんだりするもんだと思うんだけど…。」


俺の中では妹が一番だ。菜々美が助かるのなら俺の命くらい文字通りくれてやるさ。




「まぁそんな君だから彼女に選ばれたのだろうね。」


神は呟く。


「彼女?選ばれたってどういう事?」


何に選ばれたんだ?『天国開催!死に顔選手権代表』みたいな?




「死に顔選手権ではないんだけど……簡単に言うと異世界への招待?転生?新しい生活みたいなやつかな」


神のドヤ顔がうざい。誰かチェンジして下さい。



「え?死んだのに異世界に連れていってくれるんですか?」


異世界ってあの小説とか漫画とかに出てくる。冒険とかドラゴンとかハーレ…なんかの異世界だよな?




「そうだよ。その異世界さ!さっきもちょっと言ったけど君は本来死ぬ運命にある人間じゃなかったんだ。それにね『死んだ理由が妹を助けるためだなんて素敵だわ!!』と転生先の世界の女神が君を偶々見つけちゃてね。気に入ったから転生させちゃおうかって感じで盛り上がっちゃったんだよ。…いい加減、ここからは君が話してくれよ。僕はチェンジらしいから。」



神?がそう話すと神のすぐ横の何もなかった空間にいきなり強い光が現れる。


暫くして光が消えるとそこには女神がいた。まさに女神。

綺麗とか可愛いとかではなく存在からして違う。もう女神としか言い表せられない。



「あら、ありがとう。褒めてくれてるのね?嬉しいわ」




女神の声も女神そのものでした。もうマジ女神。

でもさっきから俺は声を出していないはず。考えている言葉にまで答えられている気がする。




「それはそうだよ。なにせ神だからね。神々が持つスキルの一つさ」


神が偉そうに言う。そっかー神スキルか~じゃあしょうがないよね。

心の中で少しバカにしてしまったけど……心の中ではさんざん神?とか思ってたけど許してください。




「人間の考える事になんてボクは興味がないからね。もともと気にしてないよ?さっきも言ったけど君に興味があるのはこっちの世界の女神様さ。女神も光ってるだけじゃなくて、そろそろ話進めてよね。」




「では、改めましてわたくしが女神のサリアです。わたくしからお話をさせて頂きます。」


女神様はサリア様とおっしゃるそうです。とてもお綺麗な名前です。お胸のこぼれそうな程にたわわです。…すいません。謝りますからサリア様、睨まないで下さい。


「……。転生と言っても赤ん坊からの生まれなおしは辛い日々になるかと思います。なので、こちらの世界で亡くなったばかりの体に祐輔さんの魂を入れて両方の記憶を受け継ぐという形での転生を行おうと思います。」


ん?なんで赤ん坊だと辛いんだろう?


「それはですね、赤ん坊は喋れませんし食事も自分ではできません。排泄なんかも出来るまでは他人の世話になることでしょう。あなたにとってそれは辛い事ではありませんか?」


…それは辛いわ。控えめに言って地獄かも。


「はい。それでですね転生先は貴族、それも伯爵家の3男で10歳。ある程度の自由は保障される身分かと思います。あちらの世界では送る事の出来なかった人生の分も新しい世界を謳歌して下さい」


伯爵かぁ~確かそこそこ上の方の爵位だったよな。しかも3男だったら跡を継ぐ必要もないだろうし…。



「色々ありがとうございます。何かとてもいい条件みたいですね。…ダメ元で聞くんですけど、死んじゃったからもう妹の元には戻れないんですよね?」


菜々美のそばに帰れないのか一応聞いてみる。まぁ答えは分かってるんだけどね。


「そうですね。あちらの世界の体はばらばら……。修復が出来ない状態なので祐輔さんが菜々美さんのいる世界に戻る事はできませんね」


やっぱりダメだった。菜々美…。俺の分も日本で幸せに暮らしてくれよ。お兄ちゃんは新しい世界で生きていくよ。


「そうですか…決めました!新たな世界どんとこいです!連れていって下さい。」



気持ちを切り替え新しい世界での生きる目標を考える。

今までは妹がすべてだった。妹の為に生きていくつもりだった。

でも、それが叶わないのなら…



「前世での叶えたかった夢はありませんか?あなたの新たな生はまだ始まってもいないのです。夢を叶える事も可能かもしれませんよ?」


女神様が優しく微笑む。




「そうですね…どうせなら新しい世界を楽しみたいです!前世で小さくて…でも叶えられない大きな夢があったんです。地球の日本という国では絶対に叶えられない、叶えてはいけない夢が。」




そうだ。俺は冗談で口にしていた。けれど…小さい頃から不思議と願っていた夢があった。日本では叶えられない夢。叶えてはいけない2つの夢。




「決めた!俺の来世での目標!!新しい世界でハーレムを作る。そして誰よりも幸せになるよ。それが俺の夢。叶えられるように頑張るよ。素敵な出会いが得られるように。何より大切な妹に自慢できるような幸せな日々を送る。これからの人生は…はっちゃけますよ!!」






そう夢はハーレム!!俺が叶えたい夢は2つ。でも願いは1つだけ。








もう1つの夢は…今までも、そしてこれからは永遠に叶えられなくなってしまったんだから…。






…………………………………………



~神々の間にて~




「ねぇ?あれ伝えなくていいのかな?彼にあげた特別なスキルの事とか、そのスキルを使えば…彼が言わなかったもう1つの大事な願いも叶えられるって事とか…。」




そう心配そうに語る女神。




「いいんだよ。スキルの事は転生しちゃえばすぐに気づくだろうし。もう1つに関してはそれはそれでおもしろそうだからね。」





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[良い点] Twitterから来ました。 内容は面白く、ここまでしか読んでいませんが主人公がどうなっていくのか楽しみです。 文の構成もスラスラと読めるものになっているかと思います。 [気になる点] …
[良い点] ツイッターの企画から来ました。ひとまず序章の感想です。 ・読みやすく ・わかりやすく ・続きを読みたくなる 素晴らしい序章です。次作を書く際には参考にします。 [一言] お礼に★5つけ…
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