努力も水の泡
望まれていない事を、好く見せようとする組織は大抵は恥を曝していくことになる。
例えば、失言であったり、それに繋がるような人の心が解らない発言であったり。
例えば、運営の稚拙さであったり、口先だけで心に響かない発言や演出であったり、演出家の人選ミスであったり、忖度で好き勝手に振舞わせたり。
そんなものは始まる前からも、始まってからも恥の見本市だ。
どれだけ人を馬鹿にし、貶めて、屈辱的な言動を繰り返せば気が済むのだろう。
わたしたちは理想を語りはするし、綺麗事は口にしても、否は口にしないのだ。たとえ何があっても。
影響力が多少なりともあるから言動に気をつけたり、何かあれば呼びかけをするけれど、否の場合は自分には―― 自分一人が何をしても言っても影響力はないと口を紡ぐ。辞退もしない。
パンドラが開いた箱の中には厄災が詰まっていて、パンドラが箱を開いたから厄災が溢れ飛び出した。そして残ったのが希望だった。
厄災が詰まった箱なのに? 何故、希望を良い意味で捉える?
希望など絶望への飛び込み台でしかない。理想、夢、願い、祈りが高ければ高いほど効果を最大限まで発揮していく処刑台だ。希望なぞ最も質の悪い厄災でしかない。
「ねぇ、お姉ちゃん」
「何かしら?」
「さっきから厨ニっぽいポーズで至極最もの様に語ってるけど、要はお姉ちゃんが携わっていたゲームがとうとうサ終せざるを得なくなったってことだよね」
「うん……」
あれだけ苦心してきたゲームがとうとうサービス終了かという瀬戸際に立っている。否、サ終は決定しているだろう。だが、その前に未実装で実装や再ピックの要望が高かったキャラを出しに出して廃課金ユーザーからは更に、高課金ユーザーを廃課金に、中課金ユーザーを高課金に、微課金ユーザーを中課金に、無課金ユーザーを中課金ユーザーにしてからサ終するはずだ。
「立ち上がったりは―― 配信当時は良かったんだけどねぇ」
ゲーム配信者や人気のヴァーチャルアイドルがプレイしてくれたり、他のプレーヤーから良いと勧められて始めたユーザーが多かった。3ヶ月くらいは盛り上がっていた。
だけど、一つの懸念があった。ゲーム配信者やヴァーチャルアイドルの影響力を頼って良いのか、と。
ゲーム配信者は新しいゲームを配信するものでもあるし、ヴァーチャルアイドルは他の活動配信もある。
時間泥棒なゲーム要素なだけに、時間があるであろう廃信者しか残らないのでは? その頃には新規ユーザーとの差があり、新規ユーザーの獲得が難しい一見さんお断りの様なゲームになっていった。
また、ガチャも廃信者向けになっていて、続けている微課金、無課金プレーヤーはガチャ石配布も渋く置き去りにされていった結果、飽きられた。
それでも、わたしたちはロードは短く、バグはなるべく少なく、速やかに修正するべく――
「頑張ったんだよ」
「うん。知ってるよ」
ストーリーも半端だし、続きラノベで出ないかなぁ。
「アンチも増えて炎上したんだし出ないんじゃない」
でも、シナリオも最低最悪、DLCも不発、開発費も回収出来なくて大爆死炎上し続けてたゲームがノベル出したし、別ナンバリングの続編改悪ノベルも出てるよ?
「出せるだけのメーカー? たまたまキャラと声優さんのおかげと、配信してくれたプレーヤーのおかげで特大飛距離、角度の初球ホームランが打てただけでしょ」
あとは打球が速ければ着弾もそれだけ速いでしょ――と紗羅ちゃんはクールだ。吸い飲むタイプのバニラアイスを食べてるからじゃないよね?




