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十二闘士の継承者  作者: イヴ
第一章 炎の闘士・カオス
8/13

覚醒



―――西の森にある遺跡が大きく振動する。

まるで、何かに呼応するかのように。

森に棲む精霊たちの反応し、次々にその姿を現す。

そして、遺跡の中央に立つカオスの石像に罅が入る。


次の瞬間、石像が音を立てて崩れ落ちた。


その崩れた場所から紅い光が解き放たれ、遺跡を飛び出す。

紅い光は森を抜け、戦艦へと直撃する。

その直後、光は紅い炎に変わっていった。

その炎は、他の兵士たちには目もくれず、ただ一人だけを優しく包み込んでいく。


「な・・・何だ!?」

「一体何が・・・!」


兵士たちは驚き慌てふためく。

その状況を、仮面の男だけが冷静に見ていた。

爆炎により、クゥを捕らえていた檻も破壊される。


「のわっ!」


いきなり宙に放り出されたクゥは、慌てて空中で体勢を立て直す。

そして、集まった紅い炎をじっと見つめた。

まるで生き物かのように蠢く炎。

いや、それは確かに意志を持っていた。

ある一つの意志を持って、一人の少年を包み込んでいた。




       ✤




凄まじい炎の中、アレンはその渦の中心にいた。


(この炎・・・熱くない・・・)


周りに放たれた炎に触れるが、焼けるように伝わってこなかった。

むしろ、それはとても暖かかった。


『―――少年よ』


再びあの声が聞こえる。すると、炎がアレンの前に集結し形を作った。


「お前は・・・」


目の前に現れた姿に目を見開く。紅い装甲に、獣人のような姿、背中に二枚の炎の翼―――。

そこにいたのは、遺跡の中央に立っていた石像そのものだった。


「炎の闘士・・・カオス・・・!」


アレンがつぶやくと、カオスは静かに瞳を開けた。

とても鋭く、でもどこかに優しい光を秘めた青い瞳だった。


『―――そうだ。我は〈灼熱と混沌〉を司る、炎の闘士・カオス』 


カオスの言葉に、目を見開かせる。目の前に、かつて世界を救った英雄が立っているのだ。


『思い出したか?二人の言葉を・・・』


その言葉に、アレンは再び驚きの表情を浮かべるが、すぐに真剣な瞳でしっかりと頷いた。


「俺は・・・父さんと約束した。本当の意味で、優しい心を持てって。

それに、母さんにも言われた。憎しみから何も生まれないって。

俺にはどうか・・・人の痛みや憎しみを、受け入れられるようになってほしいって」


右手に握られた、母のペンダントを見つめる。

アレンの言葉を、カオスは静かに聞いていた。


「正直、まだ母さんの言葉はぴんと来ない。それに、あのネオって奴も許せない。

けど、こんな気持ちのまま、あんな黒い力を手にしても、それは何の解決にはならない。たとえあの力で、あいつを殺せたとしても・・・」


アレンは拳を握りながら、それを見つめる。


「だけど、あいつらをこのままにしてはおけない。

だって・・・このままじゃ、俺と同じ想いをする人が増え続ける・・・」

『・・・ならば、どうする?』

「え?」


カオスの言葉に、アレンは目を見開く。

だが青い瞳は、それに反応することなく、こちらを見つめた。


『奴らは、只の人間の力で止まるほど、生易しいものではない』

「それは・・・」

『―――力が必要か?』

「え?」

『―――もし必要と言うならば、我が手を貸そう。

だが、その前にはっきりさせなければならないことがある』

「はっきりさせること?」

『―――お前は何のために、力を求める?』

「え?」


スッとカオスは右腕をアレンの右肩に置いた。


『我は汝に問う。汝は力を持って、何をしたい?』

「―――っ」


カオスの言葉が、一つ一つ胸に広がる。

力を、求める理由―――。

力を持って、自分が何をしたいか。

アレンは息を呑むと、カオスの瞳を見つめた。


「―――俺は、あいつらに傷つけられる人たちを見たくない。村のみんなや、父さんみたいな人たちを、これ以上増やしたくない。そして・・・俺と同じ想いをする人たちを作りたくない!

もし俺に力があるのだとしたら・・・俺は、そのために戦いたい!」


アレンは力を込めて、そう言い切った。

紛れもない、自分の意志を。

するとカオスはフッと笑みを浮かべた。


『―――それが、お前の意志か・・・。少年、名は何という?』

「・・・アレン・アビリオン」


緊張気味に、だがはっきりとアレンは言った。

すると、カオスの身体が再び炎の塊に変わっていった。


『アレン・・・お前は優しい少年だ。その想いを忘れるな。そうすれば・・・我が炎が、お前の背中を押すだろう』


瞬間、大量の炎が一つの紅い結晶へと変化した。


「結晶・・・?」


現れたそれに目を見張る。

よく見ると、その結晶の中に、小さな炎が宿っていた。


『〈聖核(ラティリア)〉―――我が魂と力を封印した聖なる結晶。さぁ、受け取れ―――』


そう声が響くと、聖核(ラティリア)はアレンの右手に移動する。

瞬間、とてつもない熱量が身体を襲った。


「ぐわああ!」


意識が飛びそうになるのを気力で抑える。気が付くと、アレンの右手の甲に聖核(ラティリア)と、それを囲むような不思議な模様が刻まれていた。

更に、その結晶から、新たな炎が現れる。


「何だ・・・!?」


その炎はアレンの右手に集まり、一つの大剣となった。

きれいな装飾が施された、刀身が紅い結晶でできた一本の大剣―――。


それは、カオスの唯一の武器である〈紅蓮を纏う剣ブレイズ・ファルシオン〉だった。


『さぁ行け。己の信じる道を―――』


カオスの言葉は、そこで途切れた。だがいなくなった訳ではなかった。

カオスの魂は右手の結晶に秘められている。

アレンは〈紅蓮を纏う剣ブレイズ・ファルシオン〉を握りしめた。

そして、母のペンダントを、そっと首から下げ、握りしめる大剣を見つめる。

その刃の中では、炎が激しく燃えていた。




       ✤




「アレン・・・!」


凄まじい炎がアレンを包む中、魔導器(セレスティア)から解放されたクゥは、その炎を見つめていた。

だが、その炎は狭い戦艦の中を縦横無尽に駆け巡り、辺りの物に燃え移り始めていた。

その影響で、どこからか爆発音が響き、戦艦が大きく傾き始めた。


「ネオ様!コントールが利きません!」

「・・・脱出する。総員、退避!」


兵士が狼狽える中、ネオは冷静に指示を出す。

その間にも、アレンを包む炎が膨れ上がる。


「やべっ!」


クゥも、慌てて割れた窓から外に出る。

外から見ると、〈黒き薔薇の剣(ナイトメア)〉の大きな戦艦は、紅き炎により包まれながら、降下していた。

そして、そのまま地面へと不時着する。


クゥは近くまで行き、炎に包まれた戦艦を見つめる。

すると、戦艦の紅き炎が凄まじい勢いで消え始めた。

否。消えているのではなく、吸い寄せられていた。

そしてあっという間に、炎は一か所に集まり跡形もなく消えていく。 


そこには・・・。


「アレン・・・!」


紅き大剣を持った、アレンが静かに立っていた。

凛としたその瞳には、先ほどまでの怒りや憎しみなどの感情はなかった。

あるのは、何かを決めた強い覚悟。

そして、その手に握る大剣は、紛れもなく〈紅蓮を纏う剣ブレイズ・ファルシオン〉だった。

かつて、この世界を救った炎の闘士・カオスの魔装。


「カオス・・・認めたんだな、アレンを・・・」


凛とした瞳をしたアレンを見て、クゥは呟いた。


「これが・・・〈紅蓮を纏う剣ブレイズ・ファルシオン〉・・・」


炎の中から姿を現したアレンは、大剣を見つめながら呟く。


「炎の闘士・カオス・・・目覚めたのか」


すると、何処からともなく声が響く。

それと同時に目の前に、光が現れた。

そこには、〈黒き薔薇の剣(ナイトメア)〉の兵士と、ネオがいた。


「お前・・・!」


アレンはその姿を確認すると、剣を構える。


「この状況で覚醒するとは・・・だがこれは反って好都合だ。兵士よ、あの者を捕らえよ!

彼の者の聖核(ラティリア)を、我らの手に!」


男がそう命令すると、兵士たちが武器を取って襲い掛かってきた。


聖核(ラティリア)を・・・!?」


自分の聖核(ラティリア)を一瞥しながら大剣を握りしめる。

すると、すぐ目の前で兵士が剣を振り上げていた。


「この!」


アレンは大剣で兵士たちの武器を叩き折った。

そしてすかさず敵の腹に蹴りを入れ込んだ。


「何!?」

「はああ!」


アレンはそのまま、次々と兵たちの武器を斬っていく。

もちろん、誰一人として殺してはいなかった。

不思議なことに、こんな業火の中にいるというのに全くその熱を感じなかった。

息も苦しくなく、むしろ力が湧いてくるような気がした。

しかも身体機能が上がっているのか、身体全体がとても軽かった。


「はぁ、はぁ・・・」


気が付くと、周りにもう兵士はいなかった。

正確には、殴り飛ばされて倒されていた。

息を整えながらネオの方に構える。あちらもまた、剣をこちらに構えていた。


「まさか覚醒したばかりでここまでやるとは・・・。―――少年、名は何という?」


男は先程のカオスと同じ質問を繰り出す。


「・・・アレン・アビリオン」

「そうか・・・覚えておこう。しかし、君には我ら〈黒き薔薇の剣(ナイトメア)〉の世界統制のために・・・共に来てもらう」


すると、ネオは凄い速さでアレンの間合いに詰めてくる。


(っ・・・速い!)


紅蓮を纏う剣ブレイズ・ファルシオン〉で何とか剣を受け止める。「ほぉ」とつぶやきながら、ネオは再び剣を振ってくる。


「っ・・・こいつ・・!」


(強い・・・!)


アレンは何とか防ぐと、ひとまず距離を取った。

カオスの力を手にし、それなりに戦いの訓練をしていたとしても、相手は紛れもない兵士。

しかも、先程まで相手にしていた兵士よりも、数段上の実力者。

戦いのスキルは、明らかにネオの方が上だった。


「くそっ・・・!」

「やはり、覚醒したばかりでは奴ら(、、)ほどではないな」

「奴ら・・・?」


ネオの言葉に首を傾げる。するとネオは、再び剣を構えた。


―――バチィ!


だがその時、ネオの背後から凄まじい電撃が現れた。

その一筋がネオの肩を掠る。


「くっ・・・!」

「雷・・・?」


電撃が放たれた方を見る。そこにいたのは、右腕を翳しているクゥだった。


「クゥ!」

「手伝うぜ、アレン!」

星天精霊(アスタリア)か・・・」


面倒だと言いながら、ネオは手にしていた剣を収めた。

他の兵士たちも、それを合図に立ち上がる。


「今日の所は退こう、アレン・アビリオン、そしてクゥ・・・。

だが、次に会ったとき貴様たちが死ぬ時だと思いたまえ」


「待て!逃げる気か!?」


アレンは剣を構えながら、ネオに向かって叫ぶ。


「私のしたことを、許してもらおうとは思わない。逆らいたければ、そうすればいい。我々〈黒き薔薇の剣(ナイトメア)〉は、全力で君たちの相手をしよう。・・・そして、必ず君たちの聖核(ラティリア)を奪って見せる」


すると、倒れていた兵士たちがネオの周りに集まる。

その瞬間、ネオたちの周りが不思議な光に満ちていく。


「ではまた会おう・・・カオスの〈継承者〉よ」

「ま、待て―――!」


アレンが駆け寄ろうとするが、ネオを含むすべての兵士は不思議な光に包まれて消えてしまった。


「今のも・・・魔法なのか・・・」


息を整えながら、小さく呟く。

その時、激しい轟音が辺りに響いた。


「あれは・・!」


後ろを振り向くと、村から凄まじい炎と煙が立ち込めていた。

それを確認すると、二人は慌てて村の方へと駆けて行く。

距離はあまりなかったため、二人はすぐに村へとたどり着いた。

辿り着くと、村は激しい音を立てて、炎が勢いを増していた。


「くそ・・・どうすれば・・・!」

「アレン、〈紅蓮を纏う剣ブレイズ・ファルシオン〉を掲げろ!」

「え?でも・・・」

「早くしろ!」


クゥの言葉に、アレンは渋々〈紅蓮を纏う剣ブレイズ・ファルシオン〉を天高く掲げる。


瞬間、刀身となっている紅い結晶が光り出した。

すると、村の炎が紅き刀身に吸い込まれ始めた。

数秒も経たないうちに、村を襲った炎は消えていった。


「炎を吸い込んだ・・・」


信じられない現象に呆然とする。だがクゥは自慢げに空を飛びまわった。


「すげーだろ。カオスの剣は、炎だったら吸収できるんだ」

「ああ・・・本当にすごいんだな・・・」


アレンはそう言って手にしている剣を見つめる。

すると〈紅蓮を纏う剣ブレイズ・ファルシオン〉が紅い光に変わり、アレンの聖核(ラティリア)の中に吸い込まれた。


「消えた・・・」

「ちげーよ。聖核(ラティリア)の中に戻ったんだ」


クゥの言葉に納得する。確かに自分の中に還って行く感覚がしたのだ。

するとクゥは、アレンの首に巻き付いた。

そして、苦虫をつぶしたような表情を浮かべた。


「アレン、大丈夫・・・なわけないよな」


その言葉に、アレンは辺りを見回す。確かに炎は消えたが、村は跡形もなく焼き払われてしまった。

生き残っている人ももちろんいなかった。


「・・・そうだな・・・正直きつい・・・な」


いつも通りの朝を迎え、いつも通りの日々を今日も過ごすはずだった。

今まで多くの人に囲まれていた少年が、一瞬のうちに独りぼっちになってしまったのだ。


「・・・少なくとも、もうここにはいられない」

「・・・そう、だな」


アレンはもうただの少年ではない。経緯は分からないが、十二闘士の力を手に入れたことは事実だし、何より世界を支配しようとしている組織を敵に回したのだ。

すると、焼け残った残骸の中に、何かが横たわっていた。


「あれは・・・」


慌てて駆け寄ると、そこには、静かに眠る父・ランディの亡骸があった。

業火の中放置していたというのに、損傷は胸に空いた穴以外、何もなかった。


「父さん・・・どうして・・・」

「俺が魔法で結界を張ってたんだ」


すると、肩に乗ったクゥが言った。


「クゥが・・・?」

「ああ。亡くなった瞬間、炎から守るためにな」

「そう、だったのか・・・ありがとう・・・」


アレンは父の手を胸の辺りに揃えて、静かに目を閉じた。

しばらくそうすると、決意したかのように立ち上がった。


「・・・とりあえず荷物をまとめて遺跡に行くか。あそこなら落ち着いて話ができるし。ちょっと待っててくれ」

「ああ、分かった・・・っては!?」


アレンの言葉に、クゥは目を見開く。


「何だよ?」

「何だよってお前!・・・言いにくいが、こんな状態の村で何をどう準備するんだよ?」


クゥの言うことは最もだ。こんな黒焦げの村では何も準備はできない。

だがアレンは、少しだけ笑みを浮かべた。


「ああ、そのことか。それなら大丈夫だ」


アレンはそう言うと、ゆっくり歩き出した。


「お、おい!」


クゥも慌ててその後を追う。

向かった先は、自分の家があった場所。

いくつも瓦礫を慎重に退かせていく。しばらくすると、一つの鉄製の扉が見つかった。

アレンは力を込めてその扉を開く。


「地下への階段か」

「ああ。でも明かりが・・・」


アレンが困った顔を浮かべると、隣でボォッという音がした。

見ると、クゥの小さな指の上に小さな炎が灯っていた。


「それも魔法か?」

「ああ。俺たち精霊は魔法を使うからな」

「へぇ~すげーな!これなら地下にも行ける」

「・・・しかしお前、背中大丈夫か?」

「背中?」

「ひでー火傷になってる」


クゥの言葉にアレンはちらりと見る。瓦礫が背中に当たったせいで、背中には大きな酷い火傷が残っていた。恐らく一生消えないだろう。


「大丈夫だよ。それに、これなら一生忘れないからな。・・・この日のことを」

「・・・そうか。ま、お前がそう言うならいいけどな」

「ありがとな。気にかけてくれて」


礼を言いながら、アレンたちは地下へと降りていく。

少しすると、一つの扉が見えてきた。

慣れた手つきで扉を開ける。中を入ると、クゥは「ほぉ~!」と声を上げた。


そこには、服や食料、地図や護身用の短剣(ナイフ)など、旅に欠かせない物がしっかりと揃っていた。


「こりゃすげーな!旅に必要なもんばかりじゃねーか!」

「父さんがしょっちゅう旅に出てからな。地下に部屋を作って、いろんな荷物を保管してたんだよ」

「なるほどな・・・。ていうか、父ちゃんが旅に出てた理由、本当に知らないのか?」

「だから言ったろ。"世界を見てみたい"って言ってたって」

「まぁ、そうだけど。―――けど、それだけじゃないだろ、絶対」

「・・・そうだな。うすうす感づいてたけど、父さんには、何か他に明確な目的があったはずだ。

じゃなかったらお前の事、知っているはずないもんな」

「ああ」


アレンの言葉に、クゥは真剣な表情で頷く。


ランディはいろいろなことを知っていた。〈黒き薔薇の剣(ナイトメア)〉のこと、クゥのこと。

更に、〈黒き薔薇の剣(ナイトメア)〉の狙いが、遺跡だということも知っていた。


否、正確には「遺跡にあるもの」と言及していた。

あの口ぶりからすると、ランディも聖核(ラティリア)の存在を知っていたのだろう。

それらはすべて、旅により得た情報なのかもしれない。

だが、一人で旅をしている者が得るには、あまりにも一つ一つが大きすぎる情報な気がする。

それに、例えそれらを旅の間で得た情報だったとしたら―――ランディは一体何を目的として旅をしていたのだろう。


アレンの中で、次々に疑問が浮かんでは消えていく。

だがそんな疑問を投げかけても応えてくれる者はいない。父を含め、村人は全員死んでしまったのだから。

アレンは込み上げてくる涙をこらえながら荷物をまとめる。涙を流しても、何の解決にもならない。

それに、いつまでも泣いていたら、父が心配する。


(泣くのはだめだ・・・俺がこんなでどうするんだ!)


改めて決意を固めたアレンは、荷物をまとめる手を速めた。

その様子を、クゥが後ろから静かに見つめていた。






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