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やりすぎた……

 俺は素早く矢を生成し放つ。狙いを定まらせないようにおっさんは小刻みに移動しながら近づいてくるが放った矢は五本に別れおっさんに向かった。少し驚いたような顔になっていたがすぐに冷静になり両手斧を振り回し全ての矢を叩き切った。


「なかなかやるな……なら、これならどうだ!」


 おっさんは両手斧を投げてきた。予想外の攻撃だったがしっかり軌道を読み、躱そうとしたが突然両手斧が四つ分裂した。真っ直ぐ飛んでくるのが一つと上からと左右から飛んでくる。上からのを打ち落としす。左右からのはバックステップで躱し真っ直ぐ飛んできたのは弓を使いガードし弾いた。分裂した両手斧は操られたようにおっさんの手に戻り一つの両手斧に戻った。


「ガハハハッ! 今のを躱せるとは予想外だ!」

「今のは【遠隔操作(リモートコントロール)】のスキルとその両手斧……能力武器だな」


【遠隔操作】

 投げた武器を遠隔で操れる能力。自らの手で投げた武器のみしか操作できないため扱いにくいスキル。

 能力武器。

 スキルが宿る武器。持ち主のスキルによって相性がいいスキルが宿る。入手方法はダンジョンボスを倒した時か宝箱から超低確率でのみ。とても貴重の為売却すれば巨万の富を得られる。


「両手斧のスキルは【分裂】だろ?」


【分裂】

 任意の数だけ分裂することが出来る。ただし、すればするほど小さくなり、弱くなる。


「ほう、俺様のスキルだけではなく武器に宿るスキルまで見抜くとは何者だ?」

「ただの旅人さ」


 まぁ実際は転生時に刻まれた世界の知識のおかげだけどね!

 

「見抜いたところでお前にはなにもできねえよ!」


 再び分裂した両手斧が襲いかかった。


「颶風と化せ、トルメンタニア!」


 俺は颶風の弓と共鳴した。すると訓練場中に突風が吹き俺を中心にして強烈な風が渦巻いた。飛んできた両手斧は全て風に阻まれた。全ての両手斧を一本に戻し吹き飛ばされないように地面に刺しておっさんは耐えている。観客席のあちこちで悲鳴が聞こえる。


「くっ……お前なにをした!」


 おっさんの質問に答えず、弦を引いた。すると周囲に発生していた強烈な風は弓に集まり矢を生成した。狙いすまし放たれた矢は強烈な風を巻き起こしながら音速の速さでおっさんに向かった。咄嗟に両手斧でガードしたが耐えきれず吹き飛ばされ壁に激突した。壁は粉々に壊れ土煙が舞った。やがて土煙が晴れそこにはおっさんが立っていた。


「はぁ……はぁ……なかなか強烈な、一撃だったぜ……Bランクの……俺様が、負けるわけには……うっ」


 おっさんはそのセリフを最後に倒れこんだ。周りは一瞬静かになったが審判のアースさんがいち早く気を取り戻し試合終了の宣言をした。


「勝者、ハヤト!」

「「「うおおおおおおおお!」」」


 訓練場中が一気に盛り上がりお祭り騒ぎになった。ロイドは俺の所に駆け寄り嬉しそうにはしゃいでいた。審判を務めてくれたアースさんと魔法使いが数名がおっさんのところに行き治癒魔法をかけている。あれなら大丈夫そうだ。


「あああ! 旦那の武器が壊れている!」


 アースさんの叫びで一瞬で訓練場中が静かになった。俺はやりすぎたと思いおっさんの近くに移動した。そこには粉々に砕けた両手斧が横たわっていた。直す方法が無いか考えた。すると気絶していたおっさんが意識を取り戻した。


「……こ、こは……」

「だ、旦那! 実は……」


 アースさんは意識が戻った旦那に武器が壊れたことを伝えた。おっさんは険しい顔になっていく。俺は体を九十度に曲げ謝罪をした。


「お前が謝ることはねえ!」

「え?」

「武器が壊れたのは俺様が弱かったってことよ! なあにまた手にいれるさ。ガハハハッ!」


豪快に笑っているおっさんだがどこか悲しそうな感じがする。長年連れ添った相棒失ったんだ。悲しまない人なんていない。俺は直す方法を必死に考えた。一つだけ思いついた。


「おっさん、この武器を俺に直させてくれ!」

「嘘言ってんじゃねえぞ! 鍛冶師でもねえお前が直せる訳がねえ!」


 激怒したアースさんは俺の胸倉をつかんで睨みつける。俺は怯むことなく言葉を続けた。


「俺を信じてくれ!」

「貴様!」


 アースさんに突き飛ばされたが俺は真剣な目をおっさんに向けた。


「……任せてもいいんだな?」

「旦那!? いいのかこんな奴に!」

「アースもういい。俺はこいつを信じるぞ。だから俺の相棒を直してやってくれ」

「ああ、任せろ!」

 

 俺はさっそく【無限収納】から盾を取り出した。名は黄金の盾。属性は金。神獣の一柱、黄金の獅子から授けられた神獣武器。

 ロイドに頼み両手斧を鑑定してもらう。オリハルコンから作らていた。今手持ちにはオリハルコンはない……なら、作るまでだ。


「黄金と化せ、ゴルドシンバ!」


 オリハルコンを作りだすために二度目の共鳴をした。銀色だった盾は黄金色に変わった。俺は地面に手をつきオリハルコンを生成した。共鳴したことによりなしえた力業だ。生成したオリハルコンと粉々の両手斧を一塊に合成する。頭に焼き付いたおっさんの両手斧をイメージしながら変形させた。どうにか元の形に復元は出来た。完成したのをおっさんに渡し確認してもらった。両手斧をちゃんとスキルが発揮され分裂してる。どうやら無事に成功のようだ。


「感謝するぞ、ハヤト!」


 その一言でまた訓練場中の人たちが盛り上がった。おっさんから強烈な抱擁されお礼を言われた。いつの間にか名前で呼ばれた。


「痛いっておっさん」

「おっと、すまんすまん。ガハハハッ!」

「ハヤト、先ほどは酷いことして。わるかった」

「気にしてないさ」


 アースさんとも打ち解け握手を求められた。俺も握手をしようとしたが急に眩暈に襲われ立っていることもできず前のめりに倒れこんだ。周りにいた人たちが俺の名前を呼んでいるのを聞こえるがその声もだんだんと遠ざかり俺は意識を失った。


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