なんだコイツ
穴から出ると5m程先に地面(石の床?)がありました。
「よ……っと」 (音も無く着地)
「あっぶね!」 トン
「うわぁあ!」 ダンッ!
「おおっ!?」 ドンッ!
「「うみゃー!」」 バタバタ
うん、なんか多くないですか?
しかもあれは……本物のブレザー!じゃあこの人達、日本から召喚されたんですか!?
アリスなら分かるかもしれないですね……
「アリス」
「何?チェシャ猫」
「あの人達ってもしかして日本の住人ですか?」
「そうだよ。……多分、高校生ぐらいじゃないかな」
「なるほど……」
アリスとそんな話をしていると、彼等の中で一番最初に落ちてきて下敷きになっていた青年が近づいて来た。
「あの、何の用なんですか」
「………はい?」
「どういう意味……?」
「惚けないでください!貴方達が俺達を召喚したんでしょう!」
「……頭大丈夫か?お前」
「俺は正気だ!」
「……説明も無いのに召喚だと決めつける時点で充分アウトだと思うんですけど」
「それな」
「~~っ!そもそもっ!お前達は何者なんだよ!!」
「じゃあ先ずお前が名乗れよ」
「は?何でだよ」
「他人に名を聞く時は自分が先に名乗るのが礼儀ってモノですよ」
「そうだぞ藍人。礼儀は大事だ」
「「そうだ、そうだ~!」」
「お前らは誰の味方なんだよ!」
「「「自分」」」
「俺の味方はいないのかよ~!」
「それで、貴方の名前は?」
「俺の名前は鷺原 藍人だ!」
「俺は西野 武だ」
「僕は瀬尾 遥で~」
「僕が瀬尾 彼方だよっ!」
名乗った順番はそのまま落ちてきた順番ですね。
「さぁ名乗ったぞ!お前達も名乗れ!」
「あぁ、そうでしたね。私の名前はチェシャ猫です」
「僕はアリスだ」
「さ、これで良いですね」
「おいちょっと待て」
「なんだよ」
「お前は良いとしてソイツは確実に偽名だろ!」
「偽名というか渾名ですね」
「どっちにしろ本名じゃないだろ!」
「初対面の相手に本名名乗るかよ」
「お前も偽名かっ!」
鷺原君達には魔法がある世界で本名を名乗る危険性を理解して貰わないといけませんね………